「ホップマンカップ」のような大会では、大変面白い対戦が見られることがある。例えば、2018年のミックスダブルスでのロジャー・フェデラー(スイス)と大坂なおみ(日本/日清食品)の対戦だ。ウェブメ…

「ホップマンカップ」のような大会では、大変面白い対戦が見られることがある。例えば、2018年のミックスダブルスでのロジャー・フェデラー(スイス)と大坂なおみ(日本/日清食品)の対戦だ。ウェブメディアEssentially Sportsが振り返っている。

「ホップマンカップ」とは1989年から2019年まで、毎年ツアーの公式戦開幕前の年末年始に行われていたエキシビションマッチの大会で、8つの国から男女各1名ずつが出場。シングルス2試合とミックスダブルス1試合で争われる、男女混合という他にはない形式の国別対抗戦だった。

2018年にフェデラーはベリンダ・ベンチッチ(スイス)と、大坂は杉田祐一(日本/三菱電機)と組んで、それぞれの国を代表して大会に臨んでいた。だがフェデラーは杉田に6-4、6-3で、ベンチッチは大坂に7-5、6-3で、すでにシングルスで勝利していたので、スイスの日本に対する勝利はもう決まっていた。

日本チームに残されたのは、せめて1勝をあげることだけだったが、結果はそれも叶わず、日本ペアは4-2、1-4、3-4でスイスペアに惜敗。だが、人々がこの試合を憶えているとしたらそれは全く違う理由かもしれない。

大坂は第3セットの第3ゲームで、フェデラーから素晴らしいサービスエースを奪ったのだ。大坂はデュース側から、フェデラーの右、ワイドに向かって鋭いサーブを放ち、フェデラーは触れることすらできなかった。

大坂はとても嬉しかったようで、両手を空に突き上げ、杉田とも喜びを分かち合った。フェデラーも「やられた」という顔で微笑んでいた。とはいえ、それも日本を0勝3敗という完敗から救うことはできなかったが。

その後もスイスチームは勝ち進み、決勝ではアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とアンジェリック・ケルバー(ドイツ)のドイツチームを破って優勝。フェデラーとベンチッチは2019年にも同じドイツチームを制して連覇を遂げたが、2020年に創設された「ATPカップ」に日程と場所を奪われた「ホップマンカップ」の存続は、不透明なままである。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「ホップマンカップ」の試合風景

(Photo by Paul Kane/Getty Images)