ブンデスリーガは残すところあと4節。新型コロナウィルス感染拡大の影響で3月半ばに中断したあと、一時期はリーグ中止の可能性もあった。だが、なんとか最後までリーグを終えられそうなところまで来ている。まだまだ油断はできないが、現時点では徹底された衛生対策、ウィルス感染予防がある程度以上、うまくいっていると評価できるだろう。

 そんなブンデスリーガで、今回は残留争いをチェックしてみようと思う。ブンデスリーガでは16位が2部3位との入れ替え戦にまわり、17、18位の2チームが自動降格となる。果たして、どのチームに残留の可能性が残されているか。ここでは13位アウグスブルクから18位パーダーボルンまでを取り上げるが、長谷部誠と鎌田大地が所属する11位フランクフルト(勝ち点35)、12位ケルン(勝ち点35)もまだ安心できる状況とはいえない。

 はたして、来季も1部でプレーするのはどのクラブになるのだろうか。

18位パーダーボルン 勝点20 33得点62失点 得失点差-29
対戦相手:ブレーメン(H)、ウニオン(A)、ボルシアMG(H)、フランクフルト(A)

 最後まであきらめず情熱的で体を張ったプレーを続け、前節RBライプツィヒ戦ではアディショナルタイムに同点ゴールを挙げるなど、トップクラブ相手にも健闘している。それでも戦力的に厳しい選手層なのは誰の目にも明らかで、成績も後半戦は13試合でわずか1勝。16位のデュッセルドルフとの勝点は8ポイント差と数字上の可能性は残しているが、残り4戦4勝が絶対条件となるため、1部残留は限りなく厳しい。残念ながら1部リーグ挑戦というおとぎ話の終幕は近づいてきている。

17位ブレーメン 勝点25 30得点63失点 得失点差-33
残り対戦相手:パーダーボルン(A)、バイエルン(H)、マインツ(A)、ケルン (H)

 リーグ再開後6試合で2勝1分3敗と、これまでの成績と比べれば、調子は上がっている。特に27節フライブルク戦、28節ボルシアMG戦、29節シャルケ戦で3試合連続無失点と強靭な抵抗力を見せている。長く問題とされていた淡白な守備がかなり改善されたことが大きい。ギリギリのところまで体をなげうって戦うことができている。
 一方で、リーグ最少得点の攻撃力は相変わらず。セットプレーを中心に数少ないチャンスをものにし、最少得点を守り切ってしぶとく勝ち点を重ねていく。そのやり方を徹底していくしかない。フロリアン・コーフェルト監督はそのための選手をピッチに送り続けることになるはずだ。大迫にはそんなチームを救う起死回生のゴールを期待したい。1つのゴールで、全ての悪しき流れを吹き飛ばして欲しい。


16位デュッセルドルフ 勝点28 33得点60失点 得失点差-27
残り対戦相手:ドルトムント(H)、ライプツィヒ(A)、アウグスブルク(H)、ウニオン(A)

 悪くない試合をしていても、最後のところで勝ち点につながらない試合が続いている。チャンスを多く作り出しても決定機を生かせなかったり、せっかく秩序だった守備で守りきれそうだったのに不用意なミスで失点したりと、試合運びの拙さがもったいない。
 残りの対戦カードが理想的とはいえないのも痛いところだ。来季チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を争っているドルトムント、ライプツィヒとの2連戦は勝ち点を取れないまでも、最後の2試合に向けて粘りのある試合展開を見せられるか。

15位マインツ 勝点31 39得点62失点 得失点差ー23
残り対戦相手:アウグスブルク(H)、ドルトムント(A)、ブレーメン(H)、レバークーゼン(A)

 30節フランクフルトとのダービーを2-0で勝利できたのは大きい。昨シーズンも終盤の追い上げから最終節で残留を決めており、そうした経験がある点はプラスに考えられる。
 ここにきて起用されるようになったダニー・ラッツァやダニエル・ブロジンスキらベテラン勢が、若手選手からうまくプレッシャーを取り除いているのも好材料。ただ残留を争う直接相手とCL出場権を狙う2チームとの対戦となるだけに、一歩間違えば4連敗の危険性もある。今季も最終節まで気が抜けない戦いが続くだろう。


14位ウニオン・ベルリン 勝点32 35得点53失点 得失点差-18
残り対戦相手:ケルン (A)、パーダーボルン(H)、ホッフェンハイム(A)、デュッセルドルフ(H)

 前半戦の勢いは止まり、徐々に順位を下げてきている。リーグ戦では23節でフランクフルトに勝利して以来、7試合勝ち星がない(2分5敗)。そして強豪との対戦は残っていないが、残留を争うライバルとの直接対決があるため、ここでつまづくと一気に勝ち点差を詰められてしまう恐れがある。信じられる強みとしては、バイエルンを苦しめるほどチームとしての組織守備の完成度は高いため、辛抱強く戦い、勝点を少しずつ積み重ねていければ、念願の1部残留を果たすことができるはずだ。

13位アウグスブルク 勝点32 41得点57失点 得失点差-16
残り対戦相手:マインツ(A)、ホッフェンハイム(H)、デュッセルドルフ(A)、ライプツィヒ(H)

 後半戦絶不調のシャルケにこそ3−0で勝利したが、最下位パーダーボルンに引き分けるなど、ここ5試合で勝点5は満足のいくものではない。残留争いをしているチームの中では安定感がある方で大崩れはせず、残り4試合で必要な勝ち点を稼ぐ可能性は低くはない。
 とはいえ、前節ケルン戦では大事なPKを外し、さらにもう一度あわやというシーンでPKをもらえなかったことに監督が激昂するなどの場面も。ギリギリの戦いで冷静さを保つことができるかが鍵となりそうだ。ようやくケガから復帰したアイスランド代表FWアルフレッド・フィンボガソンに期待が集まる。

筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中