気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2016年11月7日付●賃上げ中小減税拡大へ、政府…
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年11月7日付
●賃上げ中小減税拡大へ、政府、給与増加分の20%、消費底上げ狙い(読売・1面)
●タクシー運賃乗る前に提示、アプリ活用来年度実験、国交省など(朝日・1面)
●米大統領選混戦、あす投票(毎日・1面)
●交通死亡事故、今年上半期、高齢の当事者過去最悪28%(産経・23面)
●トヨタ、EV量産へ、各国環境規制に対応、20年メド検討、HV・燃料電池車に続く柱(日経・1面)
●TPP攻防見えぬ着地点(日経・2面)
●円相場動かす主役交代、米金融政策次第で円高も(日経・3面)
ひとくちコメント
「信賞必罰」という言葉があるが、国民の税金で給料が支払われている公務員ならともかく、自由度のある民間企業の社員が過剰な接待を受けたとして大量に処分されるのは珍しい。
パナソニックが、接待を受けることを禁じる社内規定に違反したとして、テレビ関連の購買・調達などを担当する90人を超える社員を一斉に降格などの懲戒処分にしたというのである。
朝日が11月5日付朝刊の「社会面」で「パナ、90人超懲戒処分、部品調達担当、海外で接待2000回受け」とのタイトルで報じたほか、産経など一部のメディアも追随している。
それによると、社員らは中国など海外に出張した際、テレビ用部品の供給を受ける複数のメーカーから食事などの接待を受けていたそうだ。回数は今年までの数年間で延べ2000回以上。最近になり発覚したため、関係部門に聞き取り調査を開始。11月1日付で5人程度を降格処分とし、約30人を出勤停止、約50人を譴責する処分を行ったという。
パナソニックでは、2004年にコンプライアンス(法令順守)体制強化の一環として「クリーン調達宣言」を社内規定に盛り込んで、不透明な取引を防ぐため、調達部門の社員は原則として接待を受けることを禁止。割り勘や会費制であっても取引先と食事やゴルフに行くことを禁じているという。
ひと昔前、日本の大手企業でも取引先との「接待」や儀礼的な贈り物などが商習慣になっていたこともある。某大手の自動車メーカーで購買部門を経験した幹部社員の話では「お中元・お歳暮シーズンが過ぎると、地元デパートの外商担当がトラックで買い取りにやってきた」というエピソードもあったほど。
パナソニック関連の記事では、中国企業などからどんな過剰な接待を受けていたかは定かではないが、「数年間で延べ2000回以上」とか「90人超懲戒処分」ということだけでも、想像を絶する過剰接待を受けていたことが考えられる。
何から何まで「杓子定規」に決めてしまうのもどうかと思うが、それにしても取引先との発注はメールが中心で、「程度」とか「大人の判断」という意味がわからない新人類が増えているというのも実にやりにくい世の中である。