卓球の「Tリーグ」が7月14日、オンライン会見を開き、「2020 JAPANオールスタードリームマッチ」の開催決定を発表。同日スタートしたクラウドファンディングは開始当日に目標金額の300万円を超えた。 会見に臨んだのは8日に発表された新…

 卓球の「Tリーグ」が7月14日、オンライン会見を開き、「2020 JAPANオールスタードリームマッチ」の開催決定を発表。同日スタートしたクラウドファンディングは開始当日に目標金額の300万円を超えた。

 会見に臨んだのは8日に発表された新体制のもと、Tリーグ理事長補佐に就任した宮﨑義仁氏。日本卓球協会常務理事および強化本部長としても手腕を振るう、卓球界のキーマンだ。



 まず、イベントの開催時期は9月中旬。会場はすでに手配済みの都内体育館が有力だが、イベント中継にあたるテレビ局などの施設も視野に入れ最終調整中のとのことだ。今週中に決まる見通し。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、イベントは観客を入れないリモートマッチで行われ、全国から無料で視聴できるテレビやYouTubeなどで放送される。

左上から世界卓球2020 日本代表 伊藤美誠、石川佳純、平野美宇、佐藤瞳、早田ひな/左下から張本智和、丹羽孝希、水谷隼、森薗政崇、宇田幸矢

注目の出場選手に関しても調整中で、会見前日の13日、まずは「世界卓球2020韓国」<2021年2月28~3月7日/釜山>の日本代表選手男女各5人にオファーをし、森薗政崇(BOBSON)からいち早く参加の回答があったという。他選手についても「来週金曜(24日)までに参加動向が分かる」と宮﨑理事長補佐。参加状況はクラウドファンディングの募集ページ上で随時更新される。

Tリーグ2019-2020シーズン・プレーオフファイナルの中止や世界卓球2020韓国の延期に次ぐ延期を受け、「多くのファンのご期待に沿えるよう、日本代表、Tリーグ、個人ユニフォームの3パターンを露出できるよう工夫したい」と宮﨑理事長補佐。Tリーグに参戦していない伊藤美誠(スターツ)については、「日本代表選手男女10人の中に入っている選手は該当する」と説明した。

加えて現役を引退したOBやOGの出場は可能性が低いとした一方、アンダー世代に関しては「小さなアスリートが真剣勝負に挑んでくるというのは有り」と案の一つであることを明かしている。

 海外選手の出場は新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて予定なし。国内選手間で男女の対戦や日本代表vs Tリーグ代表など、これまで前例のないプランを「バラエティ性ではなく真剣勝負」を打ち出して成功させたいとした。

「2020 JAPANオールスタードリームマッチ」構想が持ち上がったのは約2カ月前のこと。当時は東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が減少に向かっていたこともあり発案されたが、7月に入って再び増加。第2波が懸念される中、イベント開催を時期尚早とする声もあったという。

 だが、「このコロナ禍で選手の元気な姿やプレーをお見せすることが叶わない。国際大会も全く開催されない中で、卓球ファンが一流選手を見られない状況を作るのは良くない」と宮﨑氏。

逆風にあっても、日本卓球協会が作成した感染予防ガイドラインに沿いながら、コート周りが密にならないよう出場選手を多くても20人程度に抑え、選手にはイベント2週間前から行動記録と検温を義務づけた上で、「『やるんだ!』というポジティブな姿勢で(このイベントを)しっかり作り上げていきたい」と意気込みを語った。

 14日にスタートしたクラウドファンディング(https://greenfunding.jp/lab/projects/3850)では「映像制作費」と「会場設営費の一部」を募集。3000円から20万円まで8つのプランがあり、支援金額に応じて選手のサイン入りを含む特別応援Tシャツや使用球、スペシャル映像他、さまざまな返礼品が用意されている。

その結果、募集開始数時間で最高額の20万円プランが定員に達し、さらに目標金額の300万円も達成。卓球の試合と選手の雄姿を待ちわびるファンの熱い思いが反映された格好だ。


(文=高樹ミナ)