世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第3日、シングルスはイワン・レンドル・グループのラウンドロビン(総当たり戦)の第2戦を行った…

 世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第3日、シングルスはイワン・レンドル・グループのラウンドロビン(総当たり戦)の第2戦を行った。

 初出場同士の顔合わせとなったデイセッションでは、世界ランキング8位のドミニク・ティーム(オーストリア)が同6位のガエル・モンフィス(フランス)を6-3 1-6 6-4で破り、通算成績を1勝1敗とした。モンフィスは2連敗と苦しくなった。

 今年、ATPファイナルズにデビューした2人はともに初戦を落とした。ティームはノバク・ジョコビッチ(セルビア)から第1セットを奪いながら、第2セット以降は粗さが目立つ試合となった。脇腹を痛めてマスターズ・パリ大会を欠場したモンフィスは、コンディションが万全でないのか、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に完敗した。

 環境にも慣れたのか、この第2戦では両者が持ち味を出した。

 第1セットを落としたモンフィスは、第2セットは持ち前の粘り腰を見せ、カウンターショットの連発で観客を沸かせた。ティームは3セットでウィナーが20本と、アンフォーストエラーの19本を上回った。初戦では「ラリーの最初のほうでエラーをしてしまうことが多すぎた」と悔やんだが、「ミスを避けて少し落とした」ことが功を奏し、安定感が増した。

 最終セット終盤に明暗が分かれた。モンフィスが4-5からのサービスゲームで3度のダブルフォールトと自ら崩れ、初勝利がティームに転がり込んだ。今季のティームは最終セットにもつれた試合で21勝3敗と大きく勝ち越していた。3セットの総獲得ポイントが両者74で並んだこの試合でも、その勝負強さを発揮した。

 ティームはこの勝利で今年の最終ランキング8位以内が確定した。トップ8から陥落するのは、今大会に出ていないラファエル・ナダル(スペイン)だ。ロジャー・フェデラー(スイス)は、16位までランキングを落としている。順位の変動がないまま来年の全豪を迎えれば、ナダルもフェデラーも上位8シードに入れない。故障も影響したランキングの変動とはいえ、ビッグ4が君臨した男子ツアーが、徐々に新しい時代に移行しているのは間違いない。

 初戦で敗れたあと、「勝敗は別にして、トップ10プレーヤーと3戦できるのはよい経験になる」と話したティーム。1勝1敗で迎えるラオニッチとの第3戦は、出場選手最年少の23歳にとって、またとないチャレンジの機会となる。

(テニスマガジン/ライター◎秋山英宏)

【15日試合結果】※現地時間

第1試合 ○ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)[2] 6-3 1-6 6-4 ●ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[3]

第2試合 ○ドミニク・ティーム(オーストリア)[8] 6-3 1-6 6-4 ●ガエル・モンフィス(フランス)[6]

第3試合 ○イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[6] 7-5 6-4 ●トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)[8]

第4試合(20時以降)ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] vs ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[4]

【16日試合予定】

第1試合(12時開始)ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[5] vs レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)[7] 

第2試合(14時以降)アンディ・マレー(イギリス) [1] vs 錦織圭(日本)[5]

第3試合(16時以降)ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[1] vs フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[4]

第4試合(18時以降)スタン・ワウリンカ(スイス)[3] vs マリン・チリッチ(クロアチア)[7]