テニスにおいても人生においても失敗を望む人はいないし、もし失敗すれば辛いものだ。ラリー・ラウアー博士は、USTAナショナルキャンパスのメンタルスキルの専門家で、成功と失敗についてよく知っている。彼は日々、テニス選手たちがチャンスに気づき、メ…

テニスにおいても人生においても失敗を望む人はいないし、もし失敗すれば辛いものだ。ラリー・ラウアー博士は、USTAナショナルキャンパスのメンタルスキルの専門家で、成功と失敗についてよく知っている。彼は日々、テニス選手たちがチャンスに気づき、メンタルを向上させる手伝いをしている。そんな彼が教える失敗に対する感じ方を変える5つのポイントを、米テニスメディアBaselineが紹介した。1. 誰もが通る道である

ラウアー博士がその道の専門家であると言えるのは単に学歴や職歴によるものではなく、博士自身も失敗を経験してきたという点だ。博士はプロ野球選手、そしてスポーツ解説者になりたかった。しかしその夢は、十代後半で叶わないものとなってしまった。彼は非常に落ち込んだが、大学に在籍していて心理学に興味を持ったことが、新たな道を見つけることに役立った。

博士は、「私の使命は、人々が成功するために必要なものを手に入れる手助けをすることです。私自身も何かを見落としているのではないかと感じたことがあるからです」と言う。

2. ミスは起こるもの

ミスは起こるものだということを受け入れ、失敗をした時はそれを認め、そして過去に流すことで前進しやすくなる。ロジャー・フェデラー(スイス)やセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)でさえミスをするのだから、なぜあなたがミスをしてはいけないのだろうか。

フェデラーが2019年に「ウィンブルドン」決勝に進出したのはもちろん大きな成功だが、マッチポイントを2度握りながらノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたのはとても悔しいものだった。しかし再起して前進し続けたその姿は、フェデラーがどれほど不屈の精神を持っているかを示している。

3. 失敗は怖いもの

何かを追い続ける、特にプロスポーツ選手を目指し続ける上で最も困難なことは失敗への恐怖だ。すべて正しいことをして、努力をし続けているとしたら、やはり結果を求めるが、いつも期待通りになるとは限らない。

「自分自身や自分の計画とチームが自分を成功へと導いてくれると信じることができるか、それが困難な点です。これだけやっても達成できなかったら、それは大失敗だという恐怖が存在するからです」

4. 失敗はプロセスの一つ

失敗は学びの一つであり、人生を台無しにする障害物ではなく、チャンスに続く新たな扉へと導いてくれるものだ。その過程が人を強くし、努力は無駄にならない。

「(失敗は)時の中では一瞬のことです。そして、自分自身を成長させる経験の一つです。我々は前向きに失敗し、その失敗を成長するために活かすのです」

5. 成功も辛かったりする

失敗はとても重い過去のように思えるが、成功も精神の強さを試すものだ。よくアスリートたちは次の大きな勝利を追う中でいい結果を出し続けるが、それがメンタルを蝕むこともある。途中で挫折してしまった場合はなおさらだ。

「自分のしたことを評価する時間を取ることは、自己満足に浸ることとは違います。自分の努力や業績を認めることは、長い目で見ればあなた自身の力となります」

「あなたがどんな夢を追っていようと、失敗も人生の一部だと気づくことがとても重要です。そしてその失敗は、人生の中でも良かった部分ともなり得るのです。人はいくつもの夢を持つことができるのですから」

「人生におけるあなたの使命は一つだけではないことに気づきましょう。そして、その使命も変わっていくものなのです」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ウィンブルドン」でのフェデラー

(Photo by Simon Bruty/Anychance/Getty Images)