10月28日(日本時間29日)からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。初代王者を目指して戦うのは、日本を含む12の国と地域。11月6日に開催される決勝戦まで10日間にわたり熱戦が繰り広げられる。■プ…

10月28日(日本時間29日)からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。初代王者を目指して戦うのは、日本を含む12の国と地域。11月6日に開催される決勝戦まで10日間にわたり熱戦が繰り広げられる。

■プロ・アマ混合チームで初代王者の座を目指す

 10月28日(日本時間29日)からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。初代王者を目指して戦うのは、日本を含む12の国と地域。11月6日に開催される決勝戦まで10日間にわたり熱戦が繰り広げられる。

 今大会は、2014年に台湾で開催され、日本が準優勝した「第1回21U野球ワールドカップ」をカテゴリー変更したもの。「21U」では、21歳以下の選手を中心にチーム編成されたが、オーバーエイジ枠として23歳以下の選手も最大6人まで登録、3人まで試合に同時出場できた。今回のカテゴリー変更により、オーバーエイジ枠を廃止。大会として再出発を切ることになった。

 2年前の「21U」では、日本代表としてプロから鈴木誠也(広島)、近藤健介(日本ハム)、田口麗斗(巨人)ら、アマからも桜井俊貴(立命館大-巨人)、熊原健人(仙台大-DeNA)らが参戦。1次ラウンド、2次ラウンドを7勝0敗と全勝で1位通過したが、決勝では2位通過だったチャイニーズ・タイペイに0-9と大敗。惜しくも準優勝に終わっていた。

 新大会として再出発する今回。28日から始まるオープニングラウンドでは、12チームがグループAとグループBに分かれて総当たり戦を行い、上位3チームずつが11月3日(同4日)からスーパーラウンドにコマを進める。日本はグループBに組み分けされ、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、ニカラグア、アルゼンチン、オーストリアと対戦。グループAでは、韓国、ベネズエラ、メキシコ、チェコ、パナマ、南アフリカがしのぎを削る。

 プロ・アマ混合で結成された侍ジャパンU-23代表を率いるのは、巨人2軍監督を務める斎藤雅樹監督。現役時代は代表チームとは縁がなかったという指揮官は「プロ入りしてから34年経ちますが、初めてジャパンのユニフォームを着させていただく。楽しみと同時に責任感を感じますが、喜びに変えて頑張りたいです」と意気込んだ。斎藤監督をサポートするのは、侍ジャパン社会人代表監督を務める安藤強コーチ(本田技研)、日米球界で活躍した大塚晶文コーチ(中日2軍投手コーチ)、バルセロナ五輪銅メダルの三輪隆コーチ(オリックス2軍育成コーチ)の3人。首脳陣もプロ・アマ混合でチームを頂点へ導く。

■第2戦の先発は背番号「18」安樂智大…「うちのエースと思っている」と期待の指揮官

 斎藤監督からキャプテンに任命されたのは、前回「21U」でも日本代表入りしていた三好匠(東北楽天)。「前回の経験もあるし、一番適任だと思った」という指揮官の期待を受ける三好は、「U21、U23と選んでいただいた。前回は悔しい思いをしたので、しっかりとやり返して世界一を取り返したいです」と気合十分だ。

 初戦となる28日ニカラグア戦で先発を任されるのは、西武の本田圭佑。今年9月11日に1軍デビューを果たした右腕は、前日練習で本番と同じマウンドから捕手を座らせて投げるなど準備は万端。斎藤監督は「自分のピッチングをして、先に点をたられないでいってくれたら勝負になる」と期待を寄せた。

 29日に行われる2戦目のチャイニーズ・タイペイ戦では、エース番号「18」を背負う安樂智大(東北楽天)が先発に指名された。出発前の記者会見で「背番号は自分では見えないので、あまり気になりません」と笑顔を見せると同時に、「勝ちにこだわりたい。結果を求めて、チームの勝利のために貢献していきたいです」と決意表明。指揮官が「うちのエースと思っている」と太鼓判を押す右腕は、「21U」の覇者にどう立ち向かうのか注目が集まる。

 打線の中軸を担うのは、3番・乙坂智(横浜DeNA)、4番・真砂勇介(福岡ソフトバンク)、5番・山下幸輝(横浜DeNA)の3人。「チームのムードメーカー的なところもある」(斎藤監督)という真砂を4番に置き、パワフルかつ勢いのある打線でたたみかけるように得点を重ねたいところだ。

 指揮官は、ライバルとして開催国メキシコ、韓国、そしてチャイニーズ・タイペイの名前を挙げた。まず初戦を戦う相手はニカラグアだが、「(対戦チームの)データはまったくありません」と苦笑い。それでも、日本で世代を代表する屈指のメンバーを集めたチームだけに自信は十分。練習や試合を見ながら現地で情報収集をし、臨機応変に作戦を立てていく。

 チームのキャッチフレーズは「元気はつらつ」。「やるからには勝ちます!」と力強く優勝宣言した指揮官の言葉を実現するべく、世界ランク1位の誇りを持ったU-23代表の若侍たちが頂点を目指す。