錦織圭(日本/日清食品)はこれまでに通算12回ツアーレベルで優勝を遂げているが、中でも2014年には年間では自己最多となる4つのタイトルを獲得した(メンフィス、バルセロナ、クアラルンプール、楽天オープン)。今年は4月20日から行われていたは…

錦織圭(日本/日清食品)はこれまでに通算12回ツアーレベルで優勝を遂げているが、中でも2014年には年間では自己最多となる4つのタイトルを獲得した(メンフィス、バルセロナ、クアラルンプール、楽天オープン)。今年は4月20日から行われていたはずだった「ATP500 バルセロナ」の2014年決勝を、テニス関連ウェブメディア Baselineが振り返っている。2014年「ATP500 バルセロナ」の決勝は、錦織対サンティアゴ・ヒラルド(コロンビア)という予想外の組み合わせになった。2005年から2009年まで、同大会ではラファエル・ナダル(スペイン)が圧倒的な強さで5連覇を飾っていた。ナダルは2010年の大会を棄権した後、2011年から2013年までさらに3連覇を果たしていた。

ところが2014年に、ナダルは準々決勝で同胞ニコラス・アルマグロ(スペイン)に思わぬ負けを喫した(二人はキャリアを通じて16回対戦したが、アルマグロが勝ったのはこの1回だけ)。だがアルマグロは次戦で、シード外だが同大会で絶好調だったヒラルドに敗退。ヒラルドがキャリア2度目の決勝進出を決めたのだった。

一方第4シードだった錦織は、キャリアの中でも最高と言っていいクレーコートでのプレーを見せていた。怪我からの復帰直後だったにもかかわらず、錦織はこの年2度目、そしてクレーコートでは2010年以来の決勝進出を遂げた。

この年の初めに、錦織はもう一段階のレベルアップを目指して、テニスの殿堂入りを果たしているレジェンドの一人、マイケル・チャン(アメリカ)をコーチに迎えていた。そしてバルセロナの大会以前から、二人の協力関係は目に見えて成功だった。錦織は「ATP250 メンフィス」で優勝、「ATP1000 マイアミ」で準決勝に進出していたからだ。

バルセロナの決勝の相手ヒラルドにはそれまで4勝1敗。錦織は最初から好調で、第1セットでヒラルドを3度ブレークして6-2でセットを取った。第2セット序盤でも好調を保った錦織は最初のゲームをブレーク。そのまま第1セット同様に6-2でセットを取り、勝負を決めた。2014年2つ目、そしてキャリア初のクレーコートでのタイトルだった。

ATP500レベルではこれが3つ目のタイトルで、すべて違うコート、最初は2012年「楽天オープン」の屋外ハードコートで、次は2013年メンフィスの室内ハードコート(メンフィスは2014年からATP250に変更)での優勝だった。

ヒラルドは直近の2大会で8勝2敗という戦績を残した。彼は直前の「ATP250 ヒューストン」でも準決勝に進出していた。

錦織の前にバルセロナでクレーコート初優勝を遂げたのは2002年のガストン・ガウディオ(アルゼンチン)で、それは彼のキャリア初優勝でもあった。

錦織はこの年、年間では自己最多の4度の優勝、キャリア最多の54勝。さらにATP1000レベル(マドリード)とグランドスラム(「全米オープン」)でキャリア初の決勝進出を果たし、アジア人選手として当時過去最高の5位でシーズンを終えたのだった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2014年「ATP500バルセロナ」優勝者恒例のプール飛び込みを行った錦織

(Photo by Quality Sport Images/Getty Images)