8月22日放送の「卓球ジャパン!」は、先週の『日本のライバルSP・男子編』に続き、『女子編』として中国が誇る最強の四天王を徹底解剖。前回ゲスト・松平賢二の妹で、世界卓球2013日本代表の松平志穂が4選手の試合を解説しながら、攻略ポイントを探…

8月22日放送の「卓球ジャパン!」は、先週の『日本のライバルSP・男子編』に続き、『女子編』として中国が誇る最強の四天王を徹底解剖。前回ゲスト・松平賢二の妹で、世界卓球2013日本代表の松平志穂が4選手の試合を解説しながら、攻略ポイントを探った。



まず1人目は、リオオリンピック金メダリスト、30歳のベテラン・丁寧。

ピックアップした試合は、T2ダイヤモンド2019マレーシア大会、女子シングルス準々決勝、フォン・ティエンウェイ(シンガポール)戦。



この試合、丁寧が苦しんだのはミドル前に来るショートサービス。

「フォアで取るか、バックで取るかでちょっと迷いが出るので崩れやすくなる」と松平が語るように、レシーブ後の展開でうまく自分の形に持ち込めていない場面が何度か見られた。

また、丁寧の攻略法として、台から下げさせることが重要であると分析。例えば第3ゲーム6-2の場面では、台に近い位置をキープし、早い打球点で両サイドを突いてくるフォンに対し、丁寧が下げられて失点をしている。



この試合を踏まえて、松平が見つけた丁寧の攻略ポイントは
【ミドルから展開を広げて、フォアに攻める!】

長身で腕が長い選手にとってミドルは鬼門。サーブでもラリーでもそのウィークポイントをしっかりと突き、体勢を崩したところでフォアサイドを狙って台から離し、最後はバックサイドへの強打で仕留める。これが丁寧攻略の大きな鍵となる。

続いて2人目は、世界卓球2019女子シングルスの覇者で、ピッチの速いラリーを得意とするの中国最速の女王、劉詩ブン。解説する試合は、ジャパンオープン2019、女子シングルス準決勝、平野美宇との一戦。

劉詩ブン攻略法はズバリ【相手の速さが出る前に仕掛ける!】

第1ゲーム3-2で劉詩ブンがサーブの場面、レシーバーの平野はフォア側に大きくツッツキをして、劉詩ブンの3球目フォアドライブをカウンターで打ち返し得点しているように、「バックから始めるよりも、いったんフォアサイドに広げてからの形が良い」と松平。



細かい動きがうまく、ミドルにも強い劉詩ブンには、先に仕掛けてサイドに大きく動かすことが攻略のポイント。「速さ対速さで真っ向勝負をするのはリスクがある。サイドを狙ったり、出るか出ないかのサーブでかけさせるなど、細い所を突いてからラリーに持っていくのが有効」と分析した。

3人目は、中国の次世代エース・孫穎莎。



伸び盛りの19歳で、放送直前に中国で行われた東京五輪を想定したエキシビションマッチでは3冠を達成。「フォアハンドにすごく威力がある選手で、男性的な卓球の中に自由さや器用さがプラスされている新しい中国のスタイル」と松平が語るように、従来のセオリーでは分析しきれない、速さと力強さが融合したプレーヤー。

試合は、スウェーデンオープン2019、女子シングルス準決勝、伊藤美誠戦。2019年の5回の対戦で唯一伊藤が勝利した試合だが、勝因は「怖がらずにフォアを突いた」点だ。

孫穎莎の強烈なフォアドライブを恐れず、フォアサイドにボールを集めた伊藤。その結果、本来ならば得意なはずのミドルやバックサイドからの攻めで位置取りにズレが生じて、ミスが出ている。第3ゲーム9-9からの伊藤の2本連取も、それまでのフォア攻めが影響し、孫穎莎にらしくないミスが出ている。

そして攻略法は【フォア側から攻める!】



バック~ミドル側からフォアドライブを打たせてしまうと手がつけられないため、フォアへボールを集めることが相手を崩す糸口になる。

ラストは、ワールドツアー・グランドファイナル3連覇、世界ランク1位の陳夢。



「少し前は荒っぽさもあったが、ここ最近は安定感が増している。日本選手への対応も一番いい」と松平が言うように、バランスの良いスタイルで穴がないように見える陳夢だが攻略法はある。

それを示したのがオーストラリアオープン2019、女子シングルス準々決勝、石川佳純との一戦だ。

この試合、第1、2ゲームは完敗だった石川が中盤で見つけた陳夢攻略の鍵がストップ戦術。例えば、2-5と石川リードの場面、石川は3球目でバックドライブを打たず、あえて一度短めのストップを混ぜ、相手を前に寄せてから5球目のバックドライブで得点している。

早いラリー戦が主体の女子の試合において、実はストップはかなり効果的。ただし、それも石川レベルの技術があってこそであり、「あそこまで正確に止められるのはすごい」と石川の技術力には松平、MC平野早矢香も感心していた。

そして陳夢の攻略ポイントは【守りつつ攻める!】



攻めのストップで相手を崩し、またラリーになった時は全部攻めるのではなくブロック気味のボールを挟むのが有効と松平は分析した。

番組のラストには、東京五輪の中国代表を占うということで、MC平野はベテランの丁寧が外れて、劉詩ブン、孫穎莎、陳夢の3人になるのではと予想。果たして、本番はどんなメンバーで来るのだろうか。誰が出てくるにせよ、日本にとって高い壁になることは間違いない。



次回、8月29日の放送は、『卓球ジャパン!クロニクル』と題して、日本代表10年間の軌跡を追う新企画がスタート。第1弾は、世界卓球2010、日本女子の激闘を振り返る。お見逃しなく!

「卓球ジャパン!」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送