専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第243回 最近、大手エアラインの予約開始時期延長や、LCCの普及により、非常にコンフォータブルな旅ができるようになりました。料金的にも安いし、予約も取りやすい。これは、いった…
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第243回
最近、大手エアラインの予約開始時期延長や、LCCの普及により、非常にコンフォータブルな旅ができるようになりました。料金的にも安いし、予約も取りやすい。これは、いったいどうしたことか。順を追って、見ていきたいと思います。
(1)JALの予約開始日前倒しによる効果
日本航空(JAL)のチケット予約は、従来は先得などを除いて2カ月前から受け付けていたのですが、昨年の秋以降、国内線は搭乗予定330日前から(国際線は360日前から)予約受付が可能となりました。
だから今や、はるか先の予約ができるんです。海外ですけど、私なんて今年の9月にマレーシアに行く予定で、7カ月前の2月の段階ですでに予約してしまう大胆さ。もちろん、早く予約する分、料金も安くなり、予定が決められる人にとっては、朗報となっています。
そして、この予約システムの前倒しの恩恵を受けるのが、マイルを使った旅行の数々です。
(2)JALの『おともdeマイル割引』がおトク
JALのマイル旅は、ほんと便利で、何度も使っています。ただ、使い出がありすぎて、申し込みが殺到するのが問題でした。
もともとマイルなんてものは、おおよそクレジットカードのポイントですからね。買い物したオマケで飛行機に乗れるのですから、実質タダみたいなものです。加えて、マイル旅は座席数に限りがあるので、人気路線は搭乗2カ月前の予約開始と同時に、ほぼ埋まっていました。
けど、およそ1年前から予約できるとなると、いくらなんでもすぐに予約は埋まらず、旅行計画が立てやすくなりました。そして、そのマイル旅で一番コスパが高いと思うのが、『おともdeマイル割引』というフライトです。
たとえば、大人2人が東京~沖縄間でマイル旅をしたとします。通常だと、往復1万5000マイルなので、ふたり合わせて3万マイルが必要となります。その場合、夫婦や家族なら、その分のマイルを誰かが持っていれば、それを分けて利用すればいいだけです。
でも、友人との旅行だと、ふたりが別々にマイルを持っていないと話になりません。そこで、JALが提示したのが、片方がマイルを持っていれば、もう片方も割引運賃で搭乗できる、というおトクなプランです。
それが、『おともdeマイル割引(※)』というシステムです。
※JALマイレージバンク会員の本人を含む、2~4名までのグループが、同一便・同一クラスに搭乗のうえ、同一路線を往復する場合、会員本人は1万マイルで、同行者は割引運賃で搭乗できる。
これを使うと、沖縄往復なら、私は1万マイルで往復チケットが入手できます。そして、同じ旅程でフライトする仲間(大人、最大3名まで)は、2万7220円で往復チケットが購入できるんです。
今回、このシステムを使って、野郎3人で沖縄に行きますが、旅費は3人で5万4440円。私の出費は実質ゼロで、仲間も格安。いやぁ~、これがLCCじゃない、サービス満点のJAL利用ですよ。こりゃ、たまらん。
だって、家族2人でマイル旅をするとしたら、沖縄往復で3万マイルですよ。それだけのマイルを貯めるとなると、ざっくりした単純計算で、JAL系のクレジットカードで300万円の買い物をしなければいけません。そう易々と貯まる数字じゃないですよね。
その点、『おともdeマイル割引』なら1万マイル。ざっと年間100万円の買い物、すなわち月々8万円くらいのカード使用で貯まるわけです。公共料金やスーパーの買い物などをカード払いにすれば、届かない数字じゃないです。
だから、この『おともdeマイル割引』がマイル旅のなかでも一番コスパが高いんじゃないか、と思うわけです。年に1回、国内の遠方旅行をマイルでするなら、この方法が現実的かな、と。
(3)LCCの狙い目は成田発
ここまでは、JAL系カードを持っていないと始まらない話で、関係ない人にはまったくつまらないネタでした。が、ここからは、誰もが利用できるLCCの話をしたいと思います。
格安航空券で有名なLCCですが、過去に北海道・旭川への日帰り旅で、成田~旭川の往復が1万円未満のフライト料金で済みました。
そう、穴場はなんと言っても、成田空港発の便です。
最近は、国際便もバンバン飛ぶようになって、都心から近い羽田空港が人気です。地方からの旅行者も、国内線に乗って羽田に到着し、そこから国際線に乗り換えて海外へ出かける人がたくさんいます。つまり、羽田空港は”ハブ空港”の役割を果たしています。その分、大手航空会社の便でいっぱいになって、LCCのフライト数は決して多くはありません。
一方、最初に国際線が始まった成田空港は、そもそも国内線が少なかったのですが、”国内線大歓迎政策”を取るようになって、格安のLCCがこぞって参入。近年では、国内遠方への便も増え、しかもかなり安く行けるようになっています。
そんな成田から安く行ける、最近注目のローカル空港と言えば、新たに開港した宮古島の下地島空港です。
宮古島には、もともと宮古島空港がありましたが、宮古島の隣にある下地島にも旅客機の発着訓練場として、長い滑走路のある空港があったのです。そこが昨年、民間の新ターミナルとして開港。宮古島と下地島は橋でつながっているため、俄然需要が出てきたのです。
小さくてコンパクトな宮古島ですが、シギラベイカントリークラブや、東急グループのエメラルドコーストゴルフリンクスなど、リゾート系のゴルフ場が3コースあって、他にも9ホールのミドルコースがいくつかあります。しかも、どのコースも抜群の景観です。
以前、宮古島で、1日で3コースを回るという”ゴルフ・トライアスロン”に参加しました。最初は「1日3ラウンドなんて無理」と思いましたが、多くの方の声援を受けて、なんとかラウンド終了。最後は、懐中電灯を照らしながら、パットして任務を終えました。
その時は、妙な充実感がありましたね。1日で3コース回れるぐらい、近い場所に各コースが隣接。移動が楽なのは、それだけゆったり過ごせるということです。
とまあ、このようなゴルフ天国が、成田からなら片道7000円ほどで行ける。これはたまりませんよ。
現地のラウンドは、『1人予約ランド』も使えるし、普通にネットで予約できます。LCCをうまく利用すれば、格安ツアーより、安く済むこともあります。
ただし、LCCはシーズンによって、価格変動が激しいので、ピンポイントでスケジュール調整をしないと、フライト料金が高くなることがあります。ご注意を!
(4)東京・神奈川の名門コースで2日間プレーするなら…
東京・神奈川の名門コースは、土日のプレー代が高いですよね。軽く3万円を超えますから。もし2日間ラウンドしたら、6~7万円ですよ。
ならば、遠くのリゾートでゴルフ三昧したほうが、旅の気分を満喫できて、美味しいものも食べられますから、コスパはいいと思います。
マイルやLCCなどをうまく活用して、ぜひ遠方でのゴルフを楽しんでください。
みなさんも、格安フライトなどでリゾートゴルフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
さて、最後になりましたが、近年は海外のゴルフツアーも実に安いです。穴場はズバリ、サイパンじゃないですか。一時、一世を風靡したリゾート地ですが、グアムやハワイにお客さんを持っていかれて、今や中途半端な観光地になってしまいました。
見栄を張って、ハワイでゴルフとなれば、余計なお金がかかります。食事やお土産にも手を抜けないでしょ?
その点、サイパンなら、変に気取らなくていいですから、さしてお金を使う必要がありません。豪華ディナーを食べたり、お土産に高級ブランドを買ったりしなくて済むサイパンって、ステキ!
これが、キャッチフレーズになるかどうかわかりませんが、『いきなり!ステーキ』という店が繁盛したことを思えば、「いきなり!ゴルフ」という観点で考えれば、サイパンはアリかも。
最近は直行便が復活して、お客さんもちらほら増えているそうです。一度、試してみてはいかがでしょうか?