TEAM123456789計日大2001020207早大0100010204(早)清水、金田、田中爽―中村◇(二塁打)下久保(5回裏)(9回裏)、押尾(6回裏) 優勝にあと一歩届かなかった。初回、先発・清水佑樹(スポ3=早稲田佐賀)は初回か…

TEAM
日大
早大
(早)清水、金田、田中爽―中村
◇(二塁打)下久保(5回裏)(9回裏)、押尾(6回裏)

 優勝にあと一歩届かなかった。初回、先発・清水佑樹(スポ3=早稲田佐賀)は初回から制球が定まらず2点を失うと、その後は自身の失策も絡み、6回途中5失点の苦しい投球となった。その後も相手打線に点を許し、早大は計7点を献上した。一方の打撃は下久保直哉(商3=大阪・早稲田摂陵)の適時打などで4点を挙げたが、反撃は及ばず。早大はSummer Challenge Cupを準優勝で終えた。

 


先発した清水。ここ2試合は制球に苦しんだ

 先発マウンドに上がった清水は初回から制球に苦しむ。先頭に安打を許すと、後続に四球を与え、走者を貯めた。2死満塁とされると、6番・丸岡麟太郎(日大)に適時打を放たれ、あっという間に2点を失った。さらに4回、投ゴロの処理に当たった清水の悪送球により、打者は三塁へ。続く打者に左犠飛を放たれ追加点を与えた。そして6回、2死三塁の場面。8番・宮澤大地(日大)に、左中間に落ちる三塁打を放たれて走者がホームイン。この回2点を失った。6回途中からエースリリーフ・金田歩(商4=東京・早実)が登板したが、相手打線を抑えきれない。8回、四球と二塁打で2死二、三塁とされると、後続に二塁打を許し2失点。点差を5点に広げられる苦しい展開となった。だが、その後は3番手・田中爽稀(法3=神奈川・柏陽)が追加点を与えず、あとは打線の奮起を待つだけとなった。


この試合3安打を記録した下久保。自身初の猛打賞となった

 一方の打線は2回、先頭が四球で出塁すると、続く渡部椋雅(商3=神奈川・桐光学園)が犠打で送り2死二塁に。この好機の場面で8番・下久保。中堅手方向にきれいに打ち返し、一点を返した。その後は6回、先頭の押尾雄輝(教4=埼玉・早大本庄)が二塁打を放つと、後続の内野ゴロで着々と塁を進め、一点を追加した。さらに8回、関大輝(基理3=茨城・江戸川学園取手)と須能浩太郎(商3=東京・早実)の二連打で無死一、二塁とすると、連続四死球で押し出しの一点を獲得。その後も内野ゴロの間に一点を追加し、3点差まで詰め寄った。そして迎えた9回。この日3本目となる下久保、関の安打で2死一、三塁の絶好機に。最後の逆転のチャンス。一塁ベンチ、応援席の声援はより一層大きくなり、ボルテージは最高潮に達していた。「『まだまだこれから』という雰囲気で戦えていました」(中村康祐主将、教4=早稲田佐賀)。この場面で打席に向かったのは須能。二球目を捉えた打球は大きく弧を描き、あわや本塁打と思われた。だが、打球はフェンスぎりぎりで、無情にも右翼手のグラブに吸い込まれ、ゲームセット。早大らしい粘り強い攻撃を見せたが、反撃はあと一歩及ばず。早大の夏は準優勝で幕を閉じた。


最後まで反撃の雰囲気を絶やさなかった早大

 「ミスが失点につながった」。敗因として、中村主将はこのように話した。この日記録した失策は計4つ。ここ2試合は守備のミスが無かった一方、今回は守りからリズムをつくることが難しくなってしまった。だがその中でも、内野陣の失策をカバーする好守が目立った。1つ目は5回2死一塁の場面だ。二ゴロに打ち取った打球を二塁手が失策してしまう。しかし、そのカバーにあたった中堅手・渡部が、二塁を回った走者を見て三塁へ送球。これが見事なストライク送球となり、チームは窮地を脱した。2つ目は7回1死二塁の場面、再び二塁手が失策したものの、これを右翼手・関が見事にカバー。三塁を回った打者に対し、ホームへ見事な送球をし、追加点を与えなかった。このように、失策をカバーする野手の好守によって、傷口を最小限に抑えることができたのだ。一方の打撃も、相手打線が放った安打が11本なのに対して早大打線は10安打と、打撃の実力は申し分ない。上位打線でも下位打線でも好機を作って得点できる打線なだけに、つながりをみせられれば、大量得点が可能なのである。東京六大学秋季リーグ戦まで残り一週間。守備と打撃により磨きをかけ、リーグ戦4連覇を達成してほしい。

(記事 小山亜美、写真 手代木慶、樋本岳)

★今大会のベストナインに5選手、最優秀打者賞に関選手が選出!


最優秀打者賞とベストナインの同時受賞を果たした関


ベストナインに選出された5選手

▽最優秀打者賞 関大輝(基理3=茨城・江戸川学園取手)
打率.538(13打数7安打) 3打点

▽ベストナイン 
<投手部門> 金田歩(商4=東京・早実)
防御率 1.8 (10回 自責点2)
<一塁手部門> 押尾雄輝(教4=埼玉・早大本庄)
<二塁手部門> 塚脇太陽(人4=千葉・市川)
<外野手部門> 関大輝(基理3=茨城・江戸川学園取手)
<指名打者部門> 川原崚(商2=東京・早実)


早大からは代表として金田が表彰された

金田は、今大会を通じて好投し、再三にわたってチームの窮地を救う活躍を見せ初の選出となった。関はチームトップの打率を残し、ベストナインと最優秀打者賞の同時受賞を果たした。今回ベストナインに選出された5選手は、例年11月に開催される全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会の出場が決定した。六大学秋季リーグ戦での活躍はもちろん、関東選抜としての活躍も期待したい。

(編集 小山亜美)

コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――今日の試合振り返っていかがですか

今日はミスが目立ちましたね。今まではミスが無かったじゃないですか。一番肝心な投手がミスをしてしまったので、それが得点に結びついた部分がありました。投手からリズムを作っていかないといけないところで(投手が)崩れてしまったので、非常に厳しい試合になって、結果がこうなってしまったというのがありますね。

――清水佑樹(スポ3=早稲田佐賀)選手の投球自体はいかがでしたか

球もきていたと思いましたし、悪くはなかったのですが、途中で出さなくてもいい四球を出して点に結びついてしまったりしたので。彼は真面目に練習に取り組んでいるので、自分なりに分析はしていると思うんですが、ちょっとしたことを変えること、彼の意識を変えることでステップアップした投球ができると思います。

――内野のエラーをカバーする外野の守備がありましたが、振り返っていかがですか

あれは見事でした。関(大輝、基理3=茨城・江戸川学園取手)にしても渡部(椋雅、商3=神奈川・桐光学園)にしても、本当に素晴らしいと思います。あのようなプレーがあったから、傷口が最小限に済んだというのはあると思いますね。もしアウトになっていなかったら、もっと点を取られていたと思うので、非常に大きなプレーだったと思います。

――打順が7番、8番で変更になっていましたが、何か意図はありましたか

池澤(一真、スポ4=栃木・大田原)はバンドが上手いので、前の打者が出塁する時にバントする場面が多いと思ったので、バントのうまい池澤をあの打順に置いた方が上手く打順が機能すると思いました。あと、下久保(尚哉、商3=大阪・早稲田摂陵)の打撃が好調だったのもありますね。前の試合でもランエンドヒットを決めてくれましたし、そういう意味では渡部も含めて出塁を期待していました。

――吉田昴平(法2=埼玉・早大本庄)選手と関口柊(スポ3=東京・穎明館)選手を起用した理由はありますか

非常に打撃練習においても結果を残していたので、そういう意味で期待を持っていました。代打候補の中では非常に期待できそうな選手だったので。

――その結果はどのように感じていますか

やっぱり公式戦というと普段の練習やオープン戦と比べて、緊張感があったのかなと思いますね。試合経験がまだ少ないので、場数が踏み切れていないと思います。ただ、楽しみな二人ではあるので、場数を踏んで成長してくれると思います。基本的には真面目な二人なので、さらに練習をして結果を出してくれると思います。

――今日の試合の敗因はなんだと思いますか

守りきれなかったところですね。普段は守備からリズムを作って、流れがどっちに転ぶかなというところで、上手く相手に流れを渡さないで数少ないところで、集中打などで得点してきたんですが、先程も言った通りミスが出てしまったので、ミスをした投手は本来リズムを作らないといけない立場ですから、やっぱり投手がああいう形でミスをして点を取られるという展開はやっぱり厳しいですね。ミスが連鎖した訳では無いですが、内野にもミスが出ているので、投手はやはり責任を持ってゲームを作って欲しいと思います。

――秋リーグに向けて一言お願いします

このSummer Challenge Cupで結果は準優勝でしたが、選手は本当によくやってくれて、ここまでの結果を出してくれたので、最後に負けたことを糧にしてリーグ戦を戦い抜いて欲しいなと思います。このチームは結果を出せるチームだと思っているので、昨年にはない、「どこからでもチャンスを作って点を取れる」打撃ができますから。守りに関しては、東伏見で試合をすることも多いので、地の利を生かしてほしいと思います。今日も最後まで諦めずに戦ってくれたので、粘り強い攻撃を最後までしてくれたので、秋リーグ2ヶ月の長丁場を戦い抜いて欲しいと思います。

中村康祐主将(教4=早稲田佐賀)

――今日の試合を振り返っていかがですか

悔しいの一言ですね。自分自身の成績もそうですが、やっぱりチームがミスで点を取られて負けたというかたちだったので、本当に悔しいの一言です。

――今日の敗因はミスなどが大きいと感じていますか

ミスとか、『もったいない』というのがありました。打たれた中でもバッテリーの中では「もったいない一球だったな」というのが多かったので、それもミスに入るかと思いますが、そういったミスが失点につながったのかなと思います。

――先発の清水佑樹投手(スポ3=早稲田佐賀)については、おとといは「力みがあった」ということをおっしゃっていました。今日はいかがでしたか

今日も本調子ではないなというのは初回から感じていて、初回からヒットとフォアボール2つで自滅したかたちだったので、力みというよりは自分自身で勝手に苦しんでいるという印象が強かったです。もっと自信を持って投げてもいいのかなとは思います。

――負けていながらもベンチの雰囲気は悪くないように感じました。いかがですか

そうですね、ベンチの雰囲気自体は全然悪くなかったですし、初戦も準決勝も逆転勝ちで波に乗ってこれていたので、リードされても「まだまだこれから」という雰囲気で戦えていました。

――今大会全体的に振り返っていかがですか

一番は金田(歩、商4=東京・早実)が安在(悠真、人2=早稲田佐賀)と清水のケツを拭いたというか、しっかり投げてくれたのが一番大きな勝因だと思います。打線も、今のチームは大砲がいるわけではないですが、関(大輝、基理3=茨城・江戸川学園取手)や川原(崚、商2=東京・早実)が中心となって個人ではなくて打線で点を取れているので、そういったことを秋リーグ(秋季リーグ戦)でもやっていけば勝っていけるのではないかと思います。

――秋季リーグ戦に向けて一言お願いします

4連覇がかかっています。気負う必要はないと思うので、この悔しさをバネに、あと1週間後で時間はないですがやれることはまだあると思うので、しっかりまたチーム全体で勝っていけたらと思います。

関大輝(基理3=茨城・江戸川学園取手)

――今日の試合を振り返っていかがですか

序盤からずっと劣勢が続き、攻撃に関しても塁にあまり出られない状況の中で、要所要所で自分たちにチャンスが舞い込んできましたが、そこをものにできなかったことが、敗因なのかなと思います。逆に、日大はチャンスをほとんど潰さずに得点につなげていたので、強かったと思います。

――今大会のベストバッター賞に選出されたことについては、いかがですか

まさか自分になるとは思っていなかったので本当にびっくりしましたが、素直に嬉しかったです。1打席1打席集中して立った結果、この賞をいただけたと思うので、リーグ戦でも続けて頑張りたいと思います。

――さらに外野手としてベストナインにも選出されましたね

ベストナインについては、実は大会が始まる前から狙っていました。ベストナインに選ばれたら、必然的にチームのためになっているだろうと思っていたので、ずっと意識しながらやっていました。有言実行という形になって、よかったなと思います。

――今大会は特にバッティングが好調でしたが、ご自身で振り返っていかがですか

凡打した後に悔いが残るバッティングを、今まではしていましたが、それではいけないなと。限られた打席しか立てない中で、悔やんでていいのかという気持ちがありました。今大会からは凡打になったとしても悔いが残らないようなバッティングをしようとして、結果につながったと思います。

――秋リーグについて一言お願いします

秋リーグは、自分自身も3期連続のベストナインがかかっていますし、チームとしても4連覇がかかっているので、本当に全身全霊で臨まないと勝てないと思っています。秋リーグに誰が出るかは、1週間の中で少しずつ変えていくと思うので、まずは出場するメンバーがチーム代表として、自分たちがやるべきことをやっていけば、勝利につながり優勝できると思います。自分に与えられたポジションと役割を果たすことを1番に考えてやりたいと思います。

下久保尚哉(商3=早稲田摂陵)

――試合を振り返って、いかがでしたか

ミーティングでも話したのですが、関東学院戦と中央戦では守備にミスがなくて、打撃にリズムができるという形だったのですが、今日の決勝では守備のミスから点が入ってしまいました。守備が課題だと思いました。

――今大会のチームの雰囲気はいかがでしたか

今日は負けてしまったのですが、チームの雰囲気は結構最高だと思います。ベンチの人がベンチワークをしっかりやってくれるし、早稲田の野球というのはチーム一丸で、全員で戦っていくというものなので、それが今しっかりとできているかなと思います。

――結構言葉が飛び交っていますよね

聞こえています?結構自分声出しているんですよ。あまりプレーで貢献できなくても声で貢献というのは絶対できると思うので、そこで自分が少しでもチームに勢いをもたらそうという意識でやっています。

――打撃の調子が良かったですが、ご自身で振り返ってみていかがでしたか

今日の日本大学戦では、チームは負けてしまったのですが4打数3安打で貢献することはできたかなと思います。1回戦の関東学院戦だったり準決勝の中央線では大事なところでバントをミスしてしまったり、チャンスで打ち上げてしまったりとあまり貢献することができなかったので、まだまだかなと思います。ほんとに今日だけです。大学入って初めて猛打賞をとれたんです!

――打順が7番から8番になりましたが、ご自身の中で変化はありましたか

このチームの中で上位打線を引っ張るのはいいバッターばかりなので、自分はもともと下位打線でチャンスで回ってくることが多いので、そこで1本打つというのを心掛けてやっています。昨日副キャプテンの福本(恭介、教4=小松)さんから7番池澤(一真、スポ4=栃木・大田原)のところでしっかり送ってお前のところでしっかり打ってくれよ」としっかりコメントをもらったので、その期待に応えられるように頑張りました。できすぎなくらい今日はできたので。

――大会を経て見つかった課題はありましたか

バント一つでもミスで相手に流れを渡してしまうというところがあるので、そういう基本的なところをしっかりやっていきたいと思います。

――秋リーグに向けて意気込みをお願いします

今回のSummer Challenge Cupは準優勝で終わってしまったのですが、チームとしてはバッティングにしろピッチャーにしろ守備にしろ、いい流れが来ていると思うので、この流れのままリーグ戦にぶつかっていって、絶対4年生に有終の美を飾らせてあげたい、最高の形で終わってもらえればいいなと思います。