プロテニスはメンタル面でもとても難しいスポーツと言えるだろう。素晴らしい場所を訪れて大勢の観衆の前でプレーすることができる機会があっても、選手らが孤独と闘っていることはよくある。テニス関連ウェブメディアTennis World USAが伝え…

プロテニスはメンタル面でもとても難しいスポーツと言えるだろう。素晴らしい場所を訪れて大勢の観衆の前でプレーすることができる機会があっても、選手らが孤独と闘っていることはよくある。テニス関連ウェブメディアTennis World USAが伝えている。【動画】絶対諦めないメンタル面を見せるフェデラー

プロテニス選手のメンタルケアは、十分な注意が払われてきていない。過去にそれについて発言した選手たちはメンタルが弱いと言われた。だが、状況は改善されつつあるようだ。

先日、ロジャー・フェデラー(スイス)もこの問題について、「心の健康上の問題で苦しむ選手たちがいることを忘れてはいけない。テニスにおけるメンタルヘルスの重要性を軽んじるべきではない」と発言。テニス界の大スターであるフェデラーは、世界がコロナ後に新しいスタートを切ろうとしている今だからこそ、この問題への再認識が必要だと述べた。

「たやすい解決法はない。選手たちは互いにサポートし合っていることを示さなければならない。人々も世界も、今、新しいスタートが必要なのかもしれない」

2012年「全米オープン」4回戦で、元トップ10選手のマーディ・フィッシュ(アメリカ)がフェデラーとの対戦のコートに立つことができなかった時、メンタルヘルスが話題になった。フィッシュは頻脈に苦しんでおり、妻に説得されて試合を棄権した後でようやく回復した。

その時は認めなかったが、フィッシュは後に不安と鬱に苦しんでいたことを明かした。

「テニスでは弱みを見せるのは恥とされてきた。でも同じように感じている選手は多いと思う。5人に1人は恐れているよ」

「身体が警告を送っているんだ、飛行機に対してかもしれないし、試合に対してかもしれない。プロテニス選手の生活は、ただファンの前で試合をして、憧れの場所に旅するだけじゃない。たいていのことがルーティンになっている」

「同じ町、同じスタジアム、同じ空港、同じホテル、同じ質問。そしていつも怖れや心配、孤独といった心を蝕むものが荷物の中に入っているんだ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」でのフェデラー

(Photo by Daniel Pockett/Getty Images)