浦和ユースから昇格したルーキーイヤーにリーグ戦25試合・1得点。昨季は出場数を少し減らしたものの18試合・2得点をマーク。そしてプロ3年目の今年もプレシーズンからレギュラーを掴み、ルヴァンカップの仙台戦と湘南とのリーグ開幕戦でいずれもフル出場を果たしている。

 国内トップクラスに厚い選手層で知られる浦和レッズでコンスタントに出番を得ていて、さらに世代別代表でも主力として活躍している。橋岡大樹のキャリアは順風満帆と言えるだろう。

 しかし、そんな橋岡も一切驕れることはない。今年5月17日に21歳を迎え、「今年はチームの中心的な存在になるのが目標」と、さらなる飛躍を誓っている。

「1年目、2年目は試合には出ていましたけど、やっぱり周りよりも年齢が下ということもあって、チームメイトに助けてもらっていた部分もたくさんあった。今年はそうではなくて自立する。チームを引っ張る気持ちでやらないといけないなと。年齢関係なく、今年はそうやろうと考えていました」

 そんな向上心の塊のような橋岡は、いつも前向きでいることを意識しているという。新型コロナウイルスの影響でリーグが中断している期間も、「サッカーができずにムシャクシャして気が滅入りそうにもなりましたけど、ネガティブな気持ちになった時は、どこかにポジティブなことはないかなと考えるようにしていた」という。

「例えば、自宅でのトレーニングは筋トレとか、どうしても制限されてしまう。でも、いろんなことを考えずに集中して、重点的に鍛えられるなとか」

 困難な時こそ、良い方向に考える。そうしたプラス思考こそが、若くして出場機会を掴める要因なのだろう。

 そんな橋岡が肝に銘じている言葉がある。

『30パーセントの不安と70パーセントの自信』だ。

「島田紳助さんの言葉です。確か去年くらいに映像で観て知りました。人はそうやって成長するんだって。100パーセントの自信を持っている人は努力を怠る。でも30パーセントの不安というのは努力をくれる。そして残りの70パーセントの自信がチャレンジする勇気をくれる。『確かに』と思って、大事にしています」


 かつて様々なテレビ番組で名言を残してきた元お笑いタレントの言葉を座右の銘とする橋岡のスタンスが表われていたのが、「チームを引っ張っていく自覚を持てば、自然と中途半端なプレーも出来なくなる。自分に追い込みをかける形でも今年はチャレンジしていきます」というコメントだ。

 あえて中途半端なプレーができない状況を作ることで“不安”を生み出し、それにチャレンジするだけの自信を併せ持っている。

 現在、各クラブが少しずつチーム活動を再開し始めている。浦和も27日からグループ制にしてトレーニングをスタートした。Jリーグは、6月末か7月初めの再開を目指して動いているとされ、橋岡が再び埼スタのピッチに戻る日は着実に近づいている。

「試合までには絶対に良いコンディションにします。それがプロなので」

 再開後、またひとつ大人になった生え抜きDFがチームを力強く牽引する姿が見られるかもしれない。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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