新型コロナウイルスのパンデミックの中、全世界的に外出制限が課され、日々の営みが立ち行かなくなり、暮らしに影響が出ている。人々の苦しみを目にして、ニック・キリオス(オーストラリア)は数日前、寛大…

新型コロナウイルスのパンデミックの中、全世界的に外出制限が課され、日々の営みが立ち行かなくなり、暮らしに影響が出ている。人々の苦しみを目にして、ニック・キリオス(オーストラリア)は数日前、寛大な手助けを申し出た。その後のキリオスについて、ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。キリオスは弱い立場にある人々を救うべく、次のように投稿した。「もし誰かが働けなかったり、収入がなくて食べるものがなくなってしまったり、厳しい時を過ごしているなら…お腹を空かせたまま眠るようなことはしないで。恐れたり、恥ずかしいなどと思わずに僕にメッセージを送って欲しい。喜んで僕の持っているものを分け与えるよ。ヌードルとかパンとか牛乳とか、家の前に置いておくよ、何も聞いたりしない!」

キリオスの心のこもったメッセージに、多くの返信が届いた。彼は早速、住んでいるオーストラリアのキャンベラ地域で食料品を届けることにした。テニス界の「悪童」として知られるキリオスは、こうして心優しい行いを続けている。

今年1月に母国オーストラリアが森林火災の大惨事に見舞われていた時、キリオスはテニス仲間たちの助けを得て480万オーストラリアドル(約3億3千万円)の資金を集めた。

そしてキリオスは「やあみんな、明日は一番近い地域の人たちに、一日中かけてできるだけたくさん物を届けるよ。彼らとは連絡を取っている。君からのメッセージをまだ読んでいなくても、君のところにも届けられるよう、絶対に最善を尽くすと約束する」と投稿。

世界的に有名なキリオスのもとには、支援を必要とする国外の人々からもメッセージが届いた。しかし国と国を自由に行き来することがかなわない現状では、キリオスは彼らに手を差し伸べることはできず、そのことを申し訳なく思っている。キリオスは「そして世界中の友人たちへ、僕にもっとできることがあればと切に思う。でも今は状況が厳しい。心を強く持って。明るい日は必ずやって来る」と続けた。

世界ランキング40位のキリオスは、1月の「全豪オープン」で4回戦に進出し、グランドスラム19度優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)に屈した。その後、メキシコでの「ATP500 アカプルコ」では1回戦を怪我で途中棄権し、この大会でのタイトル防衛は果たせなかった。

※為替レートは2020年4月10日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」でのキリオス

(Photo by Mike Owen/Getty Images)