野球日本代表「侍ジャパン」は13日、オランダとの強化試合(東京ドーム)に12-10で勝利した。2試合連続で延長タイブレークに突入した一戦に決着をつけたのは、今季大ブレークした広島の鈴木誠也外野手。延長10回、1死満塁の好機で、左翼席へ劇的満…

野球日本代表「侍ジャパン」は13日、オランダとの強化試合(東京ドーム)に12-10で勝利した。2試合連続で延長タイブレークに突入した一戦に決着をつけたのは、今季大ブレークした広島の鈴木誠也外野手。延長10回、1死満塁の好機で、左翼席へ劇的満塁弾。「神ってる」男が初招集の侍ジャパンでも存在感を見せつけた。

■劇的満塁弾で決着つける、「まさか、ああなるとは思わなかった」

 野球日本代表「侍ジャパン」は13日、オランダとの強化試合(東京ドーム)に12-10で勝利した。2試合連続で延長タイブレークに突入した一戦に決着をつけたのは、今季大ブレークした広島の鈴木誠也外野手。延長10回、1死満塁の好機で、左翼席へ劇的満塁弾。「神ってる」男が初招集の侍ジャパンでも存在感を見せつけた。

 試合後、鈴木は「緊張しました」と最後の打席を振り返り「まさか、ああなるとは思わなかった」と本音をこぼした。この試合では、2回にレフト線へツーベース。さらに、7回には2点を追う7回1死二、三塁の場面で左中間への2点タイムリーを放っており「前の打席で速い球をしっかり打てていたので、いいイメージで(打席に)入れた」という。

 1人で6打点の大暴れについて「この試合に限ってはいい打席が多かった。最後にいいイメージで終われたのはよかった」と振り返る。小久保監督もこの4試合の収穫として鈴木の名前を挙げ、「初戦は硬かったけど、その後は今年(広島で)見せた活躍を見せてくれた。特に今日は勝負強さを発揮してくれた」と高く評価した。

■WBC本番へ「プレッシャーに打ち勝てるように」

 来年のWBCに向けてアピールに成功した形だが、鈴木は「まだ選ばれるか分からない」という。だからこそ、この4試合に懸ける思いは強かった。「(全体的に)いい結果は出なかったけど、最後にいい結果になってよかった」。本人は謙虚に話すが、WBCへの切符をがっちり引き寄せたことは確かだろう。

 海外チームとの試合を終え、「独特の投げ方のピッチャーが多いですし、対応できたとは思わないですけど、そういうボールを見られたのはよかった」と手応えを明かす。あとは吉報を待つだけ。本番に向けても「また違うプレッシャーがあるはず。打ち勝てるように、このオフにしっかり鍛えたい」とイメージを膨らませた。

 世界一奪回を目指す侍ジャパンにとっても「神ってる」男がいることは心強い限り。この4試合で改めて驚異的な能力を見せつけた同い年の大谷翔平とともに、チームを牽引する存在となりそうだ。