今年のCS挑発ポスターはどんな内容になるのか。そして、なぜこのような試みがスタートしたのか。挑発ポスターが生まれたきっかけなどを、ロッテ広報グループ・チーフの梶原紀章さんに聞いた。■交流戦CSで話題のロッテ名物企画、今年のCSでは日ハム大谷…

今年のCS挑発ポスターはどんな内容になるのか。そして、なぜこのような試みがスタートしたのか。挑発ポスターが生まれたきっかけなどを、ロッテ広報グループ・チーフの梶原紀章さんに聞いた。

■交流戦CSで話題のロッテ名物企画、今年のCSでは日ハム大谷がターゲット!?

 毎年交流戦の名物企画として話題になるロッテの「挑発ポスター」。過去にはCSでも2007年、15年で挑発ポスターを展開している。ロッテは現在パ・リーグ3位につけており、今年もCSの出場をほぼ確実にしている。

 では、今年のCS挑発ポスターはどんな内容になるのか。そして、なぜこのような試みがスタートしたのか。挑発ポスターが生まれたきっかけなどを、ロッテ広報グループ・チーフの梶原紀章さんに聞いた。

――挑発ポスターを始めたきっかけは?

「初めて挑発ポスターを展開したのは2005年の開幕戦です。対戦相手が新球団の楽天だったので、相手ばかりに話題を取られたくないと思い、仕掛けたのが最初でした」

――なぜ、挑発ポスターを展開しようと思ったのですか?

「対決心をあおりたいというのがありました。話題性、盛り上がり、そしてライバル心。これらを総合して、相手を『挑発』するという内容にしたら面白いかな。と思いました」

――始めた当初、ファンや他球団の反応はどうでしたか?

「相手球団の反応や、世間の反応も気になりましたし、受け入れてもらえるかが怖かったです。でも、やってみるといい方向に行きました。『こういうこともやっていいんだな。挑戦することは大事だな』と感じました」

――08年の交流戦で一度終了、13年に復活しました。これはなぜですか?

「ネタが尽きた感じがあり、マンネリ化を感じました。08年の交流戦で初めて負け越したので、封印するのにいいきっかけになりました。一度、勇気を出して辞めるのも大事だと思っていましたし、辞めて再開した時に、また話題になるだろうなと思っていました。13年から再開しましたが、やはり反動が大きく、また大きな話題になりました。だらだらやっているより、一度やめて良かったと思っています」

■事前の許可は「取っていません」

――13年には『虎狩りには大地がツヨシ!』、14年には『コアラなのに竜? 竜だけどコアラ? 監督なのにキャッチャー? キャッチャーなのに監督?』など、選手や監督をターゲットにしたものもあります。選手や監督に、事前に話をしているのでしょうか?

「許可は取っていません。ただ、あそこは西岡剛選手にしないと面白くないと思っていました。後日、西岡選手からは『もっと過激にしてよかったよ』と言われました。ちょっと遠慮したところはありましたね。谷繁監督は就任1年目でしたから、中日は谷繁監督をつつく以外にないと思いました。時事ネタは抑えたいと思っています。『コアラなのに竜?』を先に持ってきて、あえてぼんやりさせました(笑)」

――CSでも挑発ポスターを展開しました。こちらの反応はどうでしたか?

「交流戦は平等なので問題ないのですが、CSは順位が上のチームに挑戦する場合が多いので、『相手チームに対して敬意はどうなっているのか』という意見はあります。CSの挑発ポスターも07年で一度辞めて、15年に復活させましたが、盛り上がりましたし、ソフトバンクの球団の方は後日『やられた』と言っていました。『しめしめ』という感じでしたね。対戦相手の球団には、事前に知らせていません。内容は『僕を信じて下さい』というところですね」

――挑発ポスターに対する批判的な意見はありますか?

「勝負事ですから、多少はあります。行きすぎず、行かなすぎずのラインを作るのが難しいですね。過激すぎてもいけないし、まじめすぎても意味がない。他球団からの批判はないですね。みんな楽しみにしてくれています。『ポスターください』と言ってくれたり、地方球団は地元メディアで報道してくれたりしていて、嬉しいですね。最近では、大学野球でも挑発ポスターをやっていて、そういうのを見ると『成功したのかな』と思います」

――今年のCSはどんな内容の挑発ポスターになりそうですか?

「おそらく、ソフトバンク、日本ハムに挑戦することになりますね。日本ハムのイメージはだいたい出来ています。大谷翔平選手というビッグネームがいますから、そこにターゲットを絞った内容になると思います」

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki