10月2日、ソフトバンクはレギュラーシーズンの全日程を終了した。今季の成績は、83勝54敗6分。29の貯金を作りながらも、日本ハムに2.5差をつけられて2位に終わり、リーグ3連覇の夢は途絶えた。■「正直、迷いはあった」と反省、「それが自分た…

10月2日、ソフトバンクはレギュラーシーズンの全日程を終了した。今季の成績は、83勝54敗6分。29の貯金を作りながらも、日本ハムに2.5差をつけられて2位に終わり、リーグ3連覇の夢は途絶えた。

■「正直、迷いはあった」と反省、「それが自分たちの隙になった」

 10月2日、ソフトバンクはレギュラーシーズンの全日程を終了した。今季の成績は、83勝54敗6分。29の貯金を作りながらも、日本ハムに2.5差をつけられて2位に終わり、リーグ3連覇の夢は途絶えた。

 工藤公康監督は「選手たちは頑張ってくれた」と、まずは143試合を戦い抜いた選手の労をねぎらいながら、シーズンを総括した。

「これだけの貯金を作って2位だったことは、素直に日本ハムさんの強さを認めなきゃいけないのかなと思う。シーズンの始めはバランスがいいというか、接戦の試合が多い中でしっかりと勝ち抜いていけたのが大きかった。7月に入ってうまくいかなくなったところで、ボクが(チームを)うまく修正できなかったことが、最終的に日本ハムさんの追撃、逆転を許してしまったと思う」

 交流戦を終えた時点で、日本ハムとの最大ゲーム差は11.5あった。そこからのV逸について「迷った部分があった」と指揮官は語る。

「ウチの素晴らしいところは、みんなが最後まで諦めずに、明るく元気に自分たちが信じたプレーをするところ。そこをもうちょっとボクが引き出してあげられたら、(結果は)変わったのかなとも思う。ボク自身も正直、迷った部分があった。そこが自分たちにとっての隙になってしまったところは反省している。選手もいい時もあれば悪い時もある。その中で、しっかりと選手のいいところを早く引き出せなかったことが非常に悔やまれるし、選手を手伝うことができなかったことが、(自分の)いけないところではなかったかな、と思う」

■投手陣、打撃陣を振り返る…和田は「すべてに学ぶところがあった」

 優勝を逃す中で、昨季とは違う収穫や手応えもあった。先発陣では東浜巨や千賀滉大といった若い力がシーズンを通して力を発揮した。

「昨年の秋季練習からきつい練習だったとは思うが、一生懸命ついてきてくれて、トレーニングの大切さ、体を強くするということをしっかり理解してくれた。先発をやりながらトレーニングを続けてくれた成果がシーズンで出たのではないか。継続力や成果を残したい、勝ちたいという思いが、彼らの成績につながった」

 また、5年ぶりに日本球界に復帰した和田毅が15勝で最多勝のタイトルを獲得。和田一人で10の貯金を稼いだ。

「彼のすべてに学ぶところがあったと思うし、ピッチャー陣の中心としてローテーションも回ってくれた。その中で結果を残し、困った時にもしっかり投げて勝ってくれたというところが大きかった」

 打撃陣では、終盤の9月に柳田悠岐という軸を欠いたことが大きく響いた。それでも現有の戦力でどうにか盛り返す雰囲気は作ることができた。

「みんなが勝つしかないんだという気持ちになってくれたことが、盛り返すきっかけに繋がってくれた。打線が繋がることでまたリズムができて、バランスのとれた打線であったり、ピッチャー陣になれたことが、(日本ハムに)引き離されずに最後まで優勝争いができたというところだと思う」

 8日からは、ホームのヤフオクドームに3位のロッテを迎えて、CSファーストステージを戦う。

「むこうも必死で来る。それよりも自分たちが熱い思いで戦っていくことが大事。短期決戦は何が起こるかわからないが、自分たちがファイナル(ステージ)に行くんだという思いだけは、絶対に負けないように戦っていく」

 3年連続日本一のチャンスは残された。シーズン総括で述べた反省を生かした戦いでロッテを破り、挑戦者として札幌にコマを進めたい。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura