渋野日向子が思わぬ長期オフに取り組んだこと 新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた女子ゴルフのアース・モンダミンカップが25日から4日間、無観客試合として千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)で行われる。渋野日向子(サント…

渋野日向子が思わぬ長期オフに取り組んだこと

 新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた女子ゴルフのアース・モンダミンカップが25日から4日間、無観客試合として千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)で行われる。渋野日向子(サントリー)は23日にオンラインで会見。112日遅れの開幕となり、思わぬ長期オフに磨いてきたものを明かした。

 進化した。渋野はオフに課題だったアプローチの練習に着手。ロブで高く球を上げることを意識してきた。フィジカルトレーニングも並行し、体重増で飛距離アップにも成功。2019年のブレークからさらなる飛躍の年を迎えるはずだったが、2月には出場予定だったタイ、シンガポールの米ツアー2試合が中止に。3月5日に開幕予定だった国内開幕戦もなくなった。

 コロナ禍で次々と大会中止に。目標としていた東京五輪も1年延期となった。4月には海外メジャー・ANAインスピレーションに向け、入国制限がかかることを想定して緊急渡米。しかし、またも試合は行われず短期間の調整をするだけで帰国した。

 いつ開幕するかわからない状況だが、やるべきことはぶれない。延びた調整期間に上積みしたのはアプローチのバリエーションだった。青木翔コーチの提案もあり、フェースが削れるほどクラブを振り続けた。

「開幕が遅れるということで転がすボールも必要だとコーチに言われて、そこから転がす練習だったり、58度のウェッジ以外でも、ピッチングウェッジや9アイアンで転がす練習をちょこちょこやっていました」

112日は新たな“成長期”「成果を出せたら米ツアーでも…」

 異例となった長期のオフ。満を持して迎える開幕戦へ、この日は9ホールだけラウンドした。難しい位置からのロブショットなど入念に確認。「去年より精度はちょっとは上がっていると思いますし、転がす球が打てることによってもっとパーをとれる確率が上がってくると思う。そういうところはちょっとは去年よりは増えてくるんじゃないかな」と手応えを得たようだ。

 昨年から掲げていた2020年の目標は東京五輪金メダル。さらに21年の米ツアー本格進出に向けた試金石の年になるはずだった。描いていたものとは異なるが、成長したものを試す場を心待ちにしているようだ。

「去年、考えていたのとは全然違う大会になったけど、このオフにアプローチをやってきたので、その成果を試合で試せたら今後の米ツアーだったり、日本ツアーでももっとレベルの高いゴルフができるのではないかと思う。それをしっかり実践する2020年にできたらと思います」

 思わぬ形で増えた112日分の調整期間。無駄な時間を省き、新たな“成長期”に変えたシブコの新シーズンが幕を開ける。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)