国を代表して戦い、祖国に栄冠をもたらすことは、アスリートの名誉だ。ロジャー・フェデラー(スイス)はその素晴らしい業績で、母国をテニス強豪国に押し上げた。彼が自国に与えたインパクトは計り知れない。【動画】偉大すぎるフェデラーのグランドスラムタ…

国を代表して戦い、祖国に栄冠をもたらすことは、アスリートの名誉だ。ロジャー・フェデラー(スイス)はその素晴らしい業績で、母国をテニス強豪国に押し上げた。彼が自国に与えたインパクトは計り知れない。【動画】偉大すぎるフェデラーのグランドスラムタイトル獲得の瞬間集

東西冷戦終結の後、スイスは多くの問題を抱えていたが、状況は次第に改善されていった。経済は良くなり、多くの旅行者を集める観光大国となった。そして今回、スイス国立博物館が歴史家ベネディクト・マイヤー氏と協力して100章からなるスイス年代記を編纂。その最後の1章に、フェデラーの名前も刻まれている。ウェブメディアEssentially Sportsが報じた。

マイヤー氏はフェデラーを「王」と表現。また「スイスの歴史的幸運」と呼んで、テニス史に残るフェデラーのピート・サンプラス(アメリカ)に対する勝利を語った。その試合がフェデラーのキャリアの中でも最も重要な瞬間の一つであることは、誰もが認めるところだ。

「ロジャー・フェデラーはスイスの歴史的幸運だった。世界ラインキング1位に史上最長在位していたピート・サンプラスに対する2001年“ウィンブルドン”でのフェデラーの勝利は、歴史に残る勝利だった」とマイヤー氏は述べている。

フェデラーは比喩的な意味でテニスにおける祖国の旗手だったが、実際に2004年と2008年のオリンピックでは旗手を務め、スイスのために2つのメダルを獲得。スタン・ワウリンカ(スイス)と組んだダブルスでの2008年の金メダルと、2012年のシングルスでの銀メダルだ。さらにフェデラーは「デビスカップ」でもスイスを頂点に導いている。

「ロジャー・フェデラーと、後にはスタン・ワウリンカがすべてを忘れさせた。彼らはスイスからの良いニュースとして世界のフロントページを飾ったのだ」

フェデラーはスイスだけでなく世界中でスターだ。数えきれないほどの記録を作り、テニス界を代表する選手として何年も君臨してきた。現在は怪我のために休養しているグランドスラム20回優勝のチャンピオンは、2021年にまた戻ってきてくれる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ATP500 ドバイ」でツアー100回目の優勝を果たしたフェデラー

(Photo by Francois Nel/Getty Images)