卓球の「Tリーグ」は7月8日、臨時社員総会と臨時理事会を開き、創設3年目にあたる2020-2021シーズンの新体制を発表した。理事会後に開かれたオンライン会見では、すでに退任を表明していたリーグ創設者の松下浩二チェアマンの退任会見もあわせ…

 卓球の「Tリーグ」は7月8日、臨時社員総会と臨時理事会を開き、創設3年目にあたる2020-2021シーズンの新体制を発表した。理事会後に開かれたオンライン会見では、すでに退任を表明していたリーグ創設者の松下浩二チェアマンの退任会見もあわせて行われた。

 予定時刻より20分遅れで始まった会見は、松下前チェアマンに代わって「新理事長」(任期2年)に就任した日本卓球協会専務理事の星野一朗氏が新体制について説明。冒頭で、同氏を含めた9人の新理事の名前を公表した後、松下前チェアマンと前理事の福原愛氏が「アンバサダー」という形で引き続きリーグに関わることも発表された。松下氏は名誉会員にも就いている。

 星野氏がTリーグのトップに立った日本卓球協会では、会長の藤重貞慶氏と常務理事で強化本部長の宮崎義仁氏も理事に名を連ねた。その意義について星野理事長は新型コロナウイルスの感染拡大が卓球界に及ぼした影響を踏まえ、「卓球界を将来的に発展させるために、日本卓球協会が大きく関わることで、卓球に興味のあるすべての個人、すべての企業等にTリーグを知っていただき、Tリーグを次の段階に大きくステップアップさせていきたい」と語っている。

Tリーグのチームでは、T.T彩たまから代表取締役社長の柏原哲郎氏、岡山リベッツから代表取締役の羽場誠氏、日本生命レッドエルフから村上恭和総監督が理事に就任。

 なお、松下氏と福原氏が就任したアンバサダーについては、具体的な役割こそ説明されなかったが、星野理事長は「PR大使と言っては何ですが」と前置きをした上で、人気・知名度ともに高い両氏の貢献に期待を寄せた。

これに対し、バトンに見立てたラケットを星野新理事長に手渡した松下前チェアマンは、「私は今日でTリーグチェアマンを退任いたしますが、新たにアンバサダーという形でTリーグの発展に寄与していきたい。Tリーグがスタートして2年間、立ち上げから10年という間、いろいろな方々にご協力いただいたことに感謝を申し上げます」と挨拶をした。

松下氏の挨拶は手短だったが、チェアマン退任を表明した先月22日には、「一定の成果は出せたのではないかと思う。ただ、もっとお客さまに足を運んでいただきたかったし、チーム数を増やすことができなかったのは残念」と心残りを口にしていた。そして、Tリーグの繁栄には日本卓球協会との連携強化が必要だとも話していた。

 一方、2年間、理事を務めた福原氏も、「(両国)国技館のオープニングでは、どれだけ多くの卓球ファンが待ち望んだ瞬間だったことか、私も涙が出そうなぐらい感無量だったことを今でも覚えています」と、2018年10月24日に行われた開幕戦を振り返り、「私なりに精一杯活動することで、多くの後輩たちへの応援と卓球ファンの皆さまへの恩返しにつながれば嬉しいです」とコメントを寄せている。

(文=高樹ミナ)