サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~Question3対3のカウンター。この場面でシティはどのように崩したか? 昨シーズン、国内3冠を達成したマンチェスター・シティだったが、今季はここまでリーグカップの1冠にとどまっている。しかし、ま…

サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~
Question
3対3のカウンター。この場面でシティはどのように崩したか?

 昨シーズン、国内3冠を達成したマンチェスター・シティだったが、今季はここまでリーグカップの1冠にとどまっている。しかし、まだクラブの悲願であるチャンピオンズリーグ(CL)のタイトル獲得のチャンスが残っている。

 シティは、2016-17シーズンからペップ・グアルディオラが監督に就任して以降、6つのタイトルを獲得してきたが、CLだけは未だベスト8の壁を越えられていない。

 今季はプレミアリーグ3連覇をリバプールに阻まれ、その悔しさを払拭するためにも、クラブ初のCLタイトルをもたらしたいところである。

 リーグ連覇を阻まれた直後のプレミアリーグ第32節、優勝したリバプールを相手に、シティはホームで憂さを晴らすように4-0の大勝を収めた。リーグ最小失点で堅守のリバプールを、シティの攻撃陣は見事なコンビネーションで打ち砕いていった。



カウンターになった場面で、マンチェスター・シティの3人はどんな崩し方を見せただろうか

 4点目となった後半21分のシーンだ。ロドリからのパスをケビン・デ・ブライネが前線で受け取ると、ラヒーム・スターリングとフィル・フォーデンが走り込んできた。

 このカウンターの場面で、シティはどう崩しただろうか?

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Answerフォーデンが相手を引きつけて、空いたスターリングを使う

 数的同数時のお手本のようなカウンターアタックだった。ポイントとなったのは、フォーデンのランニングである。デ・ブライネが左でパスを受けると、ファビーニョが中央からずれて対応に向かった。それによって中央にスペースが生まれた。



フォーデンの左前の動きから、デ・ブライネは空いた右サイドのスターリングへパスを送った

 そこを見逃さなかったのがフォーデンである。ファビーニョが中央を空けるとわかるやいなや、一気に加速して左前のスペースへと走った 。マークにつくアレックス・オックスレイド=チェンバレンは、遅れて併走する形となった。

 その状況を見ると、逆サイドのアンドリュー・ロバートソンも中央のカバーに走った。つまりフォーデンのランニングで、ふたりのDFを引きつけることに成功したのである。

 このチャンスを、デ・ブライネとスターリングが見逃すはずがない。デ・ブライネは、フリーとなった右のスターリングにすかさずグラウンダーのパス。

 これにロバートソンはすぐに反転して向かうも、スターリングがそれを嘲笑うかのようにキックフェイントでかわして、ダメ押しの4点目を決めた(記録はチェンバレンのオウンゴール)。

 フォーデンのランニングをスイッチに、3人がカウンターの意図を感じ合い、王者リバプールの守備を破った鮮やかなゴールだった。