スタン・ワウリンカ(スイス)とドミニク・ティーム(オーストリア)はどちらも、最近のテニスでは少数派に属する、古典的な片手バックハンドの使い手だ。先日、その二人が互いへの敬意を表する機会があった…

スタン・ワウリンカ(スイス)とドミニク・ティーム(オーストリア)はどちらも、最近のテニスでは少数派に属する、古典的な片手バックハンドの使い手だ。先日、その二人が互いへの敬意を表する機会があった。ウェブメディアEssentially Sportsが伝えている。【動画】ワウリンカの素晴らしいバックハンド集【動画】ティームの素晴らしいバックハンド集

ワウリンカの代名詞ともいえる片手バックハンドを打つ動画がSNSにアップされているのを見つけて、ティームはそれに「テニス界で最も美しいショット」とコメントをつけた。

実際、ワウリンカのショットは本当に見事だ。片手バックハンドを打つこと自体難しいが、ワウリンカはそれに素晴らしいアングルをつけて打っている。だがワウリンカ本人はティームに賛成しなかった。

ワウリンカはティームのコメントに、「君のショットほどじゃないよ」と返したのだ。ティームもまた、これまでにいくつもの大舞台で見事な片手バックハンドを決めている。例えば、2018年「全仏オープン」でのラファエル・ナダル(スペイン)との決勝を見てみればよい。

近年、バックハンドはより打ち易い両手打ちが主流だ。だが今でもトップ選手たちの中にも片手バックハンドの伝統を守っているプレーヤーはいる。比較的若い3人を挙げるなら、ティーム、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、そしてステファノス・チチパス(ギリシャ)だ。

彼らは帝王ロジャー・フェデラー(スイス)が世界を魅了したこの美しいショットを次世代に引き継ぐ責任を負っている。

片手バックハンドが美しく、洗練されたショットであることに議論の余地はないだろう。美しいからという理由だけで、片手バックハンドを選択するプレーヤーもいるのだ。そしてそれはテニスのショットの多彩さに貢献している。ショットが多種多様であることも、テニスの魅力の1つと言えるだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「ATP1000インディアンウェルズ」でのティーム(左)とワウリンカ(右)

(Photo by Adam Davis/Icon Sportswire via Getty Images)