第8節は慶大とのカード。後半3分に飛び出した佐藤凌の先制弾を皮切りに、一挙4得点を奪取。最終スコア4-0で、きっちり勝点3を積み上げた。 最上級生の活躍なくして今節は語れない。後半開始早々の3分「反応するだけだった」と佐藤凌がこぼれ球を押…

 第8節は慶大とのカード。後半3分に飛び出した佐藤凌の先制弾を皮切りに、一挙4得点を奪取。最終スコア4-0で、きっちり勝点3を積み上げた。

 最上級生の活躍なくして今節は語れない。後半開始早々の3分「反応するだけだった」と佐藤凌がこぼれ球を押し込むと、12分に住永、15分は再び佐藤凌、19分には小柏とそれぞれ先発出場の4年生が得点を生みだす。「積極的に前に仕掛けることができていた」(栗田大輔監督)。この間わずか16分と、怒涛(どとう)のゴールラッシュで慶大を圧倒。握り続けた主導権は、90分の笛で白星に形を変えた。

(写真:今節2得点の佐藤凌)

 今月24日、天皇杯出場をかけた東京都予選にて中大に敗戦。「J1を倒す」というチームの目標は、はかなくも砕け散った。「なかなか受け入れられない部分もあった」(住永)。とりわけ4年生にとっては、学生としてプロに挑む最後の機会。もちろんショックは大きかった。それでも、このまま熱を切らすわけにはいかない。「下級生に何かを残すというのが自分たちの役割」(佐藤凌)。仕切り直しの一戦となった今節。得点はもちろん、守備でのハードワークに至るまで、その一つひとつに最上級生の意地が現れていた。

(写真:副将・住永のゴールを祝福する主将・須貝)

 戦いはまだまだ続く。今後のカギとなるのは早い時間帯での得点。リーグ第8節(今節)までに記録した20得点のうち、前半45分間に挙げた得点はわずかに3。早々に舵をつかむことができれば、試合運びもより盤石になるはずだ。「残る試合は全部勝つ」(住永)。決意を新たに、次節は法大へ挑む。

[高野順平]

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試合後のコメント

栗田監督

――今節を振り返っていかがでしたか。

 「天皇杯という目標が破れてしまって、今日のゲームはとても大事なゲームだと考えていました。前半は少し硬さもありましたが、後半は明大らしいサッカーができていたと思います」

――今節は明大がボールを保持する時間が長かった印象です。

 「相手がブロックを敷いてカウンターを狙っていたので、こちらがボールを持つ時間が長くなるとは予想していました。後半は相手の背後に入ったり、ドリブルで仕掛けたりという所で相手をひっくり返すことができたので、それが勝利の要因かなと思います」

佐藤凌

――ご自身のゴールシーンをそれぞれ振り返ってください。

 「1点目の際はGKの前にいました。シュートがポストに当たってこぼれてきたので、反応するだけでした。2点目はヒデ(須貝)がいいクロスを上げてくれて、そこにタイミング良く入れました。本当はダイレクトで打ちたかったのですがトラップをして、そこからは感覚でかわしてのシュートでした」

――今日の2ゴールを合わせて6得点。チーム内の得点ランキングトップです。

 「剛(小柏)が何節か抜けていて、自分が引っ張ろうという気持ちだったので、それが結果に上手くつながっているのかなと思います。FWというポジション柄、得点が一番チームに貢献できる形なのでこだわりたいです。もちろん、それ以外の守備等の部分もレベルを上げていかなければと思います」

住永

――リーグ戦を通して後半に点を取ることが多い印象です。

 「どのチームも前半はフレッシュに体張って守ってくる中で、後半に相手が落ちてきた瞬間を明大が隙を突いて点を奪うということが多かったと思います。前半からしっかり点を取らなければいけないというのが、今の自分たちの課題です」

――24日の天皇杯予選で敗れて以降、初めての公式戦でした。

 「ここ最近、リーグの国士大戦と天皇杯予選の中大戦と2試合に負けてしまっています。明大は負けに対するプライドというのが一人ひとり高すぎて、なかなか受け入れられない部分もありました。負けた後には僕たち4年生の間で『もっと明大を引っ張れる存在にならなくては』と話をしました。悔いはありますが、リーグ戦、アミノバイタルカップと残りの試合は全部勝つしかないと思っています」