巨人はDeNAとのクライマックス・シリーズ第1ステージ第2戦を2-1の1点差で勝利。対戦成績を1勝1敗のタイにした。初戦はDeNAの主砲・筒香らの一発攻勢の前に沈んだ巨人だったが、相手の勢いを何とか止め、3戦目へ持ち込んだ。■DeNAの勢い…

巨人はDeNAとのクライマックス・シリーズ第1ステージ第2戦を2-1の1点差で勝利。対戦成績を1勝1敗のタイにした。初戦はDeNAの主砲・筒香らの一発攻勢の前に沈んだ巨人だったが、相手の勢いを何とか止め、3戦目へ持ち込んだ。

■DeNAの勢いを止めた巨人、10日の第3戦で決着へ

 巨人はDeNAとのクライマックス・シリーズ第1ステージ第2戦を2-1の1点差で勝利。対戦成績を1勝1敗のタイにした。10日の第3戦で勝利したチームが、広島行きの切符を手にする。初戦はDeNAの主砲・筒香らの一発攻勢の前に沈んだ巨人だったが、相手の勢いを何とか止め、3戦目へ持ち込んだ。

 決して派手な勝ち方ではなかった。1点ビハインドの3回に好調の1番坂本の本塁打で同点。8回にその坂本の右中間二塁打から最後は長野が詰まりながらも中前へ落とす適時打を放ち、1点のリードを守り切った。だが、その他にも要所で勝利に結びついた、見逃せないポイントがあった。

◯若き左腕・田口の制球

 先発した左腕・田口がクライマックスシリーズ初登板の緊張感を持ちながら丁寧な投球に徹した。2回の唯一の失点の場面はワイルドピッチだったが、難しい球ではなかったため、捕手・小林に何とか体で止めてほしいところだった。140キロ前半と決してスピードはないものの、直球とスライダーを丁寧に投げて、前日は存在感を見せた4番の筒香、2番・梶谷をノーヒットに抑え込んだ。

◯6回の二遊間の好守

 打撃面で好調な巨人・坂本が6回に守備で魅せた。1死から宮崎の中前へ抜けそうな打球を長い手足で追いつき、回転しながら一塁へ送球。それも確実にアウトにするためにワンバウンドで投げて、出塁を防いだ。同じイニングで、2死一塁から今度は二塁手の山本が、倉本の一、二塁間への痛烈な打球を横っ飛びでキャッチ。うまくバウンドを合わせて、ピンチの芽を摘んだ。ルーキーの山本は初のポストシーズン。5回の打席では2死一、二塁の絶好機で中飛に倒れ、悔しい思いをしていたが、アグレッシブなプレーで先発の田口を救った。無失点のリズムが少しずつ、巨人に流れを呼び込んでいった。

■9回は澤村ではなくマシソン続投で勝利

◯8回の寺内の代打バント

 1-1の8回。先頭の坂本が右中間二塁打。ここで高橋監督は山本に代えて、代打に寺内を送った。小技のできるベテランだが、ここはどう見ても送りバントのサインが出る状況。バントのうまい寺内でもプレッシャーのかかる場面だった。しかし、相手の守備位置を冷静に見ながら、1球で仕留めて坂本を三塁に送り、流れを切らずに2死後の長野のタイムリーにつなげた。前日の第1戦ではバント失敗が流れを断っていただけに、このワンプレーも大きかった。

◯マシソンのイニング跨ぎ好リリーフ

 8回から田口をリリーフした助っ人右腕マシソンは2試合連続の登板。シーズンでは自己最多の登板数(70試合)を記録し、体にムチを打ちながらのシーズン。それでも、ここにきて155キロ超を連発するほど好調をキープしている。第1戦では1イニングを3者連続三振と救援陣で最も信頼できる投手だ。そのため、9回も不安定なクローザーの澤村ではなく、マシソンが続投。直球に強いロペスには変化球を織り交ぜ、最後はスライダーでショートフライに仕留めた。筒香は力勝負で空振り三振に仕留めるなど、2回無失点。見事に勝利投手になった。

 決して「快勝」とは呼べない。井納、今永とDeNAの若き投手陣に苦しめられ、打線は坂本頼みの状態。ただ、短期決戦は勝利したものが強い。この試合に関しては巨人が試合巧者だった。迎える最終戦。DeNAが打ち勝つか、巨人がそつのない攻撃で広島への挑戦権をつかむか、注目が集まる。