本来なら「ATP1000 マドリード」が行われている予定だったこの時期。今年は新型コロナウイルスの影響のため行われていないが、ATP(男子プロテニス協会)が同大会の歴史を紹介。その中で、1年だけ試合に導入された「青い」クレーコートについて触…

本来なら「ATP1000 マドリード」が行われている予定だったこの時期。今年は新型コロナウイルスの影響のため行われていないが、ATP(男子プロテニス協会)が同大会の歴史を紹介。その中で、1年だけ試合に導入された「青い」クレーコートについて触れている。

クレーコートと言えば、レンガ色の赤土が想像されるが、ハードコートのように青いクレーコートが採用されたことがある。

当時、大会のオーナーは革新性を求めており、赤土ではなく青土を提案。それはテレビ映えを意識してのものだった。2011年に選手がテストし、翌2012年大会では3つの青いクレーコートが観客の前で披露された。

しかし、赤土と比べて滑りやすく、バウンドの仕方にムラがあったため、ラファエル・ナダル(スペイン)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含め選手からは不評を買った。

実際、ナダルは3回戦で当時ツアーレベルで13勝0敗と得意にしていたフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に初黒星を喫し、前年優勝者のジョコビッチも、準々決勝でヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)にストレートで敗れた。

この時優勝したのはロジャー・フェデラー(スイス)だったが、彼も初戦となる2回戦ではミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を相手に第3セットのタイブレークにまでもつれ、また総獲得ポイントでは4ポイント少ないなど、薄氷の勝利だった。

結局、選手たちから批判を受けたこの珍しい青いクレーコートはこの年限りに。翌2013年からは通常の赤土のコートに戻っている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2012年「ATP1000 マドリード」でのジョコビッチ

(Photo by Mike Hewitt/Getty Images)