オーストリア・ウィーンで開催されている「エルステ・バンク・オープン」(ATP500/10月24~30日/賞金総額188万4645ユーロ/室内ハードコート)で第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が決勝に進出した。マレーと準決勝を戦うは…

 オーストリア・ウィーンで開催されている「エルステ・バンク・オープン」(ATP500/10月24~30日/賞金総額188万4645ユーロ/室内ハードコート)で第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が決勝に進出した。マレーと準決勝を戦うはずだった、ディフェンディング・チャンピオンで第5シードのダビド・フェレール(スペイン)が、左脚の故障で試合開始の少し前に棄権したため、マレーは不戦勝での勝ち上がりとなった。  大会ディレクターのヘルウィグ・ストラカ氏は、フェレールは民間クリニックに診察を受けに行き、医師が彼にプレーしないようにと忠告したのだと明かした。金曜日の準々決勝の際に、フェレールはすでに肉体的に打ちのめされているように見え、ビクトル・トロイツキ(セルビア)を相手に2時間30分の試合のあと、筋肉のケイレンを訴えていた。  「ここ2ヵ月というもの、痛みを抱えていた。今プレーすることは過剰な負担となってしまうだろう」と世界19位のフェレールは漏らした。  ATPによれば、フェレールが棄権したのは、彼がキャリアを通してプレーしてきた1024試合で2度目にすぎないという。  「彼はよほどひどい痛みを感じていたのだろう」とマレーは言った。「僕は今日を身体を休めるために使うよ。センターコートで少しだけ練習することにする」。  今年、決勝での戦績が6勝4敗のマレーが、今大会で7度目の優勝を果たすと自己ベストを更新することになる。  キャリア42度目のタイトルを目指すマレーは、北京と上海で2大会連続優勝を遂げて以来、13試合連続で勝っている。彼は、以前にこのウイーンに出場した唯一の年である、2014年に優勝を遂げていた。 「言うまでもなく、できるだけ力強くシーズンを終えられるように意欲を燃やしているよ」とマレー。「最初の数試合は本当に油断がならなかった。でも、タイトルをかけてプレーするチャンスを手にした今、決勝で最高のテニスができればと願っている」。  もうひとつの準決勝では、第6シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)が、一度はマッチポイントを握られながらもしのぎ、第8シードのイボ・カルロビッチ(クロアチア)を5-7 7-5 7-6 (6)の大接戦の末に下した。  世界15位のツォンガは、今年初の決勝でキャリア13度目のタイトルを目指す。彼は2011年に今大会で優勝している。

 「すごくうれしいよ。このような大会で4試合連続で勝てるっていうことは、いいテニスをしている証拠だ」とツォンガは言った。

 マレーとツォンガの対戦成績は、マレーが12勝3敗と大きくリードしており、ここ4回の対戦はすべてマレーが勝っている。

 カルロビッチは、ツォンガのサービスゲームで手にした唯一のブレークポイントを逃さずつかみ、第1セットを取った。第2セットでもカルロビッチは早い段階でブレークを果たしたが、さらなる4度のブレークポイントをものにできずに5-2とリードするチャンスを逃し、それから10ポイントを連続で落として、5-6からツォンガに2度目のサービスブレークを許してしまった。  ツォンガは、第3セットで4-2とリードしたが、その次のゲームでブレークバックされた。彼はタイブレーク5-6でマッチポイントをしのぎ、続く3ポイントを連取して勝利をもぎ取った。  「特別な試合だった。僕は最初のセットを落とし、第2セットもワンブレークされていたが、そこから彼が僕にブレークを献上してくれ、試合の中に戻ることができた。そして僕は、より一貫性をもって、よりアグレッシブにプレーすることができた」。  今年、ニューポートとロス カボスで優勝しているカルロビッチは、今季4度目の決勝進出のチャンスを逃した。(C)AP