2019年5月から6月にかけて行なわれたU-20ワールドカップ・ポーランド大会から約1年が経つ。同大会で日本は、イタリア、エクアドル、メキシコと同居したグループBを2位で突破。決勝トーナメント1回戦で韓国に0-1で屈して敗退したものの、結果論ではあるが、その韓国がのちに準優勝、エクアドルが3位、イタリアが4位になった事実を考慮すれば、善戦した大会だったという見方もできるだろう。

 大会後、21人のメンバーはそれぞれの道を歩んだ。菅原由勢は名古屋からAZへ、中村敬斗はG大阪からトゥベンテへと、ともにオランダへ移籍。大会当時に高校生(桐光学園高)だった西川潤はすでに入団内定していたC大阪へ進み、小林友希のように大会後に神戸から町田へレンタルし、今季は横浜FCに加入と移籍を重ねた選手もいる。もちろん、湘南の齊藤未月のように同じクラブで活躍を続ける選手もおり、千差万別の”大会後”を過ごした。

 では、世界大会という貴重な経験をきっかけに成長し、最も株を上げた選手は誰なのか。ここでは、ドイツの移籍情報専門サイト『transfermarkt』が算出した「推定市場価格」を基に検証。同サイトは過去20年以上に渡って、全世界のプロフットボーラーを対象に「推定市場価格」を算定し、選手の移籍金の推移や実績、実力、将来性、年齢などあらゆるデータを総合的に判断して、その“市場価値”を叩き出している。推定ではあるが、参考になるはずだ。
 U-20ワールドカップメンバー21人の推定市場価格の推移は以下の通り。(ポジションは大会登録時のもの)

名前(現所属or大会当時の所属→現所属) 
大会直前の価格→現在の価格(現在の日本円価格)

GK
若原智哉(京都) 20万ユーロ→25万ユーロ(約3000万円)
茂木 秀(C大阪) 15万ユーロ→30万ユーロ(約3600万円)
鈴木彩艶(浦和ユース) 5万ユーロ→7万5000ユーロ(約900万円)

DF
東 俊希(広島) 15万ユーロ→32万5000ユーロ(約3900万円)
小林友希(神戸→横浜FC) 25万ユーロ→30万ユーロ(約3600万円)
瀬古歩夢(C大阪) 15万ユーロ→45万ユーロ(約5400万円)
菅原由勢(名古屋→AZ) 25万ユーロ→180万ユーロ(2億1600万円)
鈴木冬一(湘南) 25万ユーロ→35万ユーロ(約4200万円)
三國ケネディエブス(福岡) 20万ユーロ→32万5000ユーロ(約3900万円)
喜田 陽(福岡→C大阪) 20万ユーロ→20万ユーロ(約2400万円)

MF
郷家友太(神戸) 75万ユーロ→62万5000ユーロ(約7500万円)
伊藤洋輝(名古屋→磐田) 15万ユーロ→15万ユーロ(約1800万円)
藤本寛也(東京V) 50万ユーロ→45万ユーロ(約5400万円)
斉藤光毅(横浜FC) 30万ユーロ→62万5000ユーロ(約7500万円)
齊藤未月(湘南) 75万ユーロ→80万ユーロ(9600万円)
山田康太(横浜→水戸) 30万ユーロ→30万ユーロ(3600万円)

FW
田川亨介(FC東京) 40万ユーロ→45万ユーロ(約5400万円)
宮代大聖(川崎) 15万ユーロ→32万5000ユーロ(約3900万円)
西川 潤(桐光学園高→C大阪) 5万ユーロ→20万ユーロ(約2400万円)
原 大智(FC東京) 15万ユーロ→40万ユーロ(約4800万円)
中村敬斗(G大阪→トゥベンテ) 50万ユーロ→80万ユーロ(約9600万円)

※1ユーロ=約120円で換算。

 やはりと言うべきか、最も株を上げたのは菅原だった。現在の価格では断トツトップの180万ユーロ(2億1600万円)で、その数字は大会直前から約7倍と、最も大きい跳ね上がりを見せている。U-20ワールドカップでは韓国戦で「正直、これから一生頭から離れることのない」と自責したパスミスをして失点に絡んだものの、グループステージではほぼパーフェクトなパフォーマンスを披露した。

 大会後にAZからオファーが届いた事実が、世界大会で実力を発揮した証だろう。AZでもここまで通算16試合に出場して2ゴール・1アシストを記録しており、推定市場価格は納得の評価と言える。

 菅原と同じく海外移籍した中村は、現在の価格が2番目に高い80万ユーロ(約9600万円)。齊藤未も同額だが、大会直前からの上昇額を見ると、齊藤未の5万ユーロに対して中村は30万ユーロだった。

 同サイトが「未曽有の緊急事態にあって、すべてのプロクラブが経営難の窮地に立たされ、選手たちの市場価値も軒並みダウンした」と説明しているとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、推定市場価格の下落、もしくは変化なしの選手も数名いる。ただ、そんななかでも若さを評価されてか21人中16人が大会直前から価値を上げている。現在はリーグ中断中ではあるものの、再開後は将来有望な彼らの活躍に注目し続けたい。

構成●サッカーダイジェスト編集部

【U-20日本代表|選手名鑑】U-20ワールドカップに臨むメンバー21名