7月に開幕した前期リーグも、はや中盤の第5節。ここまで全勝で進んできた両者の対決は、前半12分の稲見のゴールを守り切った明大に軍配。破竹の5連勝を飾った。 前触れもなく、その時はやってきた。前半12分、持井のシュートが弾かれると、公式戦初…
7月に開幕した前期リーグも、はや中盤の第5節。ここまで全勝で進んできた両者の対決は、前半12分の稲見のゴールを守り切った明大に軍配。破竹の5連勝を飾った。
前触れもなく、その時はやってきた。前半12分、持井のシュートが弾かれると、公式戦初先発の稲見がすぐさまPA内へ詰め寄った。「前に転がってきたので、行くしかないと思った」。目前にこぼれたボールを見逃すことなく、右足を一閃。うれしい初ゴールは、貴重な先制点となった。昨年度まではトップチームでの出場機会が限られていた稲見だが「セカンドチームで積み上げてきた自信があった」。いつでも準備は万端。巡ってきたチャンスに、堂々と応えてみせた。
(写真:公式戦初スタメン・初ゴールの稲見)
逃げ切りたい後半戦。しかし、そう甘くないのが〝明早戦〟。「明大を喰ってやろうという気持ちを感じた」(稲見)。前半は5本に抑えたセットプレーを、その倍に近い9本与えるなど、ポゼッションで優位を握られてしまう。そんな苦しい攻防が続く中で、奮起したのはDFラインだった。「相手がいくら強くても、0で抑えなければ」(常本)。体を張ったプレーで、決定的なシュートまで持ち込ませず。ホイッスルまで守り切った明大が、全勝対決を制した。
(写真:今節は右SBでの先発となった常本)
激闘の中から得たものは多い。「一つひとつのプレーが気迫あふれるものだった」(常本)。昨年度王者に対して、臆することなく牙を剥いてきた早大。結果こそ1点を競り勝ったものの「90分の中で全てを出し切るという早大の姿から学ぶものがあった」(栗田大輔監督)。受けた刺激は必ずやチームの糧となるはずだ。首位の座を確たるものとすべく、次節は順大と戦う。
[高野順平]
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試合後のコメント
栗田監督
――今節を振り返っていかがでしたか。
「早大がとてもいいチームだという印象でした。両チームとも、この1試合で全力を出し切って成長しよう、ベストを尽くそうという点に頭がいっていた気がします。結果は1―0で勝ちましたけど、非常に中身の濃い、学びの多いゲームだったと思います」
――5節まで終えた現時点でのチームのできはいかがですか。
「まだまだ内容的には満足できるものではないですし、完成度も低いです。ですが、こういった状況の中で5節まで試合ができて、勝ちながら反省できているのはとても良いことだと思います」
常本
――後半は早大に押される時間もありました。
「後ろのDFラインはJリーグの内定者で占めているという中で、相手がいくら強くても絶対0で抑えなくてはとは思っていました。1、2節では失点が多かったので、そこは自分たちの中でしっかり話し合って、このままではダメだと練習から修正を図りました」
――勝因はどこにありますか。
「早大の気迫あふれるプレーからは、やはりここまで全勝しているチームだなと感じました。それでも、自分たちもずっと勝ってきていますし、対決の中でも日頃から追求している球際・切り替え・運動量の三原則をしっかり発揮できたのが勝因だと思います」
稲見
――公式戦初先発でいきなり初ゴールを決めました。
「うれしいです。昨年度までは全く試合に出ることができませんでしたが、今日チャンスをもらったのでやってやろうという気持ちでした。もっと前に行って自分の強みを生かせと監督から言われて、得点シーンもボールが前に転がってきたので行くしかないと思いました」
――今季ここまで出場機会が増えていることに手応えは感じていますか。
「セカンドチームでも一人一人がトップを目指して、トップと同じ目線で基準を高くしています。前節では同期の石井(優輝・政経3=昌平)も初めてのスタメンでしっかりプレーできていて、自分もこの2年で積み上げてきた自信はあったので、恐れることなくプレーできました」