午前の組で回った初日は強い雨に苦しみ、午後スタートとなった2日目は強風に襲われた。これが、自然を相手にするゴルフと言えばそれまでだが、渋野日向子にとって、アース・モンダミンカップ(6月25日~28日/千葉・カメリアヒルズCC)の予選ラウン…

 午前の組で回った初日は強い雨に苦しみ、午後スタートとなった2日目は強風に襲われた。これが、自然を相手にするゴルフと言えばそれまでだが、渋野日向子にとって、アース・モンダミンカップ(6月25日~28日/千葉・カメリアヒルズCC)の予選ラウンドは、とにかく不運に見舞われた。

 カットラインに1打足りず、およそ3カ月遅れとなった今季開幕戦は、通算2オーバーで予選落ちに終わった。



カットラインに一打及ばず、予選落ちを喫した渋野日向子

「このオフにやってきたことが、すべて意味のないことだったのかなと思うぐらいの内容でした。練習をたくさんしても、試合でできなければ意味がない。死ぬほど練習しなきゃいけないんだなって……。

 無観客ということで、練習ラウンドと同じような感じでプレーできるかなと思っていたんですけど、試合となると緊張してしまって、思ったように身体が動きませんでした。全体的にダメダメでした」

 アウトスタートの初日は、雨足が強まっていた5番パー4のグリーンで、同伴競技者のライン上にあったボールマークを移動し、そのマークを戻し忘れて2打罰を受けてまず出遅れた。

「すごい恥ずかしかった。(パーパットを)打ってから何歩か歩いてから、『あっ』って気づいた。グリーンに水が溜まっていたので、(競技員を呼んで)ローラーをかけてもらったんですけど、その時間に(マークを移動したことを)すっかり忘れていました。怒りというより、情けなさすぎて、ちょっと笑けちゃいました(笑)」

 ドライバーが左右にブレてラフに転がり、他のショットの距離感も乱れた。それでも、アプローチでしのぎ、パッティングで耐えしのんだ初日だった。

「試合勘を取り戻すのに、時間がかかりました」

 昨シーズンから、プレー中の見た目に変化があったのは、パターが新しくなったことに加え、パッティング時のルーティンだ。素振りをせず、もともと速いプレースピードがより速くなり、スタンスもやや狭めた。

「(パットは)あまり時間をかけないように、オフから取り組んできました。(目的は)ただプレーを速くしたいってだけ。そんなに頭を使って考えても(結果は)変わらないのかなって。直感で打つ。直感が一番、自分には合っているのかなと思います。(スタンスを狭めたのは)体重移動を少なくするために狭めて、ストロークの再現性を高くするためです」

 インからイーブンパーでスタートした2日目も、14番パー5でダブルボギーを叩き、先にスコアを落とした。以降、スコアを戻しては落とし、落としては戻す展開に。

「14番のダブルボギーが今日一番悔しい。それで、おかしくなっちゃった。風に関しては、確かに強かったですけど、方向はわかっていた。風のせいとかではなく、すべて自分のミスです。

 アプローチはチップイン(バーディー)もあったけど、何個もボギーを叩いた。パー5で計4つ(スコアを)落としているのが、個人的にはメンタルにきていますね……」

 このオフには、より腹筋を使うようなスイングへの改造にも取り組んだ。

「お腹を粘りながら、身体を回すとしっかり振り切ることができる。(初日が終わって)青木(翔)コーチに改めて指摘されて、練習しました。(2日目に関しては)ドライバーは昨日より飛んでいたと思うんですけど、やっぱりショットにブレがありましたね」

 後半の8番でボギーを叩いてカットラインを下回り、難関の9番パー3はパーでしのいだものの、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの「74」で2日目を終え、予選通過には1打足りなかった。ホールアウト時の渋野に、常に前を向くようなシブコらしい表情はなかった。

 これから再び、いつシーズンが再開するのかわからないなかで、不断の努力を続けることなる。

「このオフにやっていたスイング改造とアプローチを、これからももっと練習して、もっともっとレベルアップして、次の試合に臨みたいです」

 そう話してオンライン会見を終えた渋野は、いつものように練習場へと向かった。