テニスの試合を見に行ったことがありますか?プロの大会からアマチュア、学生、子供たちがやるものまで、試合といっても様々ですが、やはり生で動いている選手たち、球の速さや曲がり具合、風が吹いたり雨が…

テニスの試合を見に行ったことがありますか?プロの大会からアマチュア、学生、子供たちがやるものまで、試合といっても様々ですが、やはり生で動いている選手たち、球の速さや曲がり具合、風が吹いたり雨が降ったりという環境にいかに左右されるかなどが見られること、そして観客として応援し、ナイスプレーに興奮したり、惜しいショットに選手と一緒に悔しがったり…生観戦の醍醐味です。今回はテニスの観戦方法と、大きな大会の特徴についてご紹介します。【動画】世界一の歓声の中での大逆転劇 2019年全米OP決勝戦

■観戦マナーについて

観戦マナーに関しては、テニスはスポーツの中でも厳しい方かもしれません。基本的にプレー中には、観客は大きな声を出したり席を立ってはダメですし、特に選手がサーブを打とうとしている時には絶対にいけません。時々選手がサーブを打とうとしたら動いている観客がいて、いったんサーブを打つのをやめる、というシーンが見られますね。レベルの高い選手になればなるほど、サーブはラインぎりぎりのところを豪速球で狙っているわけですから、それだけ集中しないと打てないのでしょう。

■横で見るか、後ろで見るか?

会場では観客席のどこで見るのが良いでしょうか。コートに近ければ近いほど、選手の動きや身体、顔の表情までが見えて迫力があります。反面、試合全体の流れのようなもの、クロスが多いとか、どちらの選手の方が前に出て打っているとか、そういったことは少し離れている方がよく見えるかもしれません。

また、コートの横から見た方が当然、全体がよく見えます。でも後ろからだと、選手がサーブを打つところ、あるいはリターンのために構えるところがよく見えます。頻繁にコートチェンジを行うので、選手によってサーブの打ち方、構え方、構える場所から何から全然違うのがよくわかるでしょう。

■グランドスラムの大会ごとの個性

「全米オープン」は2020年は残念ながら無観客での開催となってしまいましたが、宣伝文句である“It’s Showtime!”が示す通り、楽しむことが大好きなアメリカ人の性格を反映して、特にセンターコートであるアーサー・アッシュ・スタジアムで行われるナイトセッションでは、お祭り騒ぎのように盛り上がります。

1年の最初のグランドスラムである「全豪オープン」は別名“ハッピー・スラム”’、こちらもオーストラリア人の明るく陽気な国民性を反映しています。またシーズン開始直後で調整が難しいせいか、思わぬ番狂わせが起きることがある、エキサイティングな大会です。

5月の終わりからパリ郊外のローランギャロスで開催される「全仏オープン」は、グランドスラムで唯一のクレーコートの大会。クレーコートの特徴は芝やハードコートに比べてボールのバウンドが高く、球足が遅くなるので、その分ラリーは長くなり、粘り強く体力のある選手の力の見せどころです。そして客席でよく見かけるのが、白っぽいパナマ帽!こちらは会場のオフィシャルショップで売っています。観戦のお供に、お土産に、いかがでしょうか。

そしてもちろん芝のコートで開催されるのが「ウィンブルドン」。テニスの象徴と言っていいぐらい伝統と格式ある大会です。決勝では必ずイギリス王室の誰かがロイヤルボックスで観戦して、試合後の表彰式でトロフィーを授与します。伝統を重んじるこの大会では、選手のウェアは白でなければいけません。皆が同じ白一色で、いかに他の選手と差をつけるかというファッションセンスも見どころです。そして「ウィンブルドン」名物と言えば、ストロベリー&クリーム。文字通りイチゴに生クリームをかけたものですが、とにかく名物なので、「ウィンブルドン」に行かれたらぜひ食べてみて下さいね。一緒にシャンペンを飲む、というパターンもあるようです。

■国別対抗戦

テニスは基本的に個人戦ですが、チーム戦ではまず伝統的な国別対抗戦である「デビスカップ」(男子)と「フェドカップ」(女子)があります。各国は5つのグループに分かれていて、毎年入れ替え戦と、男子は2019年から、女子は2020年から(新型コロナウイルスのパンデミックのため2021年に持ち越されましたが)最強チーム18ヶ国が一堂に会してのファイナルズが行われます。

普段はライバルである同国の選手同士が、仲間として熱い戦いを繰り広げます。以前の、決勝に出場するどちらかの国で行うやり方は、その国のファンの盛り上がりがすごく、独特の雰囲気がありましたが、18ヶ国が1週間をかけて戦う新しいやり方も、各国の選手たちの様々な戦い方が見られて楽しいものです。

さらに2020年1月からは新たな男子の国別対抗戦「ATPカップ」が始まりました。絶対的エースである錦織圭(日本/日清食品)を怪我で欠いた日本が、それでもジョージアとウルグアイから2勝を挙げ、「デビスカップ」で優勝したばかりだったスペインに挑んだ堂々たる戦いぶりをご記憶の方も多いのではないでしょうか。この大会が今後どう育っていくのか注目されます。

■ATP/WTAファイナルズ

男子、女子共に1年の最終戦は世界ランキングトップ8の間で争われます。トップ8選手はまず4人ずつ2組に分かれて、総当たりで戦います。両組の1位と2位が準決勝に進み、一方の組の1位ともう一方の組の2位がそれぞれ戦い、決勝進出者を決めます。ダブルスも同様に、トップ8組で戦います。

男子シングルスで過去最多優勝はロジャー・フェデラー(スイス)の6回。そしてグランドスラムでフェデラーに次ぐ優勝回数を誇るラファエル・ナダル(スペイン)は、驚いたことに最終戦ではまだ優勝したことがありません。女子シングルスの最多優勝はマルチナ・ナブラチロワ(チェコスロバキア/アメリカ)の8回です。

テニスデイリー編集部

※写真は2019年「ウィンブルドン」の観客席の様子

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)