サーブは、他のどのストロークよりも、体のあらゆる部位を動かして行うショットだ。そのため、些細なことで狂いが生じてしまう。特に、ボールトスは最も重要な動作となる。トスが悪いと、どんなにサーブの動きが良くても台無しだ。逆に、トスが良ければ他の部…

サーブは、他のどのストロークよりも、体のあらゆる部位を動かして行うショットだ。そのため、些細なことで狂いが生じてしまう。特に、ボールトスは最も重要な動作となる。トスが悪いと、どんなにサーブの動きが良くても台無しだ。逆に、トスが良ければ他の部分の欠点を補うことができ、しっかりとラケットにボールをコンタクトさせられる。【動画】スローモーションで見るフェデラーのサーブ

米テニスメディアのBaselineがプロテニスコーチ、マーク・ルセロ氏の記事を紹介している。ルセロ氏は、現在スティーブ・ジョンソン(アメリカ)、ニコール・ギブズ(アメリカ)のコーチを務め、過去にはユージェニー・ブシャール(カナダ)やアリソン・リスク(アメリカ)らを指導していた。

ルセロ氏によると、ボールトスは、家で簡単に練習することができる。まず、椅子やソファーの端に座り、ベースラインからサーブを打つときのように体を斜めに向けた状態になろう。前に出る足は、椅子やソファーとほぼ平行になるように置く。ラケットを持ち、サーブを打つ方の腕をしっかり伸ばしてラケットをまっすぐ上に上げ、どのぐらいトスを上げるべきか測る。ラケットの上端の少し上を狙うのが理想だ。

スウィングにテクニックがあるように、トスにもテクニックがある。トスを上げる腕は真っすぐ伸ばし、目の位置あたりでボールを離すようにすると、トスがブレにくくなる。トスを上げる腕は、前の太ももと同じ方向、または太ももの上からモーションをスタートさせよう。トスする腕と連動させ、体と肩の回転を始めるようにするといい。腕を曲げたままボールを投げたり、低い位置からボールをリリースしてはいけない。ボールは指で軽く支えるように持つ。

ボールが無ければ丸めた靴下でもいい。何回か投げて自分のトスの高さを測ってみよう。トスを上げ終わったところで体を止め、ボールや靴下を床に落としてみる。腕を伸ばし続けているか、ちょうどいい高さでボールをリリースできているか、そして投げ上げたボールの高さがラケットで打つのに低すぎないかを確認する。きちんとできていれば次のステップに進もう。

次に、前の足の外側に空の箱を置き、ここにトスしたボールを落とすことを目標にする。トスする際、ボールをリリースした後トスした腕を上にあげたまま体の動きを止めてみてほしい。ボールは箱の中に落ちるはずだ。右利きなら、体の動きを止めた時、左腕のやや左側に落ちることになる。その状態になれば、体をしっかりとひねり、サーブに体が回転するエネルギーを伝える準備ができているということだ。回転することで地面からパワーを伝えることができ、腕に余計なストレスを与えなくてすむ。

続けて何回箱の中にボールを入れられるか、または10回中何回成功するかを試してみよう。家でこの練習を続ければ、コートに戻った時サーブの成功率を上げられるだろう

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年の「オラクル・チャレンジャーシリーズ」での錦織

(Photo by Jeff Gross/Getty Images)