専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第256回 日本における新型コロナウイルスの感染拡大問題は、大パニックには至っていないようです。とはいえ、緊急事態宣言は延長されており、引き続き細心の注意を払って行動したいと思…
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第256回
日本における新型コロナウイルスの感染拡大問題は、大パニックには至っていないようです。とはいえ、緊急事態宣言は延長されており、引き続き細心の注意を払って行動したいと思います。
そんな”コロナ騒動”のなかでのゴルフ。これが、非常にナーバスな扱いになっております。ゴルフは「3密」ではないので、「プレーしても大丈夫」と言われていますが、現状ではやりづらいです。
国家的な危機において、そもそも金持ちの遊びの象徴とも言える「ゴルフをやるのがけしからん」となっています。ほとんどパチンコと一緒の扱いです。
そうした状況のなか、ゴルフ愛好者はどのような対応を迫られているのか。その辺りについて、考えてみたいと思います。
(1)流れが変わった俳優の感染ニュース
4月中旬ぐらいだったでしょうか。かつてのトレンディ俳優が沖縄でゴルフをして新型コロナウイルスに感染した、というニュースが報じられました。以降、ゴルフに対する見方が変わりました。
何が問題かというと、外出自粛要請のなか、沖縄に行ったこともそうですが、仕事のついでにゴルフをやったことです。仕事で現地に行ったわけですが、余った時間にゴルフをやった――それが、「けしからん」というのです。
とにかく、そこからはその俳優にバッシングの嵐が……。彼がコロナに感染したのは、4月上旬に北関東のゴルフ場でラウンドしたあとの会食と言われています。ゴルフ自体は直接関係ありません。
けどそこから、多くの家庭ではもちろんのこと、世の中的に、ゴルフに行きづらい雰囲気になっていったのは確かです。
もし行くなら、完全な時間管理が強いられます。「誰と、いつ、どこへ行くの? 終わったら、まっすぐ帰ってきてよ」と、家族に念を押されての出陣です。
独り身ならともかく、子どもがいる家庭だと、奥さんから「何もこの時期にゴルフに行かなくてもいいんじゃない?」と言われ、夫婦喧嘩になることも……。
ゴールデンウィーク中は、連日ゴルフ場やゴルフ練習場の賑わいをドローンで撮影されて、テレビのニュースなどで取り上げられる始末。何も、そこまで目の敵にしなくてもいいのではないかと思っていましたが、当時は「ステイホーム」が叫ばれていましたからね。仕方がないのかも……。
(2)ゴルフ場の対応
ゴルフ場としても、休むと経営的に厳しくなりますから、細々と営業を続けるしかありません。休業要請されるまでは、生き残るためにも、やっていったほうがいいのでしょう。
そこで、ゴルフ場もいろいろと対策を考えました。そして、次のようなことをやり始めました。
・クラブハウスを使用しない
「3密」になりやすいクラブハウスをなるべく利用しない方策を講じるようになりました。トイレ以外、レストランやお風呂の使用を禁止し、キャディーバッグも自分で運んで、キャディーマスター室でチェックインを行なうとかね。清算も現金のみで、外でやるとか。
一部、レストランを営業しているところもあるようですが、隣の席との距離はものすごく空けています。そのうえで、限定メニューにして、さっさと食べていただく方式でやっているようです。
・スループレー
こちらも、クラブハウスを使用しないための方策のひとつです。お昼は各自で済ませてください、と。お弁当みたいな、持ち運びできる食べ物を提供しているところもあるようですが、乗用カートや屋外テラスで食べてください、となっています。
・レーキを持たせない
バンカーの砂をならすレーキは共用なので、アメリカのコースでは使ってはいけないんだとか。それを見習ってか、日本でもそういうコースがいくつかあるそうです。
とすると、そこのバンカーは荒れ放題なんでしょうか? あるいは、バンカーから打たせないとか? いろいろ大変ですな。
・服装もフレキシブル
今までジャケット着用など、服装に厳しかったコースでも、その辺に関してはかなり緩くなっているようです。ゴルフウエアに、スパイクレスシューズを履いて、そのまま入場できるとかね。
最近は、街中も歩けて、ゴルフ場でも使える、スパイクのないゴルフシューズが流行っています。靴底を見ると、強化ゴムみたいなイボイボがあって、それがスパイク代わりなんですな。
だから、家を出る時から履いてきた靴で、車に乗って、ゴルフをして、また車に乗って帰ってくる。そういうことができるんですね。
(3)ひとりゴルフ
“コロナ騒動”で俄然注目を集めているのが、「ひとりゴルフ」です。
ひとりでコースの予約をして、ひとりでゴルフ場に向かうなら、新型コロナウイルスに感染する可能性は相当低い、という考えです。
現在、電車による都内の通勤ラッシュはだいぶ緩和されていますが、自動車の数はさほど減っていません。毎朝、国道246号線を行き交う車を見ていますが、かなり渋滞しています。みなさん、車移動なら安全と思っているんですね。
それはともかく、「ひとりゴルフ」は10年前ぐらいから始まった予約システムで、誰かと組み合わせになりますが、多くのコースが予約を受け付けています。そこで、2サムぐらいでラウンドすれば、感染リスクは結構減らせるんじゃないですか。
「ひとりゴルフ」の予約システムが流行っているとはいえ、ひとりだけでプレーする時代が主流になるとは思えませんが...。illustration by Hattori Motonobu
(4)コンペはNG。やるならオープンコンペか
ゴルフが悪いのではなくて、プレー後の会食が悪い――そういう状況ですので、たくさんの人が集まるコンペは、当分の間自粛を余儀なくされています。もし、その代わりにやるとしたら、コースなどが主催するオープンコンペが向いているでしょう。でも、今はスポンサーがつかないだろうなぁ……。
オープンコンペのシステムは、おおよそこんな感じです。
プレーフィーとは別に、まずは参加費を徴収します。どこも安くて、1000円~2000円ぐらいでしょうか。スポンサーを募って、豪華景品を万遍なく配る方式になっています。飲料メーカーなどのセールスプロモーションに使われていたりするので、出したお金ぐらいの見返りはあります。もちろん、参加賞はみなさん、いただけます。
最近は、前半のハーフを終えたところでスコアを出してもらい、新ペリアで集計。残りのハーフをプレーし終わった時には、すでに結果は発表されています。表彰式などのパーティーはなくて、結果に応じた賞品をもらって帰るのが一般的です。
これなら、接触は少なめ。素敵な景品がゲットできれば、コスパは最高。今後は、より流行っていくのではないでしょうか。
(5)どうしてもコンペをやるなら…
どうしてもコンペをやりたい人は、各自ラウンドして、終了後にスコアを幹事に提出して、とっとと帰る。何なら、同じコースでラウンドしなくてもいいでしょう。
そうして、今流行の『Zoom』などのWeb会議システムを利用して、夜8時ぐらいから”リモート打ち上げ”を実施。そこで、幹事が集計した結果を発表してもらって、みんなでわいわいやればいいんじゃないでしょうか。
ドラコンはともかく、ニアピンとかは自己申告でいけそうですし、賞品は後日発送すればOK。優勝スピーチもあり、それぞれがその日の感想を語るのもいいでしょう。10人、20人でやったら、盛り上がるかも。もはや、これでいいんじゃねぇ?
これが主流になっていけば、賞金が電子マネーになったり、話がウケたら、投げ銭ができたりして、よりアクティブに変化していくかもしれませんね。最終的には、ゴルフ場に行かないで、スマホ版の『みんなのGOLF』によるバーチャル大会になったりして……。
最後はリアルゴルフとはだいぶかけ離れた話になってしまいましたが、世の中、どう変わるかわかりません。将来は、eスポーツのゴルフがオリンピック種目になるかもしれません。
そんな世の変化を、しかと見届けていきましょう。