全日本大学選手権で3連覇を達成した早大。その勢いはとどまることを知らない。選手の実力の高さはもちろんであるが、その強さを支えていたのは裏方であった。副務の杉原紘平(先理4=茨城・土浦日大)とアナリストの神野遥香(人4=愛媛・松山南)は4年…

 全日本大学選手権で3連覇を達成した早大。その勢いはとどまることを知らない。選手の実力の高さはもちろんであるが、その強さを支えていたのは裏方であった。副務の杉原紘平(先理4=茨城・土浦日大)とアナリストの神野遥香(人4=愛媛・松山南)は4年生としてサポート陣を引っ張っている。観客の見えないところでどのような働きをし、二人がチームに与える影響はどれほど大きいものなのか。また新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1年の半分以上の試合がなくなってしまったラストイヤーにかける思いとはーー。

※この取材は8月12日に行われたものです。

サポートはなくてはならない存在


副務の杉原は主に会計の仕事をしているという

――お互いの他己紹介をお願いします

杉原 特に一年生からずっと頑張ってきたなかでアナリストとして活躍してもらっています。

神野 好きなものはとことん追求するタイプで、みんなが知らないようなことも知っている個性的な人です。いろいろあるかもしれないけど、電車とか好きだよね?私は地方出身なので、電車のこと結構分からない方で。いつも電車を使わなきゃいけないんですけど、例えば大会で(会場の最寄り)駅が分からないときに絶対杉原に聞いて確認するみたいな。

――今の四年生のカラーを教えてください。チームでも個人でも大丈夫です。

杉原 変なこと言えないからな(笑)

神野 健人(宮浦、スポ4=熊本・鎮西)は試合のときとプライベートのギャップがすごくあって、プライベートではのほほんって感じで可愛いんですけど、試合になったら威力があるというか。ギャップがあるところがいいところです。あとすごくチームのことも考えていて、いいキャプテンです。

――ほかの4年生はどうでしょうか

杉原 豪(村山、スポ4=東京・駿台学園)は、僕といつも電車が同じ方向なのでよく(一緒に)帰っています。あとKーPOPとか大好きでよく踊ってますね。

神野 後輩引き連れて踊っています(笑)好きなK-POPグループがあって、BLACKPINKって分かりますか?それがすごく好きで、部員みんなに宣伝して、踊って…。

杉原 遥香も結構影響されていたよね?

神野 そうなんですよ。私も結構影響されていて、大好きになりました。

杉原 あとは盛り上げ役と言いますか、裏で盛り上げてくれます。

神野 一番4年生の中で周りが見えていると言いますか、雰囲気を察してくれるし、すごく人を思えて、いろいろ周りのことを考えて動いてくれるのでそこはすごく頼りになります。

――では、中村駿介選手(スポ4=大阪・大塚)の印象はどうですか

神野 すごく元気でポジティブなんですよ。豪とはちょっと違うんですけど盛り上げ役でチームの雰囲気をよくする、挙げるという感じです。へらへらしてそうなんですけど、そこがいいんです。とにかく一番優しいんです。人の悪口とか言わないんですよ。良い人だよね。

杉原 あとよくケンカしてたね(笑)

神野 1年生の頃は(雑務などの)仕事を担当するんですけど、私が一方的に言っていました。今では仲いいんですけど。言っても受け入れてくれるので言いやすいです(笑)本当に人がいいんですよ。

――ここからはお二人のお仕事の話をお聞きします。まず杉原さん、バレー部に入部した理由を教えていただけますか

杉原 サークルも考えてはいたんですけど、サークルだとやっぱり自由で気楽にできると思うんですけど。そのようなところが僕はあまり好きではなかったので、部活に挑戦してみようかなと思いました。僕は理工学部なので、周りには両立が難しいって言われていたんですけど、それでも部活に挑戦したいという気持ちがあったので入りました。

――今の役職に就いた経緯について教えてください

杉原 僕は正直に言うと消去法と言いますか。ほかの周りの3人が全員試合に出ているメンバーなので、そうすると誰かとなったら必然的に僕になりました。それが一番理由としては大きいですね。一時期遥香が就くという案があったんですけど、それはあんまり考えてなかったって感じだよね。

神野 そうですね。結局自分のアナリストという仕事と主務の仕事は、両立できるほど簡単な仕事じゃないし。消去法とは言ってはいるけど、みんな杉原にやってほしいという感じでなったので、悪く言えば消去法なんですけど、みんなで決めたことなので。杉原自身仕方なくっていう感じでもなかったと思います。もうやるっていうつもりで入ってきたんだよね?

杉原 あのメンツだったらやらせるわけにもいかないというか。

――副務はどんな仕事をされるのですか

杉原 簡単に言えば主務のサポートです。僕は副務だけというよりは会計もちょくちょくやっていました。結果的に今は副務というより会計で。そっちの方が強いですね。形式上は副務ではあるんですけど。

――副務として気を付けていること、心がけていることはありますか

杉原 僕は正直言って、あんまりそこまで深く考えないタイプなので。深く考えずに、でもやることはちゃんとやるって感じです。

――副務になってまだ少ししかたっていませんが、仕事面でやりがいを感じることはありますか。

杉原 副務は主務よりは目立たない立場なので、そこまで仕事をしているという感覚はあんまりないんですけど、特に会計の仕事なんかは部活で活動していく中では絶対必要な立場なので、ちゃんと関われているときは達成感があります。

――逆に大変だったことはありますか

杉原 さっきも言ったんですけど、僕は理工学部なので、学業との両立が厳しいときがあって、心が折れたことが一回ありましたね。

――次に神野さんについてお聞きしたいのですが、サークルではなくなぜ体育会のバレー部に入ったのか教えてください

神野 私も杉原と同じなんですけど、サークルの雰囲気は部活と違うじゃないですか。私自身厳しい環境や雰囲気でやる方が自分には合っていると思ったのでサークルの選択肢は捨てて、部活で頑張ろうと思いました。なぜバレー部かというのは、中学のときに自分がバレーをしていたんですけど、あまりうまくなかったんです。高校のときは普通に男子バレー部のマネージャーをしていたので、その流れで(入りました)。自分の中でバレーを見ているのが好きだな、バレーに関わりたいなというふうに思って大学でもバレー部を選択しました。

――早稲田って強いじゃないですか。だから早稲田のバレーに関わりたいから入ったというよりも、バレーが好きだから体育会に入ったということですか

神野 お恥ずかしいんですけど、私早稲田のバレー部が強いっていうのを知らなくて、春高(全日本高等学校選手権大会)も観たことなくて、有名な選手も知らないという状態で入ったんですよ。そのあと、いっぱい有名な選手がいるということを知って、「あ、やばい自分何も知らない」みたいな感じだったので、逆にそういうことは考えたことなかったですね(笑)

――アナリストになった経緯を教えていただいてもいいですか

神野 1年生のときはマネージャーとして入部したんですけど、2年になるにあたってアナリストが当時は2、3人くらいで。やっぱり役割を考えたときにマネージャーという仕事も大事なんですけど、早稲田のバレー部の組織上マネージャーの仕事は1年生の仕事と被ってくるんですよ。それを考えたときに、マネージャーをやるよりは、早稲田はデータを結構大事にしていて同じ学年にもアナリストがいないので、いた方がチームにより貢献できるのではないかなと思いました。同期に相談したときもやっぱりアナリストがいた方がいいんじゃないかということになって、アナリストとして2年生からやっています。 

――アナリストとして練習中や試合中は具体的に何をされているか教えていただいてもいいですか

神野 練習中の様子を撮影して選手に一日の自分のプレーを見直してもらったりとか。ゲーム形式のときには基本的にはデータを出すんですけど、私が4年生になってからはゲーム形式だけではなく普通の練習のときでも細かいデータを出すようにしています。映像プラス数字を加えることによって「ああ、自分今日はこうだったな」というふうな振り返りができるので、ゲーム形式以外の練習でもデータを出すというのも今年は力を入れています。大きく分けると撮影とデータ、その二つですかね。試合のときは相手の大学のデータを出したり、特徴をつかんで分析したり、自分のチームのデータ分析をやるんですけど、今年は大会がなくてできていないです。

――データを出すのは専門的で大変だったと思うのですが、始めたときはどうでしたか

神野 始めたころは私自身バレーをやっていたとはいえ、そんなに詳しくない状態で入ったので、攻撃の種類とか評価の段階とかいろいろあるんですけどそれを覚えるのがまず大変で、先輩に教えていただきながら経験を積み重ねてきました。練習を何回も繰り返すことでできるようになったので、正直大変ではありました。

――データというのは具体的にはどんなデータですか

神野 普通に選手が打ったスパイクのコースとか、サーブのコースとか、あとはアタックが何本で決定率が何パーセントで、効果率やミス率が何パーセントとか、いろいろですね。パソコンでデータを出すにしても誰がどの方向に打って、どの攻撃でというのも全部打ち込むので、その練習が大変でしたね。

――しかも男子なのでスピード速くて今どこに打ったのってなりません?(笑)

神野 本当に大変で、最初は映像を見ながらスローにして頑張って打って、段々慣れてきたら普通の速さでやってみてって感じでやっていました。

――アナリストとして心がけていることはありますか

神野 なんだろうな…。データの扱いというか、早稲田内なら大丈夫なんですけど、外に漏れないようにとか、例えば印刷した紙を表にして置くんじゃなくて裏返して置くとか、そういう細かいところをすごく気を付けています。あと、選手に見やすい資料ってどういうふうなんだろうって考えたり。監督と選手で提示する資料は違うんですよね。選手だとそんなに細かいデータって正直分からないので、分かりやすいようなものだけ提示して、監督に対しては細かいデータを発信していけるようにやっていますね。

――そこの役割分担はあるんですか

神野 アナリストは基本的な資料作りは1年生や2年生、下級生にやってもらって、そのデータのもととなる情報の打ち込みは私であったり、データを打てるようになった人にやってもらっています。分析も主に上級生というか、一番上の人がやっていて、私が指示を出してやってもらうのが下級生みたいな感じで、基本的に考えるのが上で形にするのが下級生って感じでうまくやっています。

――選手とのコミュニケーションも大切だと思うのですが、どうですか

神野 パソコンと向き合う仕事なので、ずっとほかの場所でやることもリーグ戦とかだとあるんですけど、それだと選手とのコミュニケーションができないので、上手く練習前とか練習後にコミュニケーションをとりに行きます。データに関しては、「出してほしいものがあれば教えてください」とか、自分でも見てみて気になったことがあれば選手に言ったりもしています。

――徹夜しなければいけないということを聞いたのですが、やっぱり大変なんですか

神野 今年は大会がないので徹夜はないんですけど、大会があると徹夜まではいかないかもしれないけど、試合が終わってからが勝負ですね。明日の対戦相手とのデータと当日の早稲田のデータをまとめる作業があるので、やっぱり試合が終わった後の作業が結構大変ですね。

――去年のアナリストの吉田伸さん(令1スポ卒=東京・調布南)が大事な大会があるときは徹夜していたというのを聞いていて大変だなと思っていました

神野 去年伸さんがいたとき、私は1番上じゃなかったので徹夜するまで時間を割いていなかったんですけど、やっぱり1番上となると相手の分析は映像を見る作業になるじゃないですか。どういう特徴があるかとか。多分追求すると時間が足りないと思います。データをまとめてから映像を見て分析するんですけど、そこに時間を割いて徹夜になったんだと思います。

――大変ななかでもやりがいを感じることはあると思いますが、どのようなときですか

神野 自分のためにもなりますが、チームや選手のためにやっているので、大会で勝てたりとか自分がやっていることが勝負につながったりしていると思ったら、自分のやっていることは意味のあることなんだなと思えます。それが結構モチベーションになると言いますか、選手が活躍してくれるのが一番モチベーションになります。

――アナリストあるあるのようなものはありますか

神野 タイピングがすごく速くなります(笑)あとは、すごく細かくなりました。先ほども言ったのですが、資料がどうしたら見やすくなるのかなど細かいところまで考えるようになったので、エクセルを使うときはちゃんと整えようとか、カメラの撮影をするときはちゃんとまっすぐなるように撮ろうとか。私今までおおざっぱな性格だったのですが、そういうところはみんな細かくなっていくと思います(笑)

今自分たちにできることは

――ここからはチームのことについて伺います。天皇杯全日本選手権、春季関東大学リーグ戦、黒鷲旗全日本男女選抜、東日本選手権がなくなって率直な感想を聞かせてください

杉原 大会がなくなってしまったのが一部の団結力と言いますか、創りあげていくうえでの時間がなくなってしまったというのが強いですね。メンバーが揃っていてもうまくいかなければ負けてしまうことはあるので。試合によってチームは創りあげられるのでそれが半分以下になってしまったのが痛いと思います。あと自分は会計的な目線で言いますと、大会がなくなってしまったのは面倒だったりします。昨年の東日本インカレで結構お金を使って、今年も遠征するはずだったので活動資金を少し多く集めていたのですが、必要がなくなってしまったりとか。そのような点で面倒だなと感じることはありました。

神野 アナリストの仕事って、試合があって成り立つんですよ。試合がないとなると、まず「何しよう」ってなりましたね。試合で情報を得て分析するので、普段の練習のなかだとどうしても限界があります。そこでアナリストの存在意義をすごく見つめ直すようになりました。試合がなくなってしまったときに自分はアナリストとして何をしたらいいのかというのをもう一度考えないといけない状況になりました。そのなかで新しくアナリストとして入部してきた子たちに対しても試合がない状況で教育をしないといけないというのはイレギュラーなことだったので、今まで以上に工夫しないといけないなというのは思いました。 4年生としては最後の年で試合がないというのはモチベーションが下がることではあったし実際落ち込んだ時期もありましたが、逆に考えるいい機会になりました。より気持ちを一つにしてやっていかないと続かないというのがあったので、そこに関してはいい機会とは言いませんが、4年生の団結力が深まったのではないかなと思います。

――それに関して4年生で話し合ったということはありましたか

神野 話し合いは結構したよね?

杉原 話し合いはしたけどなかなか結論がでなくてまた考え直したかな。

神野 練習の連絡がうまくいかなくてゴタゴタしたこともありました。イレギュラーな事態だったので。4年生で集まって話し合いをして。「伝え方がよくなかったよね」みたいな。どのように伝えたら下級生も納得したり安心したりして練習ができるかというのを考えたりしました。

杉原 いつもの年より伝え方を深く考えたかなと思います。コロナになってからすごく頭を使うようになったよね。

神野 4年生ですごく考えました(笑)

――チームの状況や雰囲気はいかがでしたか

神野 コロナが流行りだして練習どうなるのってなった時期は選手のモチベーションも下がっていました。それを4年生も察知していたので、どうしたら良いんだろうとはなりましたが、今年の方針として後輩ファーストと言いますか。4年生の代なので4年生のことを考えますが、チームとしては後輩のことを考えないと4年生のためにという気持ちは生まれないと思うので。自分のことももちろん考えますが、後輩のことをちゃんと考えるということに関しては力を入れてきました。

――その話題は感染拡大を受けてされた話し合いで挙がったのですか

神野 今年の代になるとなったときに一回みんなで集まってどのような方針にするか決めました。そのときにその話が出ました。

――自粛期間で変化したことはありますか

杉原 先が見えないなかだけど特にモチベーションが落ちているということはないよね。ことごとく合宿などが中止になっているにもかかわらず、そこまでモチベーションが落ちて士気が下がるということはあまりないですね。

神野 今までは試合を目標に頑張っていたのですが、試合に向けてというよりかは自分たちは今何をすべきなのか、積み上げるべきなのかというのを考えるようになりました。できないからではなくて、できないからじゃあ今何ができるかというのを考えながら練習していました。

裏方あっての早稲田


練習の様子を撮影するのもアナリストの仕事だ

――新チームをご覧になって感じることはありますか

杉原 1年生が入って戦力はばかみたいに強くなりましたよね(笑)

神野  今年はやばいですよね(笑)スター揃いですよね。

杉原 みんな有望。春高のときから「やばいやばい」ってなって(笑)居るだけでもすごいのに彼らがチームにうまく噛み合ったらどうなるかわからないですよね。僕たちも予想できないです。

神野 あと今年のチームはいい意味で後輩と距離がないと言いますか。4年生だけで作り上げるのではなくて、みんなで作り上げていくみたいな感じだよね。去年のチームを悪く言うわけではありませんが、去年と比べるとね。

杉原 先輩との距離が近くて。

神野 平等と言いますか。締めるところは締めて縦の関係もありますが平等ですね。

――では後輩が先輩に意見することはありますか

杉原 よくあると思う。

神野 今の2年生が結構意見を出してくれて、コロナが流行したときもそうですが、練習の質とかに対して意見してくれたりします。

――少し話は変わりますが、秋季関東大学リーグ戦に向けてお二人がされていることはありますか

神野 予定では10月から秋リーグがあるので、この夏休み期間8~9月の間に、去年のデータにはなりますが、次の大会で使うデータとかをまとめたりします。あとは大会がなくてまだアナリストの仕事ができなかったので、後輩とうまく協力しながら実際に試合になったときを想定した動きもこれから確認しようとは考えています。

杉原 僕自身は正直試合自体にかかわることは宇野(耕平、スポ4=愛知・星城)主務よりはありませんが、去年から経験していることはあるのでそれを生かしつつ、後輩にいろいろ教えながら活動しています。会計の方がメインになりますが、4年なので引き継がないといけないので。もうそろそろ任せてもいいかなと思うレベルにしていきたいです。

――チームの注目してほしいポイントはありますか

神野 今年はすごいメンバーになると思うので、去年と比べて攻撃のスピードとかも速くなっていますし、威力もそうです。たぶん今まで以上に試合を見ていて圧倒されるんじゃないかなと思います。

杉原 僕も同じですね。スターが勢揃いしているので、攻撃で魅せるスポーツと言いますか、そういうのを目指してやっているので実現できたらいいなと思います。

神野 プレーを見ているこっちもそうですが、やっている方も絶対楽しいだろうなと思います。あのメンバーで試合ができるってすごく楽しいんだろうなと思いますね。

――チームの中で成長を感じるメンバーっていますか

神野 大塚達宣(スポ2=京都・洛南)はシニアの練習(※1)に参加してすごく威力も上がりました。2年生の秋間(直人、スポ2=愛知・桜台)はウェイトトレーニングを頑張っていて、自粛明けの練習でスパイクの威力が上がっていて。これはみんな言っていて、すごいなと思いました。

杉原 健人(宮浦、スポ4=熊本・鎮西)はシニアの練習(※2)から帰ってくるといつもよりバケモノになっていますね(笑)

神野 オポジットなのでライト側から攻撃するのですが、レフト側からのスパイクも自粛期間中練習していたので、安定して打てるようになっていました。そうやって挙げるとみんな頑張っていますね(笑)

杉原 自粛期間がなかったかのような。むしろ自粛期間があったおかげでみんなより成長できたと思います。

神野 個々の頑張りだよね。みんなで練習できなくなったからやらないのではなくて、できなくなった期間にも練習やトレーニングをしたから今結構成果が出たり成長したりしているなと思う部分はあります。

――サポート役としてコートの外から見ていて、早稲田のすごさってどのようなところにあると思いますか

神野 選手もすごいと思いますが、やはりサポート陣と言いますか、裏方あっての早稲田というのはすごく思っています。先輩を見ていてもそうですが、主に主務なんですけど、裏側で頑張っている人がいてプレーだけじゃなくて普段の行いとかも、ちゃんと見て悪いところや直さないといけないところを発信しています。プレーじゃないところも組織としてしっかりしているので、そこはサポート側から見てもすごいところだなと思うし、みんなで作り上げているという感じはしますね。あとほかの大学に比べると試合以外のところにも目を配らせてやっているのは早稲田の良いところでもあります。

――裏方の働きがあってこその早稲田なんですね

神野 そうですね。あとちょっとずれるかもしれませんが、これは監督の方針でもありますが、一つ一つの練習にも根拠があるんです。気持ちも大事ですが根性論でやるんじゃなくて、どうしてこの練習をするのかという理由が明確で無駄がないです。

杉原 プレーを単純化することで一つ一つのプレーの質を高めることを徹底しているというのはあります。

――松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)が赴任されてから早稲田はどんどん強くなりましたよね

神野 松井先生すごいと思います。一番選手のことを考えていると言いますか、選手のためになることをしているし自分の意見だけを言うのではなくて、ちゃんと選手の意見を聞いてやってくれています。やみくもにやらせるのではなくてちゃんと意味のあることをやっているところは尊敬します。あと礼儀とかは厳しい方ではありますが、これから生きていくうえで大事なことも教えてくれます。スポーツ推薦で入ってきたから部活だけに専念すればいいという考えではなくて、これから先のことを考えて学業を大事にするようにおっしゃっていますし、社会勉強のためにとアルバイトも許容してくださっています。

――今後の活動に向けての意気込みを聞かせてください

杉原 今のコロナ情勢で思うように行動できていませんが、僕たちの最終目標としては全日本インカレ4連覇を目指しているので、その目標に向かって頑張っていきたいと思います。

神野 今厳しい状況のなかではありますが、個人個人が今まで頑張ってきたことはほかの大学には絶対に負けていないと思うので、このままチームを固めるのも大事ですが、一人一人が意識を高く持って大会では優勝できるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 西山綾乃、手代木慶(編集のみ))

(※1)大塚は2020年度バレーボール男子日本代表チーム(龍神NIPPON)に選出された

(※2)宮浦主将は龍神NIPPONの代表合宿に練習生として参加していた


◆杉原紘平(すぎはら・こうへい)

1998(平10)年4月28日生まれ。187センチ。茨城・土浦日大出身。先進理工学部4年。好きなことにはとことん追求するという杉原さんは電車に詳しいそう。部員のみなさん、電車の乗り換えに困ったら杉原さんに聞いてみましょう!

◆神野遥香(こうの・はるか)

1998(平10)年5月15日生まれ。154センチ。愛媛・松山南出身。人間科学部4年。アナリストの神野さんは優しくフレンドリーな性格から、部員からの信頼が厚い。チームを温かく見守る姿はまさに早稲田の母!