忙しない日常に、大学サッカーが戻ってきた。当初の予定から約2ヶ月遅れで迎えた前期リーグ開幕節は、昨年度9位・駒大とのカード。前半に飛び出した小柏のゴールを守り抜き、新チームの初陣を飾った。 試合が動いたのは前半19分。岡庭が左サイドから蹴…

 忙しない日常に、大学サッカーが戻ってきた。当初の予定から約2ヶ月遅れで迎えた前期リーグ開幕節は、昨年度9位・駒大とのカード。前半に飛び出した小柏のゴールを守り抜き、新チームの初陣を飾った。

 試合が動いたのは前半19分。岡庭が左サイドから蹴り込んだボールは、ゴール前の混戦を抜け出し、最後は10番・小柏のもとへ。「狙いのこぼれ球が実際に転がり込んできた」。見逃すことなく振り抜き、2020年度初得点を生み出した。後半7分には相手FWにフリーでPA内侵入を許すピンチを迎えるが、早川がこれを好ストップ。相手スコアを0から動かすことなく、90分を戦い抜いた。

(写真:先制弾を放った小柏)

 今年度のコンセプトは「流動性のあるサッカー」。今試合もスタート時には4-4-2だったシステムを、後半の途中からは3-2-3-2の形に転換。中盤を厚くすることで相手のカウンターを封じ、勝利の一因となった。「途中から入った住永、太田、時里がいい働きをしてくれた」(栗田大輔監督)。形にはまらないサッカーで、簡単に隙を与えない。複数ポジションをこなす選手の多い明大でこそ成せるスタイルだ。

(写真:開幕デビューとなった1年生・太田)

 快進撃の再現なるか。昨年度の前期リーグ開幕節でも、桐蔭横浜大を相手に1-0のスコアで勝利を手にした。「初戦だったので堅い試合になるのはわかっていた。内容というよりも結果を喜びたい」(早川)。少々気は早いが、昨年度記録した勝ち点56の更新へ、最高のスタートを切ったと言えるだろう。次節は立正大を相手に、開幕2連勝を狙う。

[高野順平]

試合後のコメント

栗田監督

――試合を振り返っていかがですか。

 「相手の対策を1週間しっかりやって、その中で1-0でも勝てばいいと割り切っていました。その意味で1-0で勝ったことは大きかったと思います」

――1、2年生のメンバー入りが目立ちます。

 「この1ヶ月、もちろん今までのメンバーが中心ですが、純粋に評価をした結果です。開幕で1年生が3人もベンチ入りするのは明大では珍しいことで、コロナ明けの競争の中で今日を迎えられたので、これからどんどん競争してくれたらチーム力もさらに上がると思います」

小柏

――自身のゴールを振り返っていかがですか

 「セットプレーでしたが、中に大きい選手がいたのでこぼれ球を狙っていて、実際に転がり込んできて、それをしっかり決められたので、良かったです」

――昨年度に引き続き10番を背負うことについて、プレッシャーはありますか。

 「昨年度この番号を背負った時点で、期待の度合いや、やらなければいけないことはとても感じていたので、プレッシャーはあります。ですが、自分が引っ張る気持ちでしっかりやっていきたいと思います」

早川

――自身のプレーを振り返っていかがですか。

 「相手がワンチャンスを狙いにきていたので、そこに対して冷静に、自分の間合いでしっかり勝負するというのは常に意識しています。そこで勝負した結果があそこで出たと思います」

――コーチングの面で意識している事はありますか。

 「前線の方は各々に任せていますが、その時のリスク管理の面を僕は喋るようにしていて、そこを重点的に伝えるようにしています」