オーストリア・ウィーンで開催された「エルステ・バンク・オープン」(ATP500/10月24~30日/賞金総額188万4645ユーロ/室内ハードコート)のシングルス決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第6シードのジョーウィル…

 オーストリア・ウィーンで開催された「エルステ・バンク・オープン」(ATP500/10月24~30日/賞金総額188万4645ユーロ/室内ハードコート)のシングルス決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第6シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を6-3 7-6(6)で下し、北京(ATP500)、上海(ATP1000)に続く3大会連続優勝を決めた。これによりマレーは、世界ランキング1位にまた一歩近づくことになった。

 マレーが月曜日に始まる「BNPパリバ・マスターズ」で優勝し、同大会でノバク・ジョコビッチ(セルビア)が決勝に進めなければ、週明けに発表されるATPランキングで2位のマレーは1位のジョコビッチを追い抜くことができる。

 「勝つたびに一歩一歩近づいていくけれど、まだまだ先は長いね」とマレーは言った。「2位から1位へは小さなジャンプに思えるかもしれないが、それがもっとも難しい。100位から50位に行くのは、上がる階段の数はより多いけれど、ずっと簡単なんだ」。

 日曜日の決勝でマレーはツォンガをストレートで下し、自己ベストである今季7度目、キャリア42度目のタイトルを獲得した。ここウィーンでは2014年にも優勝しており、2度目のタイトルでもある。

 「僕が、もしもこの試合(決勝)に勝ったら、それが何を意味するかということではなく、この試合にどうやって勝つかということだけ考えていた。もちろん、僕にとって7度目の優勝を遂げたというのは素敵なことだけどね」とマレー。

  「タイトルの多くは最後の数ヵ月に獲ったものだ。全豪オープンのあと、僕は数ヵ月の間、少し苦しんでいたけれど、この数ヵ月はとてもよかったよ」

 北京、上海、ウィーンと優勝してきたマレーは、連勝記録を15試合に伸ばしている。

  「今日は、今大会での最高のプレーができたと思う。言うまでもなく、うれしいよ。大会が進むにつれ、よくなっていきたいものだからね」とマレー。

 2011年大会で優勝しているツォンガは、今季初の決勝に挑んだ。彼は左膝と内転筋の故障によって、繰り返し煩わされてきた。

 「僕にとってポジティブな一週間だった。決勝に進めたということが素晴らしいことだよ」とツォンガ。「僕は今週、いいプレーをした。5試合連続でプレーするっていうのはいいものだね。ここ数ヵ月には、そうなかったことだから」。

 マレーは、ディフェンディング・チャンピオンで第5シードのダビド・フェレール(スペイン)が左脚の故障で棄権したために、準決勝を戦わずして決勝に進んだ。一方のツォンガは、第8シードのイボ・カルロビッチ(クロアチア)との2時間半を擁した準決勝で、マッチポイントをしのいだ末に勝ち進んでいた。

 決勝でのマレーは、出だしから試合を支配していた。最初の19ポイントのうち14ポイントを取り、あっという間に3-0とリードした。彼は自分のサービスゲームでのブレークポイントをしのぎ、ツォンガが2-5からサービスに入ったゲームのセットポイントでミスをしたが、次の自分のサービスゲームで2度目のエースを決め、第1セットを取ることに成功した。

 マレーは第2セット2-0とリードするまでの過程で、ツォンガにわずか2ポイントしか与えなかったが、セット半ばへ進む過程では、ファーストサービスの確率が落ちて苦しみ始めた。彼はツォンガにブレークポイントを握られ、そこでフォアハンドをアウトして、ツォンガに4-4と追いつくことを許してしまう。

 マレーはフォアハンドのリターンをネットに引っかけて、タイブレークでの最初のマッチポイントを決め損ねたが、2度目のチャンスはサービスエースによって勝利を決めた。(C)AP