専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第270回 ゴルフは何かとお金がかかるスポーツで、傍目には優雅に見えるらしいです。それゆえ、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間中にゴルフをしたタレントは、県をまたぐ長距離移…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第270回

 ゴルフは何かとお金がかかるスポーツで、傍目には優雅に見えるらしいです。それゆえ、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間中にゴルフをしたタレントは、県をまたぐ長距離移動をしたこともありますが、「けしからん! こんな時期にゴルフなんかしやがって」とバッシングを受けて、ネット上では炎上騒動となりました。

 要するに、ゴルフをしない人にとって、ゴルフというスポーツは成功者の、お金をかけた"お遊び"に見えるのです。実際は、血の滲むようなコストカットをして、少ない小遣いからプレー代を捻出してラウンドしている人が多いんですけどね......。

 今回は、その涙ぐましい姿をつらつらと記して、"ゴルフは贅沢"という誤解を解いていきたいと思います。みなさん、結構地味にがんばっているんですよね。

(1)ボール
 ボールは、ラウンド中に1回なくすと、立て続けになくしますよね。酷いと、1ラウンドで3球くらい消えてしまいます。池が多かったり、両サイドOBばかりの狭いコースだったりすると、それ以上なくすこともあります。

 けど、家のボール置き場のボールはさほど減りません。それはなぜか?

 当然、買い足すこともありますが、案外コンペの賞品や何かのイベントのお土産といった形で手に入ることが多いです。特に個人的には、ボールのメーカーやタイプにはこだわっていないので、そうやっていただいたボールを重宝しています。

 好きなメーカーは、B社とか、C社とかありますけど、基本はどのボールもウエルカムです。だから、ディスタンス系なのか、スピン系なのか、といったことも気にしません。それでも、たまに80台が出るから、「それでいいじゃん」と思っています。

 そんなですから、コースで1球でもなくすと、「今日はボールをなくしやすいのか?」と思って、ロストボールを探し始めます。そうやって拾ったボールは、何ら気にすることなく、どんどん打ちます。そして、最後は谷越えホールのティーショットなどで使用して、元のコースに返します......って、ホンマかいな。

 ロストボールは"キャッチ&リリース"の精神で使います。ボールがなぜか、"ブラックバス化"していますが、そこはご愛嬌で。

 もし最後まで残ったら、キャディーマスター室前のロストボール籠に戻します。だから、泥棒にはなっていませんよぉ~。

(2)ティー
 ボールにこだわらないなら、ティーもこだわらないのではないですか? 

 私は一応、ロングティーは65ミリの長さを愛用しています。木製の安いティーで、ゴルフ量販店に行った時、まとめて買っておくことが多いです。お土産などでもらったティーとかは、使うのがもったいなくて......。調整しながら、何か機会があれば使うようにしています。

 ショートティーは、なんでもござれ。たまに購入しますが、ショートホールのティーイングエリアによく埋まっていたりするので、それをそのまま拝借して活用しています。大手のコースだと、ショートコースごとにごそっとティーが置いてあったりするので、それを少し頂いて、使用していることも多いです

(3)ゴルフクラブ
 個人的にはドライバーは、新商品発売後、3年以内ぐらいまでのクラブを使うようにしています。

 ドライバーの進化は著しいものがあります。一度、10年前に使用していたドライバーを引っ張り出して打ってみたのですが、ホント飛ばなくて......。こればっかりは、あまり古くても困りますね。

 他のクラブは、新旧織り交ぜて、お気に入りのものを使っています。気にするのは、自分に合っているかどうか。30年ゴルフをやってたどり着いた境地は、「アイアンが苦手」なこと。だから、私はユーティリティー多めの変則セッティングになっています。

 そうなると、相性のいい古いタイプのクラブをショップで探すのが、至難の業です。そこで、ネットオークションで検索をかけて、安いものを見つけたら購入するようにしています。1本、3000円とかね。それで、3万円の新品よりもよく働いてくれますから、コスパは非常に取れています。

(4)ポロシャツ
 高級ブランドのポロシャツは、1枚1万5000円ぐらいします。そこそこ有名なブランドで、7000円~8000円ぐらいでしょうか。

 そんななか、『ユニクロ』がバーゲン品ですが、1枚1000円を切るポロシャツを売り出しました。定価でも1000円台。これが結構イケるんですよ。デザインも悪くないですし、日頃のラウンドではこの激安ポロシャツでいいか、と思っています。

 しかも、洗濯してもペナペナにならないんです。相当クオリティが高いです。

 大きなコンペや、南の島のゴルフ旅行、女性とのデートラウンドなどでは、ブランド物の有名コースのロゴが入ったポロシャツを着て、「オレは、ハワイでゴルフをしたことがあるんだぞ」と、そこはかとなくアピールします。でも、日常のゴルフは『ユニクロ』のポロシャツで十分かと。そうやって、使い分ける時代が来ているんじゃないですか。

(5)プレーフィー
 バブルの頃は、プレー代が3万円で、コンペのパーティー代が1万円で、計4万円なんていうのが、ざらにありました。「パーティー代、高くない?」と幹事に聞くと、「その代わり、賞品が豪華だから」と。そんなこと言っておきながら、一度も豪華賞品なんて当たったことないし......。なんだかなぁ~。まあ、当たらない自分が悪いのか?

 というわけで、令和の現在、プレー料金が安いに越したことはありません。けど、呼ばれるコンペでは、それなりのコースで開催されることがあります。そういう場合は、常識の範囲内の料金であれば参加します。

 もちろん、プライベートではなるべく安い平日にラウンドをして、1万円を切るのがおおよその目安です。

(6)スコア
 アマチュアゴルファーの究極のこだわりは、スコアです。やっぱり、3回連続100オーバーだったら、すごくへこむでしょ。そのまま大叩きを続けることが、大いなるお金と時間の無駄です。コストを考えたら、スランプは解消するしかありません。

 10年前、突然の大スランプに見舞われたことがありました。その時は、週3回ぐらいのペースで2週間ほど練習場に通って、スイングを調整しました。最初は、打っても、打ってもヒール球ばかり。練習場に通い出して3回目ぐらいで、ようやく従来のような当たりが出始めましたかね。

 それ以来、スランプは来ていません。また、いつか来ると思いますが、とりあえず100をコンスタントに切っていれば、ゴルフは楽しい、ということです。

 ゴルフに対しての向上心もさほどないですが、無駄なラウンドもしたくない――そういう心境です。

(7)メンバー加入
 個人的には15年間、ふたつのコースに在籍して、クラブ競技にも出て、優勝もしました。競技生活としては、燃え尽きた部分があります。

 もし遊ぶお金が余っているなら、どこぞのメンバーになって、ふらりとコースに通う生活もいいかな、と思ったりしますが、新型コロナウイルスで大騒ぎしている今年、来年あたりまでは、その考えはまったくありません。

 現実的には、ひとり予約ゴルフとか、友の会や平日メンバーとか、安いところに入会して、ふらっと行くのはありかな、と。何としてもメンバーに戻りたい、という考えはなく、これこそ神のみぞ知る。流れに身を任せるだけですね。




「ゴルフができる環境にある」ということは、本当に幸せなことだと思います。illustration by Hattori Motonobu

(8)ゴルフができる生活
 春先の、新型コロナウイルス感染拡大の第一波が来た時、ゴルフを3カ月ほど自粛していました。でも、禁断症状が出るようなことはありませんでした。

 今や「ゴルフをしたい」というよりは、「ゴルフができることに感謝」の日々です。

 ゴルフをする小遣いがある。一緒にラウンドする仲間がいる。そして、ゴルフができる健康な体である、ということが、我が人生において極めて重要なことです。

 そして今は、後ろ指を差されないで、堂々とゴルフに行ける環境、その大切さを痛感しています。

 そんなわけで、私はこれからも、淡々とゴルフを続けていきたいと思っています。