世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン(グループ・ジョン・マッケンロー)の2戦目で、アンディ・マレー(イ…
世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン(グループ・ジョン・マッケンロー)の2戦目で、アンディ・マレー(イギリス)は、大会の歴史上最長試合となった3セットマッチを生き延び、6-7(9) 6-4 6-4で錦織圭(日本/日清食品)を振りきって連勝記録を「21」に伸ばした。
世界1位のマレーは錦織を退けるのに3時間20分を必要とし、第1セットだけでも85分かかっている。
2009年に大会がO2アリーナに移って以来、マレーがラウンドロビンによるグループ戦の最初の2試合に勝ったのは初めてのことだ。彼はまた、ここ4年で初めて準決勝に進出するためのポール・ポジションにつけている。
グループ・イワン・レンドルのノバク・ジョコビッチ(セルビア)はすでに準決勝進出を決めており、マレーがもし錦織に負けていたら、その黒星は彼が世界ナンバーワン・ランキングを保持するチャンスにダメージを与えかねかった。
コートから去るとき、地元の観客からスタンディング・オベーションを受けたマレーは、観客の声援について「このために選手は日々努力を積んでいる。このような場所のこのような瞬間のために。(会場は)本当に素晴らしい雰囲気だった」と感慨を吐露。また試合について、「圭は僕を大いに走らせ、彼は多くのポイントで主導権を握っていた。でも僕は勝つのになんとか十分なだけのブレークを果たすことができた」と振り返った。
「今のところ、身体の感じは大丈夫だ。筋肉のこわばりや痛みを感じるのは通常翌日だが、シーズンの残りは、うまくいけばあと3日といったところだし、可能な限り多くの試合をくぐり抜けることができるよう全力を尽くすよ」とマレーは言った。
9月の全米オープンで5セットの熱戦の末にマレーを下した錦織は、マレーが快進撃を見せたここ5ヵ月の間に、彼を倒した数少ない選手のひとりだった。錦織はまた、2年前のATPファイナルズでもマレーを倒しており、やや冴えなかったスタン・ワウリンカ(スイス)を倒した月曜日の試合でも印象的なプレーを見せていた。
しかし、新ナンバーワンのマレーも踏みこたえる力では、これまで以上のものを身につけていた。第1セットの錦織は5-6からセットポイントをしのがなければならず、マレーのフォアハンドがサイドアウトしてついにセットを取る前に5本のセットポイントを必要とした。
一方、マレーは第2セットの出だしにすぐさまブレークを果たした。錦織も盛り返して4-4と追いついたが、マレーはふたたびブレークし、2つのブレークポイントをしのいで6-4で第2セットを取ると、勝負を最終セットに持ち込んだ。
今季、これまでのどの年より多くの試合をプレーしたマレーは憔悴しているようにも見えたが、錦織の判断力も疲労によって陰り、第3ゲームでブレークを許してしまう。錦織がダブルフォールトをおかし、1-4とリードを許してしまったとき、マレーがついに息を吐く余地を得て、終わりが見えてきたかに思われた。
しかし、錦織はそのまま崩れなかった。彼は称賛に値する不屈の魂で攻撃し、ワンブレークを返す。それでもマレーは2度目のチャンスで自分のサービスゲームをキープし、ようやく試合に終止符を打つことに成功した。
この勝利でマレーは連続21試合目の勝利を刻んだ。マレーは金曜日にグループ・ジョン・マッケンローの最後の試合でワウリンカと対戦する際に、6月から8月までの自分の最高記録----22連勝----とタイの連勝を記録するチャンスを手にしている。
ナイトマッチのスタン・ワウリンカ(スイス)とマリン・チリッチ(クロアチア)の対戦は、ワウリンカが第1セットでセットポイントをしのぎ、タイブレークでチリッチを圧倒した。
チリッチは第2セットの出だしでブレークに成功したが、ワウリンカはブレークバックし、ふたたびもつれ込んだタイブレークで非常にいいサービスを放ち、結局、7-6(3) 7-6(3)で勝利をつかんだ。ワウリンカはチリッチとの13回の対戦で11回目の勝利を記録した。
この日の結果により、グループ・ジョン・マッケンローの戦績は、1位マレー2勝0敗(セット得失数4-1)、2位錦織1勝1敗(3-2)、3位ワウリンカ1勝1敗(2-2)、4位チリッチ0勝2敗(0-4)となった。グループ最終戦は金曜日に行われる。(C)AP(テニスマガジン)
【16日試合結果】※[ ] 数字はシード順位、およびダブルスはスーパータイブレークスコア
第1試合 ○ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[5] 6-3 6-4 ●レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)[7]
第2試合 ○アンディ・マレー(イギリス)[1] 6-7(9) 6-4 6-4 ●錦織圭(日本)[5]
第3試合 ○フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[4] 7-5 5-7 [10-8] ●ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[1]
第4試合 ○スタン・ワウリンカ(スイス)[3] 7-6(3) 7-6(3) ●マリン・チリッチ(クロアチア)[7]
【17日試合予定】※[ ] 数字はシード順位、Alt=補欠
第1試合(12時開始)ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[3] vs トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)[8]
第2試合(14時以降)ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] vs ダビド・ゴファン(ベルギー)[9/Alt] ※ガエル・モンフィス欠場のため
第3試合(18時以降)ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)[2] vs イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[6]
第4試合(20時以降)ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[4] vs ドミニク・ティーム(オーストリア)[8]