浦和レッズの立花洋一代表取締役社長が6月10日、オンラインで複数メディアに対し、クラブの経営状況について語った。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していたJリーグ。J1は7月4日に再開が決まったが、初めは無観客での開催となる。その後は7月10日以降の試合から上限5000人の制限を設ける措置も発表された。

 当面はスタジアムへの多くの集客は見込めない。入場料収入がJ1でトップ(昨年度は約23億円/2位の横浜に10億円以上の差をつけた)の浦和からしても大打撃だ。

 例年なら23試合~26試合あるホームゲーム数も、今年は最多で20試合。ルヴァンカップではプレーオフステージがなくなり、グループステージは1回戦総当たりで松本との試合は実施されないことが決定。また天皇杯もJ1チームは準決勝から2チームが出場する方式に変更された(今後変更の可能性あり)。

 また約2万部売れていたシーズンチケットは、今回払い戻しが決定。ただクラブによれば厚意で払い戻しを辞退するファン・サポーターも多いようで、「全額辞退」または「半額辞退」が選択できるような形を取っている。

 それでも上限5000人という制限が解除された後、収容50パーセントという流れを想定した場合、立花代表の話によれば、昨年度の収入はクラブ史上最高額の82億円とだったものの、今年度は20億円の減収が見込まれ、10億円前後の赤字となる可能性もあるという。

「収入をいかに減らさないか、費用をいかに削減するか。それについて新たなプロジェクトを立ち上げたり、発信強化のタスクフォースを作って露出を増やしたり、そういう成果があっての状況。しかし、まだまだこれから新しい取り組みができる。

 ユニホームを含めたEC(電子商取引/インターネットでのグッズ販売など)の受注に関しては、4月、5月の実績で、当初の計画に対して40パーセント以上の伸びを示しています。こういったところを確実に伸ばしていくことによって、よりいい事業成績を残せるように持っていきたい」


 そう語る立花代表は、また役員報酬やクラブスタッフへの一時金の削減という「身を削る方策」も検討中だ。具体的には今年7月から来年1月まで役員報酬の15パーセントのカットを予定しているという。

 さらに試合数が減れば露出が減るため、収入のもうひとつの柱である「スポンサー広告料」も懸念となる。

「パートナー企業さんは90社以上あって、それぞれの担当の営業がいろんな話をしながら、広告収入が減らないように努力しています。現状はリーグ戦も全試合行なわれる予定なので、広告収入に関しては、最小限に減少を食い止められる。ただし新しいお客様との契約も考えていた計画でしたが、そこは難しい状況にはあります」

 収入減を食い止めるために、他に7月13日の町田とのトレーニングマッチをオンラインで放送し、視聴者参加型のギフティング(投げ銭)による応援企画を導入。リーグ戦でも実施予定で、ファン・サポーターに直接支援してもらう仕組みもテストする。

 こうした新たな取り組みで厳しい経営状況を乗り越えていく構えだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部