サッカーにおいて、試合を決める大きな要素の一つであるフリーキック(FK)。流れの中ではなく、止まった状態から繰り出されるキックがそのままゴールネットを揺らせば、盛り上がりは一気に最高潮へと達する。 この企画『Beautiful Free K…
サッカーにおいて、試合を決める大きな要素の一つであるフリーキック(FK)。流れの中ではなく、止まった状態から繰り出されるキックがそのままゴールネットを揺らせば、盛り上がりは一気に最高潮へと達する。
この企画『Beautiful Free Kicks』(美しいフリーキック)では、これまでに生まれたFKの数々を紹介していく。
今回は、チェルシーのフランク・ランパード監督が選手時代に決めたフリーキックだ。
ウェストハム下部組織出身のランパード氏は、2001年夏からチェルシーでプレー。チェルシー在籍13年間で公式戦648試合211ゴールを記録し、3度のプレミアリーグ、4度のFAカップ、チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグなど数々のタイトル獲得に貢献した。
イングランド人指揮官のハリー・レドナップ氏を伯父に持つランパード氏だが、2012年4月15日に行われたFAカップ準決勝のトッテナム戦では伯父レドナップ率いるトッテナム相手に素晴らしいFKを決めている。
3-1とチェルシーが2点をリードして迎えた81分、ゴール正面やや左、ゴールまで約32mの位置でFKを獲得する。
ゴールまで距離はあったものの、キッカーのランパードは躊躇うことなくシュートを選択する。
ゆったりとした助走から放たれたシュートは、回転の少なさから不規則な軌道を描くブレダ球となった。その不規則な動きによって、ゴールマウスを守っていた元同僚カルロ・クディチーニの反応が遅れ、シュートはそのまま右のサイドネットへと突き刺さった。
チェルシーは5-1でこの試合に大勝。リバプールとの決勝も制し、このシーズンはCLとの2冠を達成している。