マーガレット・コート(オーストラリア)は、オーストラリアテニス協会が、彼女が同性結婚に反対の立場を取っていることを理由に“差別”したと批判した。ロイター通信が伝えている。オーストラリアテニス協…

マーガレット・コート(オーストラリア)は、オーストラリアテニス協会が、彼女が同性結婚に反対の立場を取っていることを理由に“差別”したと批判した。ロイター通信が伝えている。

オーストラリアテニス協会は、24回のグランドスラムタイトルを獲得したコートを、1970年の年間グランドスラム達成50周年を記念する式典のために今年の「全豪オープン」に招待したが、コートの“個人的見解”には同意しない、と注釈をつけていた。

「全豪オープン」準々決勝の前にロッド・レーバー・アリーナで行われた式典は、控えめなものだった。コートの偉業をまとめた映像が流された後、グランドスラム11度優勝のロッド・レーバーからコートへとレプリカのトロフィーが手渡された。

コートは、家族とともに数日間大会を観戦していたが、 “同性結婚やその他の事項”に関する見解のせいで不当な扱いを受けたと語り、式典でマイクを渡されなかったことに不満を述べた。

コートは、「彼らは、テニスにおいて私のやってきたことのすべてを差別しようとした。これはすごく悲しいことよ」と地元局Nine Networkに語った。「きっと彼らは、私が伝道師だから普及活動をすると思ったのね」

オーストラリアテニス協会は、コートが事前に式典の取り決めに同意しており、運営組織は彼女と家族のため100枚以上の招待券を用意し、コートをあたたかく迎え入れたと反論。「コート氏の批判を耳にし、大変残念に思っています。“全豪オープン”中、彼女の苦情は何も私たちに伝えられていませんでした」と声明で述べている。

「オーストラリアテニス協会は、マーガレットと(夫である)バリー・コート氏、そして家族16名を“全豪オープン”に招待しました。飛行機、ホテル、朝食、そしてエグゼクティブクラブへの入室権などを提供し、2週間の間に100枚以上のチケットを用意するなど、大会中、彼女とご家族を歓待しました」

また、コートは往年の名選手であるマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)とジョン・マッケンロー(アメリカ)が「全豪オープン」で“マーガレット・コート・アリーナ”の名称変更を要求したことに関しても非難した。

「私だったら、例え相手のことを心の中でどのように思っていたとしても、他の国に行って“ねえ、このビルやアリーナ、そしてテニスセンターから、この人の名前を取り去るべきだよ”なんて発言は絶対しない。非常に間違った行為で、不適切だと思うわ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」でのマーガレット・コート

(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)