テニス界のビッグ3、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒す若手が誰かというのは、テニスファンの間でずっと続いている議論だ。そんな…

テニス界のビッグ3、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒す若手が誰かというのは、テニスファンの間でずっと続いている議論だ。そんな若手の一人ステファノス・チチパス(ギリシャ)とナダルの過去の対戦をTennis World USAが振り返った。【動画】2018年のチチパスの大活躍のまとめハイライト

2018年の「ATP1000 トロント」で、期待の若手として注目を集め始めていたチチパスは、当時世界ランキング8位だったドミニク・ティーム(オーストリア)と10位だったジョコビッチを、サービスゲームを一度もブレークされることなく破って準々決勝へ進出。前年覇者のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)と対戦することになった。

ズベレフは6-3、5-2とリードし、追いつかれた第2セットのタイブレークでは二度のマッチポイントを握りながら逆転され、チチパスが3-6、7-6、6-4で勝利を挙げた。準決勝でもケビン・アンダーソン(南アフリカ)のマッチポイントをしのいで6-7、6-4、7-6で勝利したチチパスは、その時点ではまだ19歳。ATPツアーが始まった1990年以来、一大会で4人のトップ10選手から勝利をあげた最年少選手となった。

そこまでに得たポイントで自身初のトップ20入りを決めていたチチパスは、20歳の誕生日に決勝でナダルと対戦。だが決勝では2-6、6-7のストレート負けを喫した。チチパスは同年4月にもバルセロナの決勝でナダルと対戦しており、その時はナダルからわずか3ゲームしか取ることができずに敗れていた。

「ATP1000 トロント」はチチパスが出場した7つめのマスターズ1000大会で、ナダルにとっては33回目のマスターズ1000大会優勝だった。またチチパスは、2007年「ATP1000 マイアミ」でのジョコビッチ以降で最年少のマスターズ1000大会決勝進出者であった。一方のナダルはこの年ここまでの戦績を43戦40勝とした。

チチパスがこの試合のリターンゲームで取れたのはわずか12ポイントだったが、第2セットの第10ゲームではブレークバックを果たし、次のゲームでセットポイントを握った。そこまでのナダルは素晴らしいプレーで、サービスゲームを楽々とものにし、ベースラインからのフォアハンドで主導権を握り続けた。

最後にはわずかにチチパスの反撃を許したが、終わってみればナダルはこの試合で27本のウィナーを決め、アンフォーストエラーは20本。チチパスは15本のウィナーに対しアンフォーストエラーは25本だった。試合後、チチパスは次のように語った。

「僕はバルセロナでも(決勝で)ナダルに敗れた。またナダルと決勝で戦うのは、簡単ではなかった。緊張して、考えすぎた。今大会のここまでの試合ではそんなことはなかったのに」

(テニスデイリー編集部)

※Photo by Peter Staples/ATP World Tour via Getty Images

(Photo by Peter Staples/ATP World Tour via Getty Images)