世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第4日のシングルスは、ジョン・マッケンローグループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦を行っ…

 世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第4日のシングルスは、ジョン・マッケンローグループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦を行った。世界ランキング5位の錦織圭(日本/日清食品)は、今月7日付けの同ランキングで初の1位を獲得したアンディ・マレー(イギリス)と対戦。第1セットをタイブレークで奪ったが、逆転で敗れた。試合時間3時間20分は、3セットマッチとしては大会史上最長となった。

 第1セットは一度もサービスブレークのない緊迫した展開となった。タイブレークでは6-3から3度のセットポイントを逃した錦織だが、逆に相手のセットポイントを2度しのぎ、11-9で制した。1ポイント1ポイントの中身が濃く、ここまで1時間25分を要した。

 第2セットは冒頭のサービスゲームでブレークを喫し、次のリターンゲームでは0-30としながらキープを許した。錦織が「いきなりブレークされたのは、(この試合で)一番悪かったところかも。耐えていれば展開も変わった」と悔やんだ場面だ。セット終盤にブレークバックに成功、4-4としたが、ふたたびブレークを許し、このセットはマレーに押しきられた。

 第3セット序盤も前のセットと似たような展開となった。ややプレーが淡泊になった錦織を、マレーがかさにかかって攻めてくる。1-5から3ゲーム連取で4-5まで食い下がったのは立派だったが、最後はマレーにラブゲームでサービスキープを許し、マラソンマッチは決着した。

 試合後、錦織が重い口を開いた。 「大事なポイントで、ミスしたり、球が浅くなったり。特にブレークポイントが取れなかった。全体的にいいプレーだったが、取れるところをしっかり取っていかないと、1位、2位の選手には逆転されてしまう」

 錦織のブレークポイントは3セットで11度あったが、ブレーク成功は2度だけ。第1セットは3度のブレークチャンスをすべて逃し、タイブレークも5度目のセットポイントでようやくものにした。

 苦労して最初のセットを奪ったものの、集中力を費やしたことで、第2セット序盤には気持ちの隙が生じたか。「多少、放心状態になっていた。それを戻せなかったのは自分の弱い部分」と錦織。この数ゲームが結果的に分岐点となった。第3セットも集中力のギアは上がらず、競り合いでの強さという最大の持ち味を発揮できなかった。

 勝利は逃したが、「試合内容は悪くなかった。自信を持って次に臨める」と手応えを得る試合となったのは間違いない。

 1勝1敗で迎えるマリン・チリッチ(クロアチア)との第3戦に準決勝進出を懸ける。錦織は「テニスはよくなっているので、しっかりプレーできればチャンスは全然ある」と前を向いた。

(テニスマガジン/ライター◎秋山英宏)

【16日試合結果】※[ ] 数字はシード順位、およびダブルスはスーパータイブレークスコア

第1試合 ○ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[5] 6-3 6-4 ●レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)[7] 

第2試合 ○アンディ・マレー(イギリス)[1] 6-7(9) 6-4 6-4 ●錦織圭(日本)[5]

第3試合 ○フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[4] 7-5 5-7 [10-8] ●ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[1]

第4試合 ○スタン・ワウリンカ(スイス)[3] 7-6(3) 7-6(3) ●マリン・チリッチ(クロアチア)[7]

【17日試合予定】

第1試合(12時開始)ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[3] vs トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)[8]

第2試合(14時以降)ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] vs ガエル・モンフィス(フランス)[6]

第3試合(18時以降)ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)[2] vs イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[6]

第4試合(20時以降)ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[4] vs ドミニク・ティーム(オーストリア)[8]