生まれつき左上肢のすべての指の欠損という障がいを持ちながら、小学生でテニスを始め、ずっと健常の方と一緒に一般のテニスをし、東京学館浦安高等学校時代は「第32回全国選抜高校テニス大会」に出場し、…

生まれつき左上肢のすべての指の欠損という障がいを持ちながら、小学生でテニスを始め、ずっと健常の方と一緒に一般のテニスをし、東京学館浦安高等学校時代は「第32回全国選抜高校テニス大会」に出場し、全国第3位に輝いた経験もある髙野健一選手。

立位テニスに転向してからは、障がい者立位テニスの国際大会「TAP USA OPEN 2018」に優勝もした立位テニス界の期待の星だ。

まずは、髙野選手に全国選抜高校テニス大会に出場した際の感想を伺った。

全国の高校生テニスプレイヤーの目標でもある選抜テニスに出場した時は、緊張したが大きな舞台でテニスをするのは、気持ちが良いなと思ったそうだ。

産まれながらの障がいを持ちながら強豪校のテニス部に所属していても、自分としては、障がいの不利感は全く感じていなかったし、対戦相手や仲間たちも感じていなかったと思うと爽やかな笑顔で語った。

テニスの魅力を聞くと、個人競技でもあるテニスだが、高校時代に、部活で集団行動を学べ、人との繋がりでき、試合中は相手に勝つことだけを考えてプレーしているが、試合後は全国の対戦相手とも友達になれ、自分の世界も広がり、テニスをしていて本当に良かったと思っているそうだ。

今は、自分も大きな刺激を受けた「立位テニス」をまず皆さんに知ってもらいたい。手がなかったり、義足だったり、麻痺があったり色んなタイプの障がいを持った人達が、工夫をしながらテニスに打ち込んでいる姿を見てもらいたいと語った。

「こんな爽やかな好青年に久しぶりに会った!」と思わず思うほど、笑顔も素敵な髙野選手。

私の個人的な想像だが、産まれながらの障がいだったからこそ、きっとご家族の愛にも恵まれた髙野選手にとっても、周りの仲間にとっても、障がいではなく、個性として自然に受け入れられたのだろうと思った。

みんなの頑張りで、立位テニスを近い将来パラリンピック正式種目入りし、次のパラリンピックでは、髙野選手のような実力のある日本の立位テニス選手が金メダルをとってほしいと心から願う。

スポーツ庁も推奨する「スポーツSDGs」の取組みとして「全国選抜高校テニス大会」 実行委員会は、手や足に障がいを持つ身体障がい者の方が車いすではなく、立って行うテニス競技「立位テニス」の認知拡大の応援活動も行う「第42回全国選抜高校テニス大会」は、3月20日(開会式)~26日まで博多の森テニス競技場で開催される。

全国選抜高校テニス大会 チーフアドバイザー宮崎愛伎代

※写真は髙野健一選手(©全国選抜高校テニス大会実行委員会)