25日、男子テニス世界48位の西岡良仁(日本/ミキハウス)が、オンラインテニスイベント「N論」を開催。全国の高校生・大学生を中心に60名以上と交流し、「キャリア」について話し合った。【関連記事】西岡良仁が大切にしている「ポジティブさ」。オン…

25日、男子テニス世界48位の西岡良仁(日本/ミキハウス)が、オンラインテニスイベント「N論」を開催。全国の高校生・大学生を中心に60名以上と交流し、「キャリア」について話し合った。【関連記事】西岡良仁が大切にしている「ポジティブさ」。オンラインイベントで小中学生へ直接伝える【実際の画像】N論のロゴ

「N論」とは、1人でも多くの若者が夢に向かって飛び出していくために、西岡を中心として多くの人がつながって自由に語り合い、学生たちが切磋琢磨していく場。6月に開催された第1回では、小中学生と「プロになるとはどんなことか?」を語り合い、交流していた。

この第2回は、コロナ禍で大会がなくなり、自分の力を発揮できる場所がなくなったことでプロ転向やキャリアについてより悩んでいるであろう高校生・大学生たちと、「キャリア」について語り合った。

■自分自身で考え抜いて決断する

西岡がプロに転向したのは、高校を卒業した2014年と、今回の参加者と同じ年齢の頃だった。西岡自身はプロになることを心に決めてテニスに打ち込んでいたが、周りからは「プロはまだ早いんじゃないか」「大学を経験してはどうか」と提案されたという。しかし自分の意思を貫いてプロ転向を選択した。

これはあくまでも西岡自身の話しであり、色んな選択があって良いとした上で、この時「自分で考え抜いて決めることの大切さ」「最終的に悔いが残らないよう選択をすることの大切さ」を感じたという。

■自分を第三者の目線で分析する

自分で選択した道ではあるが、プロの世界は厳しく心が折れそうになる時ももちろんある。同じ1995年生まれのカイル・エドマンド(イギリス)には力の差をはっきりと見せつけられ、6回連続で負けたという。ただ落ち込んでしまって「もうダメだ」と思ってしまうよりは、「将来を見据えてやろう、今勝てなくても2年後に勝てればいい」と自分を第三者の目線で見て何が必要か考え、それに向かって練習し、実際2015年の「全米オープン」予選3回戦では勝利を手にした。

この考え方は対ノバク・ジョコビッチ(セルビア)についても同じだという。西岡はジョコビッチと2回対戦しており、2019年「デビスカップ」決勝ラウンドでは、1-6、2-6、今年の「全豪オープン」では3-6、2-6、2-6といずれも完敗だった。

「今すぐにはジョコビッチには絶対に勝てない」と言い切ってしまうほどの力の差だったが、そこで諦めたら絶対に勝てないため、練習ではジョコビッチに勝つには何を強化すべきかを考えており、「2年後、3年後にジョコビッチに勝てればいい」という。

■テニスの練習も毎回目的意識を持って

参加者からの「練習時間や練習メニューは大きくは変わらなくても、現時点で自分より強い選手はたくさんいるが、何が違うのか」という質問には、「いかに今自分に必要なことを自分で認識できているかが大事です」と西岡は答える。

「例えばバックハンドが弱点なら、今日はバックハンドのどういうボールを練習するかを考え、毎回集中できるかどうか。なんとなく2時間練習しているよりも、質が高い方がもちろん強くなる」「今日の練習はここを集中しよう。翌日はここをもっと集中してみようっていうように、どのように自分を強くしていきたいかを考えられるかが、僕はめちゃくちゃ大事だと思っています」

これも同じく第三者の目線を持って自分を分析し、コーチの意見を聞きつつ自分で考えられるかにつながってくるだろう。

西岡自身も、ジュニア時代はかなりの練習量をこなしていたが、今は集中と質を重視して1日2時間以上は練習しないという。

またプロを目指す上で今やっておくべきこととして西岡は、栄養をしっかり摂って身体を作ること、そして英語は必須になるためなるべく早く習得することを挙げた。

「N論」は単なるオンラインイベントではなくコミュニティであり、今後も規模を拡大して開催予定だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はオンラインイベントでの西岡良仁

(写真提供:N論事務局)