ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ率いる新体制となった日本代表が、ヨーロッパ遠征の第1戦で初勝利を挙げた。11月12日、ジョージアのトビリシ(ミヘイル メスキスタジアム)で世界ランキング11位の格上である同国代表と対戦し、28-22で逆転…

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ率いる新体制となった日本代表が、ヨーロッパ遠征の第1戦で初勝利を挙げた。11月12日、ジョージアのトビリシ(ミヘイル メスキスタジアム)で世界ランキング11位の格上である同国代表と対戦し、28-22で逆転勝ちした。

 序盤からフィジカル強いジョージアにプレッシャーをかけられた日本。自陣深くで守る時間が続いたが、耐えた。
 すると前半8分、走ってきた相手選手が足を滑らせて倒れたところ、HO堀江翔太がブレイクダウンでターンオーバーする。日本のカウンターとなり、FB松島幸太朗がキックを使ってチェイス、競り合いでこぼれた球をサポートに走っていたWTBカーン・ヘスケスが確保し、ノールックパスで松島につなぎ、先制トライが生まれた。
 16分にはSO田村優がPGを決め、8-0とした。

 23分、相手のキーマンである主将のFLマムカ・ゴルゴゼがパワープレーでゴールラインを越えたが、日本のNO8アマナキ・レレイ・マフィがからんでグラウンディングを許さず。ここでも日本のしぶといディフェンスが光った。
 しかし、スタジアムを満員にしたサポーターが声援を送るなか、ジョージアは25分にようやくスコアボードを動かし、雄叫びを上げた。ゴール前でのラインアウトからモール攻撃を試みたところ、日本はあえてコンテストせずオブストラクションを誘ったが、塊になってインゴールに入ったジョージアのトライをレフリーは認めた。

 37分には日本がラインアウトを乱し、ボールを確保したジョージアのSHバシル・ロブジャニゼがゴールへ疾走する。FB松島がギリギリで追いついてスーパートライセービングかと思われたが、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)の結果、トライの判定。コンバージョンも決まり、8-12、日本は4点ビハインドで前半を終えた。

 この日、スクラムはジョージアが圧倒。後半早々にも日本陣深くでの押し合いをターンオーバーしてバックス展開へ。だが、日本代表2キャップ目のWTBレメキ ロマノ ラヴァがインターセプトしてピンチを脱出し、約90メートル走り切り、逆転した。

 それでも、試合登録メンバー23人中19人が昨年のワールドカップ経験者であるジョージアも意地を見せ、49分(後半9分)にゲームをひっくり返した。カウンターでバックスがゲインしたあと、フィジカル強いフォワードが前進してゴールに迫り、身長191センチのNO8ベカ・ビツァーゼが長い腕を伸ばしてインゴールにグラウンディング。コンバージョンも成功し、56分にもPGで加点したジョージアが9点リードとなった(13-22)。

 しかし、後半途中からジョージアの足が止まるようになり、日本は59分、ワイドにテンポよく攻め、得点に結びつける。CTB立川理道がディフェンス裏に絶妙のキックを転がし、そのバウンドボールを確保したレメキがゴールに持ち込み、2点差となって流れは変わった。

 自分たちのペースに持ち込んだ日本はさらに63分、巧みなパス回しから途中出場のWTB福岡堅樹がトライを決めて逆転。
 その後、相手選手が危険なプレーでイエローカードをもらいムードを悪くした一方、日本は集中力を切らさずプレーし続け、75分にもPGを決めて、残り時間はリードを守り切った。

 東京での初陣はアルゼンチン代表に完敗した“ジェイミー・ジャパン”だが、タフなアウェイゲームの第1戦を制し、これで1勝1敗。
 次週は、昨年のワールドカップでベスト8だったヨーロッパ屈指の強豪、ウェールズ代表に挑む。