専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第250回『レジャー白書』によると、ゴルフ人口は2016年の550万人を底に、微増しているとのことです。2017年、2018年には670万人となって、反転に転じました。ちょっと…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第250回

『レジャー白書』によると、ゴルフ人口は2016年の550万人を底に、微増しているとのことです。2017年、2018年には670万人となって、反転に転じました。ちょっと前まで、「このままではゴルフをやる人が消滅する」と言われていたので、ホッとひと安心しました。

 しかも昨年、渋野日向子選手が全英女子オープンを優勝。その勢いに乗じて、さらなるゴルフ人口の増加が見込まれています。そうして、今年の東京五輪で「バンザ~イ!」なんてことになれば……と思っていた矢先の、”コロナショック”です。

 2月に中国で「なんか怪しいウイルスが発見されたらしいぞ」と言っていたら、日本でも発症者が続々出てきて、3月には新型コロナウイルスが世界中に蔓延していました。

 ほんと、あっという間のひと月――今や、ゴルフ業界のみならず、日本経済を震撼させる状況に追い込まれ、リーマンショック以上の”経済パニック”に陥っています。

 今回は、この”コロナショック”を踏まえて、我々ゴルフ好きは何をやればいいのか、いろいろと考えてみたいと思います。

 最近のゴルフを取り巻く状況の変化について、まずはプロ編から。

 国内女子プロツアーは、開幕から9試合連続でトーナメントが中止となりました。先行きはいまだ不透明で、いつから再開されるのか、なかなか推し量ることはできません。

 アメリカツアーも、男女ともに各トーナメントの中止や延期が発表され、とりわけ男子メジャーの、マスターズと全米プロ、さらに全米オープンまで延期になったのは、かなりショックでした。

 一般的に、ゴルフは屋外競技だから、新型コロナウイルスの感染拡大への不安は少ないのではないか、という見方もあります。しかし、何万、あるいは数千人でもギャラリーが集まれば、試合会場に向かうシャトルバスなどは満員状態になります。「それは、さすがにまずいんじゃないか」と、そういう判断もあるんでしょうね。

 さらには、ひとつのトーナメントを開催した場合、ボランティアを含めて、かなりの運営スタッフが必要になります。選手やキャディーをはじめ、それだけの人が集まることを踏まえれば、”万が一”のことを考えないわけにはいかなかったのでしょう。

 ただ、試合再開まで、もう少しの辛抱だと思います。いくらなんでも、今シーズンのトーナメントがすべて中止って、ことはないと思いますから。

 こうしたプロのトーナメントの現状を受けて、プライベートのゴルフを自粛するのはどうなのでしょう? こちらは、新型コロナウイルス感染への予防策をきちんと講じていれば、たまにはやってもいいんじゃないかな、と思っているんですけど……。

 実は先日、取材で沖縄に行ってゴルフをしてきました。その時の様子を、少しレポートさせていただきます。

 大手航空会社の沖縄行きチケットを入手したのは、出発予定日のおよそひと月前でした。すると、出発日の1週間前に、突然航空会社からメールが来て、「便を変更しました」と。

 そんなこと、頼んでないがな!? と思いつつ、メールの詳細を見てみると、新型コロナウイルスの影響で、当初搭乗予定の便が欠航したため、それに近い時間帯の別便を予約したので、そちらに変更してくれ、といった内容が記されていました。

 3月中旬の話です。実際、沖縄行きの飛行機は、半分ぐらいが欠航していましたね。仕方がないので、メールの指示どおり、便を変更して、自分で座席を指定し直したのですが、その時は、9割ぐらい席が埋まっていました。

 ところが、いざ飛行機に乗る段になると、5割ぐらいしか席は埋まっていません。直前でキャンセルした人が結構いたのです。

 そうして、離陸。たまたま斜め後ろに座っていたオジさんが、咳を2回ほどしたので、ジロリとにらんでやりました。無論、「おまえなぁ~、咳エチケットぐらい守れよ。そういう時は、マスクをするんだよ!」と、心の中でつぶやきつつですよ。

 しばらくして、ウトウトしていると、今度はこっちが無性にくしゃみをしたくなってきました。鼻をつまんで、我慢をしていたけど、限界に達して1回だけ、クシュンとしました。

 すると、今度はこっちが、前の席にいた若い女性2人からギロリとにらまれる始末。無言のプレッシャーっていうんでしょうか。お互いが疑心暗鬼になっていて、「これじゃあ、機内では恋愛は生まれないな」って、しみじみ思いました……って、そういう話か?

 まあ、こんな状況ですが、沖縄のゴルフ場はわりと空いていました。でも、ガラガラというわけではありません。それは、地元の人がたくさんやってくるからです。

 沖縄は、比較的感染者が少ないところです。小、中学校も、春休みの前に授業を再開しています。だから、沖縄にゴルフをしに行くのは、沖縄振興のためにもいいことなんじゃないか、と勝手に思ったりして……。

 ともあれ、『緊急事態宣言』が出されたなか、「客としてどんどんゴルフに行け」というのもはばかれるので、社会貢献をしているゴルフ場があることを、少し紹介したいと思います。

 広島のリージャスクレストゴルフクラブでは、クラブハウスの周りを一般にも開放。休校中の子どもたちに、芝生の上で遊べるようにしています。ついでに無料で大浴場も利用でき、格安のランチも提供するなど、至れり尽くせりです。

 また、群馬の伊香保カントリークラブでは、学校が休みで室内に閉じこもりがちな子供たちのために、使用していないコースを開放。サッカーやキャッチボールが楽しめるようにしています。

 実際、どれだけの子どもたちが来るかはともかく、そういうことをやる姿勢が素晴らしいじゃないですか。

 これなら、何組かの家族でゴルフ場にやって来て、お父さんたちはラウンド。子どもたちは芝生の上で大いに遊ぶ、なんてこともできます。

 こうしたことは、子どもの面倒を見るスタッフがいれば、どこのゴルフ場でもできるはずです。こういうニュースに刺激を受けて、子どもたちにどんどん芝生を開放してほしいです。

 ゴルフ関連でも、世の中に貢献できることはいろいろとあります。現在の事態が終息したら、『新型コロナウイルス撲滅チャリティコンペ』とか、どんどんやりましょう。

 思えば、東日本大震災の時も、東北のゴルフ場を救おうと、地元の宮城に帰って、何度かラウンドしました。自分のできる範囲内での貢献を、みなさんも考えてみてください。

 ゴルフは比較的安全と言っても、さまざまな意見があるのも事実です。最後は、自己責任ということになるのでしょうが……。



思う存分、ゴルフができる日が待ち遠しいですね...

 とにかく、普段どおりの生活に戻ったら、今後はお金を使ってゴルフをして、経済活動を回してやることが大事です。

 ゴルフ人口が上向きになった今、『緊急事態宣言』が解けたあとは、状況を見て安全が確認された場合、誘われたコンペは全部出るつもりです。そして、今年の後半はフル回転。来年へ向けて、どんどんラウンドします。

 我々は、バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災と、いくつもの試練を乗り越えてきているじゃないですか。今、ここで踏ん張らないでどうする?

 今回の”コロナショック”、インフラがやられているわけではないので、一旦騒動が収まったら、急激にV字回復する予感もします。

 今が正念場。今のうちに、せっせとクラブでも磨いておきましょうかね。