FC東京がゴールデンウィーク期間中(5月2~6日)に開催している「青赤STAY HOME週間」(映像のLIVE配信やプレゼントキャンペーンなど)の企画で、ここまで印象に残っている企画のひとつが動画「さあ人生勉強のお時間です!教えて洋次郎さん」だった。

 若手選手4人(宮崎、内田、平川、品田)が髙萩に普段聞けないことを聞こうという企画でおぼろげながら見えてきたのが、プロ18年目で33歳の髙萩が今なおトップレベルで活躍できるという「長寿の秘密」だった。

 まず宮崎から「海外での経験」について訊かれた髙萩(かつてオーストラリアのWSW、韓国のFCソウルでプレー)は、国外で成功する秘訣についてこう答えている。

「サッカーというよりは普段の生活に慣れるのが大変。グラウンドの中では言葉が分からなくてもある程度サッカー用語なら分かったりするからいいけど、生活に慣れてストレスをなくすこと。そのあたりがプレーに影響するかな。生活をどれだけ充実させるか、楽しむかというのが海外でプレーするために大事な要因かなと思っている。他の選手とコミュニケーションを取るのもそうだし、食事も日本と違うから『あれやだ、これやだ』と言っているよりは、どんどんチャレンジする感じ。コミュニケーションが苦手でもどんどん行くみたいな」

 ちなみに、2015年には韓国でFAカップ制覇、しかも大会MVPに輝き、翌シーズンにはKリーグ優勝に貢献と確かな実績を残している。

 また、自身のターニングポイントについて「広島時代にJ2で戦った時」を挙げた髙萩はその理由を「J2で試合にほとんど出て、点も取っていてシャドーに定着した」と述べた。では、「レギュラー奪取への過程は?」なんなのか。 そう質問した内田には「これは難しい」としながらもしっかりと答えていた。
 
「試合に出ている選手が怪我するとか出場停止になって、チャンスは回ってくる。ただ、その先は何をやってきたか、どういう準備をしてきたかだね。だから、そのチャンスが来るまでにどれだけ貯められるか、パワー。だいたいプロの選手だったら『なんで俺は出られないんだよ』って思いながらプレーしている、出られない時って。『絶対あの選手よりはいいのに』って。でも、そこを悪い意味で捉えるんじゃなくてプラスに貯めておくみたいな。で、爆発させるというのが一番かな」

 シャドーが主戦場だった広島時代とボランチを主に担当しているFC東京で印象が違うとコメントした品田に対しても、髙萩はこう回答。「海外に行くと、評価はゼロの状態。だから、なんでも監督に見せないといけない。攻撃だけじゃなくて、守備もできるところを見せたほうが監督の要求に応えやすい。そう思ってやるようになった。プレースタイルが変わったというよりは、足りない部分を意識してグレードアップみたいなものを目指してやった。監督が求めているものは何かを考えて、それをプレーに出せるように意識する。自分のレベルはもちろんだけど、そういうのも大切かな」と独自の見解を語っている。


 興味深かったのは、「愛媛時代のことを教えてください」という平川の質問。プロ3年目までほとんど広島で出番がなかった髙萩は、翌06年シーズンにJ2の愛媛にレンタル移籍している。その当時のことについて、昨季J2の鹿児島に期限付き移籍で加入した経験がある平川が「聞きたい」と言ったのだ。

「(広島で)試合に出られないから、(愛媛に)行くでしょ。そこで試合経験を積んでって言うけど、そう簡単ではない。行って、試合に出るというのは。ここで試合に出て、J1に戻るとか、広島に戻るためとか、そういうのを意識してやっていたという感じかな。出て当たり前と思ってやらなきゃダメだし、『ここで出られなかったら終わりだ』と思ってやっていたから、必死だった。(鹿児島にレンタル移籍していた平川に向かって)どれだけFC東京の環境がいいかというのを再確認できるじゃん。今までずっと東京にいたから、これが当たり前だったけど、やっぱりJ2やJ3のクラブだと『こんなことも自分でやるんだ』とかもあるから、良い経験だったと思うけどね」

 その愛媛時代、髙萩は心が折れたりした時はあったのか。そう質問した宮崎に対しては「ない」と即答。「折れてたら終わっちゃうもん、1年間。そんな時間ない。もう次、次って。試合くるし、練習も毎日だし、それを必死でやるだけ。そんな余裕ない」

 「実はレイソルのジュニアユースを受けて、1次選考も通らなかった。人が多すぎて圧倒された」と意外な失敗談も入れつつ、この先のキャリアについても「できるだけ長くプレーしたい」と話した髙萩。その言葉の一つひとつに妙な説得力というか、魅力があった。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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