「全豪オープン」男子シングルス決勝で、ドミニク・ティーム(オーストリア)を4時間のフルセットの激闘の末破り、2年連続8度目の優勝を果たしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)。そのジョコビッチがW…

「全豪オープン」男子シングルス決勝で、ドミニク・ティーム(オーストリア)を4時間のフルセットの激闘の末破り、2年連続8度目の優勝を果たしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)。そのジョコビッチがWOWOWのスタジオに登場し、インタビューに答えた。

ジョコビッチは優勝したことについて「本当に光栄なことだ。またこのトロフィーを手にすることができるなんて、素晴らしい2週間だった。この大会は大好きだし、ロッド・レーバー・アリーナはとても心地の良いスタジアム。感情がこみ上げてきていて、疲労もピークなので上手く言葉をまとめることができなかったけれど」と笑顔で語った。

史上最多の8度目であることについては「"全豪オープン"はグランドスラムの1つで、テニスでは歴史的にも重要な大会だ。僕が初めてグランドスラムを取ったのもここだった。僕が世界一のテニスプレーヤーになれるんだと信じることができたのは、この大会のおかげだよ。だからこの大会とトロフィーは特別なんだ」と、思い入れを語った。

試合では、第2、第3セットを落として厳しい展開を強いられたが、そのことについては「自分の感情に自分で驚くときがあったんだ。第2セットから第4セットの途中まで、あまり調子が良くなかった。気持ちの上でも、ティームが自分よりも良い選手なんじゃないかと思ったりして。自分のサーブが思ったように打てなかったりしてイライラしていたんだ」と振り返った。

「でもその後、盛り返すことができた。第4セットで2-2となったところから調子が上がり、集中できたんだ。そこからはどっちが勝ってもおかしくない展開だったが、自分の神経を集中して落ち着かせることができて良かった」と、集中して落ち着いたことが勝利のカギとなったと語った。

ティームをはじめとする次世代の選手たちの台頭については「ティームはベストプレーヤーの1人だとここ数年感じていた。彼はもはや次世代ではない。ダニール・メドベージェフ(ロシア)もそうだ。彼も実力があり、もうすぐグランドスラムを手にするぞというところまで来ている。近い将来、誰かがやり遂げるだろう」と語った。

続けて「しかし、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)、そして僕がそれをなんとか阻止しようと頑張っているんだ」と笑いながら語った。

そして「今日は5セットまでもつれ込む厳しい試合をしたんだ。ティームがタイトルを取ったとしても不思議ではない。ナダルも彼に負けたしね。ティームをはじめとして彼らはどんどん強くなっていて、そして勝てると信じて頑張っている」と、若い世代の頑張りを称えた。

オリンピックについて聞かれると「楽しみだ。とても気持ちが高ぶるよ。今年はグランドスラムとオリンピックを重視してやっていく。オリンピックは歴史の重みがある大会で、スポーツの大会としては最高だ。ぜひ国を代表して日本に行きたいね。"楽天ジャパンオープン"のときのように良いプレーがしたい」と笑顔を見せた。

「ATPカップ」など、代表として出場する機会の多いジョコビッチ。そのことについては「代表戦だとモチベーションが上がるし、パワーもアップする。テニスだとコート上で一人で戦うので、孤独を感じることもある。仲間を代表する、チームでプレーするというのはまれだよ。"ATPカップ"もオリンピックも、連帯感を感じることができる大会だ」と、代表戦に出ること自体を楽しんでいるようだ。

最後に日本のファンにメッセージを、と促されると、手を振りながら「ありがとうございます」と日本語であいさつ。語学が堪能なジョコビッチらしいあいさつと笑顔で日本のファンに感謝を伝えた。

驚異の強さで勝ち上がり、決勝ではティームに苦しみながらも底力を見せて勝ちきったジョコビッチ。「なんとか阻止しようと頑張っているんだ」と笑いながら語っていたが、そのBIG3の牙城を崩す次世代の選手が誰になるのか、そしてもちろんジョコビッチをはじめとするBIG3がどこまで若手の台頭を食い止めるのか。2020年シーズンは始まったばかり。今年も目が離せないシーズンとなりそうだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)