2005年にラファエル・ナダル(スペイン)が初出場した「全仏オープン」決勝で戦った相手であるマリアノ・プエルタ(アルゼンチン)が、ドーピング検査で2度目の陽性が出た後で、その経緯について嘘をつ…

2005年にラファエル・ナダル(スペイン)が初出場した「全仏オープン」決勝で戦った相手であるマリアノ・プエルタ(アルゼンチン)が、ドーピング検査で2度目の陽性が出た後で、その経緯について嘘をついたと明かした。伊ニュースサイトUBI Tennisが報じている。【実際の動画】ナダルと全仏OP決勝で争ったプエルタの試合ハイライト

プエルタは「全仏オープン」決勝のわずか数週間後に、最長8年間の出場停止処分を受ける可能性に直面していた。彼は強心剤エチレフリン陽性と診断され、妻の月経の薬を含んだ水を間違って飲んでしまったと説明。当初8年とされた出場停止期間は、仲裁裁判所への申し立てにより、2年に短縮された。

だが今になってプエルタは、「妻の薬を誤って飲んだ」話は嘘だった、と明かした。「僕たちが使った説明は嘘だった。でも薬によって、テニスの上で有利になったわけではない。“インチキをした選手”と思われたくないんだ」とプエルタは語った。

世界ランキングトップ10に入ったこともあるプエルタは、試合相手に対して有利になりたいという意図をもって禁止薬物を摂取したことは絶対にない、と主張している。41歳のプエルタは、「カフェインと朝鮮人参」を含んだサプリメントを摂ったために陽性になったという。プエルタによれば、そのサプリは彼のフィットネストレーナーであったダリオ・レクマンからもらったもので、エチレフリンをわずかに含んでいたという。

「でもそれは言えなかった、何というか…合法的に買ったものではなかったから。弁護士は、そのことは言わない方がいいと考えた」

プエルタの自己最高ランキングは2005年の9位で、賞金獲得額は約170万ドル(約1億7900万円)。彼の波乱に富んだキャリアの中で、クレーコートの大会で3度の優勝を遂げている。彼は2003年にもクロンブテロールが陽性と判定され、9ヶ月の出場停止を受けている。

だがレクメンは、プエルタに薬をあげたことはないと言う。「私はまったく関係ない。そんなものはあげていない。それは嘘だ」とレクメン。

プエルタの元コーチであるアンドレス・シュナイターも、この話を否定。シュナイターは現在、カレン・ハチャノフ(ロシア)やクリスチャン・ガリン(チリ)を指導している。

「私が(当時)彼に何があったのか聞いた時、彼は“分からない”と答えた。私は彼が嘘をついている、と思った。その答えは本当じゃないと思い、彼は知らずに何かを飲んだのだと思った。それは彼のミスだ」

プエルタは「妻の薬を誤って飲んだ」話は、元アルゼンチンテニス連盟エグゼクティブの弁護士、エドアルド・モリネ・オコナーが作ったと主張するが、オコナーは2014年に亡くなっている。

プエルタは、「今のテニス選手たちに、僕のようなことになって欲しくない。どうすればそんな事態を避けられるか?自分で責任をとれ、誰も信用せずにすべて自分でやれ。間違いをしでかしたら、支払う対価は高くつく。まったく引き合わない。僕は、無責任だった」と語っている。

※為替レートは2020年8月7日現在

(テニスデイリー編集部)

※写真は2005年「全仏オープン」で優勝したナダル(左)準優勝のプエルタ(右)とサッカー選手のジダン(中)

(Photo by Stephane Cardinale/Corbis via Getty Images)