トップランク社の20歳フローレスJr.が18連勝、鮮やかなカウンターでダウン奪取 米国では新型コロナウイルスによる中断からボクシング興行が再開となり、18日(日本時間19日)には期待の20歳ガブリエル・フローレスJr.(米国)が米ラスベガス…

トップランク社の20歳フローレスJr.が18連勝、鮮やかなカウンターでダウン奪取

 米国では新型コロナウイルスによる中断からボクシング興行が再開となり、18日(日本時間19日)には期待の20歳ガブリエル・フローレスJr.(米国)が米ラスベガスでデビュー18連勝を飾った。ライト級10回戦でジョセック・ルイス(ホンジュラス)に3-0の判定勝ち。興行を主催するトップランク社は、公式インスタグラムに左フックで奪ったダウンシーンの動画を公開し、最も権威のある米専門誌「ザ・リング」は「初のメインで輝き放った」と注目している。

 タイミングを見逃さなかった。2回、フローレスは徐々に距離を詰めてくる相手にやや後退。しかし、相手が左ジャブを放った瞬間だ。カウンターで左フックを合わせると、ぐらついた敵に右、左、右と追撃のパンチを浴びせた。ルイスは膝をつく。20歳のホープは鮮やかにダウンを奪ってみせた。

 終始優位に進めて3-0の判定勝ち。5月1日に20歳となった新星について、リング誌は「ガブリエル・フローレスJr.、全国放送の初のメインイベントで輝きを放つ」と記事を掲載。「自身初のメインイベントで、フローレスJr.は輝きを放った。初の10ラウンドの試合で、ベテランボクサーのジョセック・ルイスを判定勝ちで退けた」とつづっている。

 高校時代にトップランク社と契約した有望株。記事では「試合結果に誰もが満足感を示していたようだが、フローレスJr.は違った」と説明し、試合後のコメントを紹介している。

7年前に亡くなった母へ、リング誌「一つ一つの試合を捧げている」

「自分が置かれた状況を考えれば、とてもうまく試合を運べた。最後に行ったスパーリングは怪我をしていたから怖かった。最悪の怪我だったけど、試合の中で対処しなければいけなかったね。腰の辺りがかなり痛かった。今夜放ったパンチも50%くらいの力。だから、全く疲れていない。パンチを放つだけじゃなく、かがんだり、スリップするごとにその箇所に痛みが走っていたんだ。今夜は、みんなに素晴らしいパフォーマンスを見せられた。でも、そうしようとしたわけじゃない。見せたのは50%ほどの力で、100%ではないんだ」

 試合を振り返ったフローレスJr.。タイトル挑戦経験はないが、これで18連勝を飾り、着実に前に進んでいる。「ルイスはタフなボクサーだったけど、自分ほどのレベルではない。キャリアで初めて10ラウンドを戦ったことは、貴重な学習の機会となった。向こう1年以内には世界タイトルを手に入れたい。それが目標で、視野に入れておかなければいけないね」と語ったという。

 さらに記事内では「一つ一つの試合を、2013年3月17日に拳銃で撃たれ死亡した母親に捧げている」と紹介。実力者揃いのライト級で世界王座を手にするために、懸命に戦っているようだ。(THE ANSWER編集部)